『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』 インフィニティ・ストーンのおさらいをしよう
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マーベル・シネマティック・ユニバース最大のスケール、最大の賑やかさ。これまでのマーベル・シネマティック・ユニバース18作品は、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』にたどり着くためにあったのだ。
シリーズ史上最多のスーパーヒーローが集結し、これまでチラリと映ったり、言及されるだけだった最大最強の敵サノスと対峙する。これぞ大興奮の一作だ。
マーベル・シネマティック・ユニバース作品の中でも群を抜いた名作(と私が考える)『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』を監督したアンソニー・ルッソとジョー・ルッソの兄弟がメガホンをとったのだから、本作が面白いのはとうぜんなのだが、その彼らにもこの映画はかなり手強かったようだ。アンソニー・ルッソは次のように語っている。
「これほど多数のヒーローが登場する群像劇は過去に存在しません。それは、物語を構成するうえで、かつての名作からヒントを得ることが難しいということを意味します。映画づくりにおいて、参考にする過去作がないのは恐ろしいことです。(群像劇の名手として知られる)ロバート・アルトマン監督の作品を参考にしようとも考えましたね。ただ、同時にやりがいも感じていました。それこそ、新たな未知の領域に足を踏み込むことでもあったからです。」
登場するスーパーヒーローの数でいえば、仮面ライダーやスーパー戦隊、ウルトラマンの映画のほうが多いかもしれない。だが、いつでも主役級として新作を撮れる人気キャラクターが一堂に会し、しかも一人ひとりの個性とドラマがこれほどまでに描かれた作品は、過去に例がないだろう。
その舵取りを見事にやりきったルッソ兄弟の手腕はたいしたものだし、それだけのドラマを書き込みつつきちんと整理されたクリストファー・マルクスとスティーヴン・マクフィーリーの脚本はどんなに称賛してもし足りない。
観客の多くは、何といってもインフィニティ・ストーンが揃うことに感激するに違いない。数々のマーベル・シネマティック・ユニバースの作品を通して激しい争奪戦が繰り広げられてきたインフィニティ・ストーン(後述)が、とうとう全部揃うのだ。ただ一つでも宇宙を震撼させる強大な力を秘めたインフィニティ・ストーン。それが六個揃うのだから、その迫力や推して知るべし。
多くの悪事を裏で操ってきたタイタン人サノスも(後述)、本作では前面に現れて、アベンジャーズとがっぷり四つに組む。はじめてサノスがスクリーンに登場してから、どれほどこの日を待ち焦がれたことか。

『マイティ・ソー バトルロイヤル』のラストは、故郷の星を破壊されて宇宙の難民となり、星々のあいだを旅していたソーとアスガルド人が、謎の巨大宇宙船に遭遇するところで終わっていた。本作では、その船――サノスの宇宙船サンクチュアリIIによってアスガルドの避難船が破壊され、アスガルド人の生き残りも皆殺しに殺されてしまう。
ここからサノスとスーパーヒーローたちの戦いが延々と続くのだが、その描き方が潔い。各ヒーローの紹介は過去作で済んでいるし、サノスのことも、サノスが探し求めるインフィニティ・ストーンのことも観客は知っているから、余計な説明は一切いらない。
ヒーローたちは、ただひたすらにサノスと戦い、翻弄され、さらなる謎に巻き込まれる。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』に感心するのは、世界観がまちまちなヒーローが集結したのに、物語が破綻せず紡がれていることだ。
仮面ライダーが大戦争する映画や、歴代スーパー戦隊が集結する映画や、多くのウルトラマンが協力する映画は、たいへんでもやれないことはないと思うのだ。作品のカラーやフォーマットが似ているし、設定に共通するところも多い。
だが、マーベル・シネマティック・ユニバースは各作品の独立性が高く、異質なところが多分にある。いくら地続きの世界だと主張しても、ただ心身を鍛えただけのスパイであるブラック・ウィドウと、時空を操る魔法使いのドクター・ストレンジと、宇宙を股にかけた暴れん坊のガーディアンズ・オブ・ギャラクシーらでは、力も雰囲気も違い過ぎる。スパイや暗殺者が束になってかかってきても平気なブラック・ウィドウでも、ダーク・ディメンションを支配するドルマムゥすら撃退したドクター・ストレンジが苦戦するような高次元の存在が来たらひとたまりもない。ちょっと気の利いた武器を持つだけのファルコンやウォーマシンは、通常の戦場なら大活躍だが、異星人や異次元の敵にはかなうまい。
『アベンジャーズ』と銘打つ映画は三作目とはいえ、共闘するヒーローがどんどん増えていく中で、一本の映画としてのカラーを打ち出すのは至難の技であったはずだ。
これを成し遂げたことは、本当に素晴らしい。はじめて合流したガーディアンズ・オブ・ギャラクシーが、添え物にならず、しっかりストーリーの中心にいるし、アイアンマン/トニー・スタークやハルク/ブルース・バナーらフェイズ1からの古参メンバーにもそれぞれの見せ場がある。絶妙なバランス感覚だ。

結果、科学と魔法という水と油の関係にあるアイアンマンとドクター・ストレンジを早々に引き合わせることで作品を引っ張る対立軸を設けながら、すでに『アベンジャーズ』でアイアンマンと衝突したことのあるソーには別ルートの旅をさせて、アイアンマンやドクター・ストレンジに会わせない。
さらに、アイアンマンとドクター・ストレンジ、そしてスター・ロードたち科学と魔法に卓越した面々には、サノス単体との常識外れの戦い(月を砕いて落っことす!)を演じさせる一方で、ファルコンやブラック・ウィドウらには、サノスの配下ブラックオーダーが率いる雑魚キャラたちの相手をさせて、彼らなりの強さを演出する。
複数個所で同時進行する戦いは、スケールやヒーローの能力が違い過ぎて、ともすれば一方の面白さだけが突出してしまいそうなものだが、本作では各キャラの個性と映像の魅力、そして優れた構成が、どちらも盛り上げて楽しませてくれる。
マーベル・コミックスにはクロスオーバーを頻繁に行ってきた長い歴史があるとはいえ、実に巧く処理したものだ!
しかもだ、本作はなんとスーパーヴィランであるサノスの内面を描く作品もある。
『アベンジャーズ』に登場したチタウリ人のジ・アザーや、『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』に登場したダークエルフのマレキスがいい例だが、作品が宇宙的スケールになってくると、どうしても敵側のキャラクターを掘り下げる余裕がなくなってしまう。いきおい、薄っぺらで記号的なヴィランになりがちなのだが、本作はこれだけ盛り沢山でありながら、サノスがとても魅力的に描かれている。だから、サノスとの戦いはいくら見ても見飽きない。
アンソニー・ルッソ監督は、「本作では、サノスの感情を突き詰めて描きたいと考えていました」とまで述べている。
さて、サノスはマーベル・シネマティック・ユニバース最大の敵、マーベル・シネマティック・ユニバースはインフィニティ・ストーンの争奪戦だった――といっても、18作もあると、どの作品で何があったか判らなくなりそうだ。何しろ最初のインフィニティ・ストーンが登場してから、もう八年も経つのだ。
そこで、備忘を兼ねて過去作での扱いを記しておく。
■サノス
『アベンジャーズ』(2012年)のエンドクレジット後に初登場。地球侵略をアベンジャーズに阻止されたチタウリ軍のジ・アザーから「アベンジャーズに戦いを挑めば死あるのみ」という報告を得て、ひるむどころか笑っていた。これにより、後続のマーベル・シネマティック・ユニバースの作品世界に大きな影響を与えたチタウリの大襲撃が、サノスの差し金だったことが判る。 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014年)では、クリー人のロナンを使ってインフィニティ・ストーンの一つ、パワー・ストーンを手に入れようとしていた。娘のガモーラとネビュラに命じて、ロナンを補佐させていたが、娘たちに裏切られてしまう。 『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015年)でもエンドクレジット後に登場し、まだ石のないインフィニティ・ガントレットを左手にはめて、「私の出番だ。」と宣言する。 |
■インフィニティ・ストーン
(1) スペース・ストーン 『マイティ・ソー』(2011年)のエンドクレジット後のシーンで、国際平和維持組織S.H.I.E.L.D.の施設に連れてこられたエリック・セルヴィグ博士が、四次元キューブ(Tesseract)の調査をニック・フューリー長官から依頼される。このときのセルヴィグ博士はロキに操られていたため、ロキが四次元キューブの在りかを知ってしまう。この時点ではまだ、四次元キューブの中にスペース・ストーンが入っていることは観客に明かされていない。 1940年代を舞台にした『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』(2011年)では、オーディンがノルウェーのトンスベルグの聖堂に隠していた四次元キューブ(Tesseract)をナチスドイツの将校ヨハン・シュミットことレッドスカルが手に入れる。だが、キャプテン・アメリカとの闘いの最中、レッドスカルはキューブを暴走させてしまい、時空の彼方に飛ばされる(『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』において、レッドスカルが惑星ヴォーミアでソウル・ストーンの番人になっていたことが明かされた)。残された四次元キューブは、ハワード・スタークによって回収され(て、S.H.I.E.L.D.に受け継がれ)る。 その後、息子のトニー・スタークが、アイアンマンの動力源となる新型アーク・リアクターの開発のヒントを探して父ハワードの遺品を調べたとき、父が四次元キューブの研究を続けていたことが判明する(『アイアンマン2』(2010年))。 『アベンジャーズ』(2012年)では、四次元キューブを手に入れたロキが、キューブの力でワームホールを開いてチタウリの軍勢をニューヨークに呼び寄せる。チタウリとの戦いの後、四次元キューブはソーがアスガルドで保管する。だが、『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(2013年)のどさくさでロキがオーディンに成りすまし、アスガルドの支配者の座についたから、ロキはキューブを自由にできたはずだ。事実、『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017年)でアスガルドが崩壊した際に、ロキがキューブを持ち出していたことが本作で明らかになる。 |
(2) マインド・ストーン 『アベンジャーズ』(2012年)において、(サノスから王笏を授かった)ロキはマインド・ストーンを備えた王笏で人の心を操り、四次元キューブ(Tesseract)を奪取する。チタウリとの戦いの後、この王笏はS.H.I.E.L.D.が保管したと思われる。 『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014年)では、S.H.I.E.L.D.が長年にわたり秘密結社ヒドラに侵食されていたことが明かされる。そしてエンドクレジット後のシーンで、王笏を手に入れたヒドラの科学者バロン・フォン・ストラッカーがマインド・ストーンを使った人体実験を行い、双子の超能力者、スカーレット・ウィッチ(ワンダ・マキシモフ)とクイックシルバー(ピエトロ・マキシモフ)を生み出していた。 『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015年)の冒頭で、バロン・フォン・ストラッカーのアジトはアベンジャーズの急襲を受け、王笏はアベンジャーズのものになる。トニー・スタークはさっそくマインド・ストーンを研究するが、その過程でマインド・ストーンの力により人工知能ウルトロンが誕生してしまう。ウルトロンはみずからの「容れ物」としてマインド・ストーンを額に埋め込んだ肉体を作るが、この肉体はスーパーヒーロー、ヴィジョンとして覚醒する。 本作では、ヴィジョンのマインド・ストーンの争奪戦がクライマックスとなる。 |
(3) リアリティ・ストーン 『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(2013年)の冒頭で、宇宙誕生直後におけるマレキス率いるダークエルフとオーディンの父ボーとの戦いが描かれる。ダークエルフに勝利したボー王は、マレキスの武器――宇宙を誕生前の状態に戻せるエーテル、すなわちリアリティ・ストーン――を手に入れる。ボー王はエーテルを地中深くに隠したが、現代になって、不慮の出来事からエーテルが再びマレキスの手に渡ってしまう。死闘の末にマレキスを倒し、エーテルを取り戻したアスガルド人は、四次元キューブ(スペース・ストーン)とエーテル(リアリティ・ストーン)の二つがアスガルドにあることは危険だと考え、惑星ノーウェアのコレクター(タニリーア・ティヴァン)にエーテルの保管を依頼する。 |
(4) パワー・ストーン 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014年)において、サノスの命を受けたクリー人ロナンが、パワー・ストーンを収めたオーブを探していた。スター・ロードはオーブをいったんコレクター(タニリーア・ティヴァン)の許に持ち込み、パワー・ストーンのいわれを聞くが、激しい争奪戦の末に、ザンダー星を本拠とするノバ軍警察にパワー・ストーンの保管を依頼する。 |
(5) タイム・ストーン 『ドクター・ストレンジ』(2016年)に「アガモットの目」という首飾りとして登場。魔法の訓練施設カマー・タージで、長いあいだ厳重に保管されていた。その後、タイム・ストーンを収めた首飾りの状態のまま、ドクター・ストレンジが身につけている。 |
(6) ソウル・ストーン 本作において、サノスがガモーラにソウル・ストーンの探索を命じていたことが語られるが、本作以前に登場することはなかった。 |
当初の発表では、題名が『Avengers: Infinity War Part1』とされていた本作。「Part1」の文字は外れたが、もちろんこれは物語の前半に過ぎない。本作と同じ監督、脚本家が組んだ続編が、2019年5月3日に公開される予定なので、楽しみに待ちたい。
おっと、その前に、本作の最後にニック・フューリーが呼び出したキャプテン・マーベルの登場だ。
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監督/アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ
出演/ロバート・ダウニー・Jr ベネディクト・カンバーバッチ クリス・ヘムズワース クリス・プラット クリス・エヴァンス ジョシュ・ブローリン マーク・ラファロ ゾーイ・サルダナ スカーレット・ヨハンソン カレン・ギラン トム・ホランド ポール・ベタニー エリザベス・オルセン アンソニー・マッキー チャドウィック・ボーズマン ドン・チードル トム・ヒドルストン デイヴ・バウティスタ ポム・クレメンティエフ ピーター・ディンクレイジ セバスチャン・スタン ベネディクト・ウォン グウィネス・パルトロー ベニチオ・デル・トロ イドリス・エルバ ダナイ・グリラ サミュエル・L・ジャクソン ヴィン・ディーゼル ブラッドリー・クーパー
日本公開/2018年4月27日
ジャンル/[アクション] [アドベンチャー] [スーパーヒーロー] [SF]

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【theme : アベンジャーズ】
【genre : 映画】
tag : アンソニー・ルッソジョー・ルッソロバート・ダウニー・Jrベネディクト・カンバーバッチクリス・ヘムズワースクリス・プラットクリス・エヴァンスジョシュ・ブローリンマーク・ラファロゾーイ・サルダナ
⇒comment
こんばんは
うお~ジェムをすべてまとめてくださって、すごい助かりましたw
やっぱり、すべて言及はされてませんでしたよね。6つも過去作に出てきたっけ?ってw
私も思ったんですけど、キャラの説明をバッサリ省いたぶん、ダレ場なく丸々バトルシーンでいさぎよい構成でした。
あと、仲違いしちゃったアイアンマンとキャプテンアメリカも結局会わずじまいで終わっちゃいましたよね(^_^;)
ただ、運良くアベンジャーズの初期メンバーは半分絶滅をまぬがれたから、ホークアイも参加して後編で再結成とか、そういう熱い展開になるんでしょうね~そこらへんは原作と結構違いますよね。楽しみです。
やっぱり、すべて言及はされてませんでしたよね。6つも過去作に出てきたっけ?ってw
私も思ったんですけど、キャラの説明をバッサリ省いたぶん、ダレ場なく丸々バトルシーンでいさぎよい構成でした。
あと、仲違いしちゃったアイアンマンとキャプテンアメリカも結局会わずじまいで終わっちゃいましたよね(^_^;)
ただ、運良くアベンジャーズの初期メンバーは半分絶滅をまぬがれたから、ホークアイも参加して後編で再結成とか、そういう熱い展開になるんでしょうね~そこらへんは原作と結構違いますよね。楽しみです。
Re: こんばんは
ゴーダイさん、こんにちは。
結構、ジェムは変遷してるから判りにくいですよね。自分用のメモとしてまとめたのですが、お役に立って良かったです。
本作はファンが待ちに待ってた作品なので、余計な説明を省いて、最初から最後までクライマックス状態で充実していましたね。過去作の全てが伏線なんだから、今度は回収しまくるぞっていう勢いがいいです。
今回は今回で伏線を縦横に張っているから、次回の回収が楽しみです!
結構、ジェムは変遷してるから判りにくいですよね。自分用のメモとしてまとめたのですが、お役に立って良かったです。
本作はファンが待ちに待ってた作品なので、余計な説明を省いて、最初から最後までクライマックス状態で充実していましたね。過去作の全てが伏線なんだから、今度は回収しまくるぞっていう勢いがいいです。
今回は今回で伏線を縦横に張っているから、次回の回収が楽しみです!
全く救いの無い、絶望の映画ですね。
諸般の事情から、本編は見ておりませんが、各種の記事を見るにつけ、アメリカ的な趣向というものに対し、感じるものがありました。何故、アメリカは、このようなガチなバトルものを、好むのだろうかと。傍若無人な悪役サノスに対しては、『デスノート』の月(ライト)を想起しました。独りよがりな正義感で、勝手に大量の殺戮を行ったライトは、どんなに魅力的なキャラであっても、結局は、ただの人殺しとして、終幕を迎えました。本多勝一氏の「殺される側の論理」を持ち出すまでもなく、彼に消される側にとっては、サノスが凄いとかは関係が無く、理不尽に消されただけです。よく、1人殺せば犯罪者だが、100人殺せば英雄だと言われますが、サノスは、正にヒーローという事になりますね。その動機付けは解らないでもないですが、こんな極論に走らずとも、別な手立てがある筈なのに、こんな破壊的な解決策しか考えられないサノスは、どんなにIQが高かろうとも、大バカ者だと思いました。結局は、何でも力で解決するという、いかにもアメリカ的な強引さを感じました。母性を壊された上に種族ごと全滅させられ、その上誰にも返り見られる事の無いアスガルドの人々の無念さは、どうにも救いようが無く、正に絶望そのものてす。こんな理不尽な虐殺と殺戮を延々と見せつけ続ける映画を、有難がって拍手喝采を送るアメリカ人は、どうかしてるとしか思えません。本作いい、「スター・ウォーズ」いい、どうしてアメリカ人は、生命を宿す惑星を、丸ごと破壊するような映画を、好き好んで作り続けるのでしょうか? 私には、見るに堪ええません。
No title
いつも楽しく読ませていただいてます!
インフィニティ・ウォー、やっと私も念願叶ってレイトショーで観てきたのですが、正直称賛半分、腑に落ちない気持ち半分といったところでした!
過去作はブラックパンサー以外はすべて鑑賞済みなんですけど、主にキャプテン陣営の描写にものすごく違和感を感じました。シビルウォーであれだけ組織に組み込まれることを頑なに拒んだキャップが、普通に物語前半にアベンジャーズの基地にしれっと戻ってきたり。
ブラックウィドウとバナーの再会が、やあ、だけで終わってしまったり。
なにより、本編前編にて地球にペッパーを残す葛藤を抱えたまま、戦場を地球から遠ざけるべく決死の覚悟で敵の宇宙船に潜入し宇宙の遥か彼方でサノスを迎え撃つトニー・スタークと、前作であれだけ自らの正義を押し通したくせにワカンダの民を戦争に平気で巻き込むキャップの悪いコントラストが、、、本当に腑に落ちませんでした。味方を巻き込んでおいて命に大小はないとか言われても、、…いやいや、と突っ込みたくなってしまいました。
映像的な迫力やヴィランの描写は過去作と比べても出色の出来と思うだけに、今までの経緯によって描かれてきたヒーロー達のアイデンティティみたいなものが本作はどうにもブレを感じてしまい、鑑賞後振り返るとなんだかむずむずした気持ちを抱えてしまったのでした。
インフィニティ・ウォー、やっと私も念願叶ってレイトショーで観てきたのですが、正直称賛半分、腑に落ちない気持ち半分といったところでした!
過去作はブラックパンサー以外はすべて鑑賞済みなんですけど、主にキャプテン陣営の描写にものすごく違和感を感じました。シビルウォーであれだけ組織に組み込まれることを頑なに拒んだキャップが、普通に物語前半にアベンジャーズの基地にしれっと戻ってきたり。
ブラックウィドウとバナーの再会が、やあ、だけで終わってしまったり。
なにより、本編前編にて地球にペッパーを残す葛藤を抱えたまま、戦場を地球から遠ざけるべく決死の覚悟で敵の宇宙船に潜入し宇宙の遥か彼方でサノスを迎え撃つトニー・スタークと、前作であれだけ自らの正義を押し通したくせにワカンダの民を戦争に平気で巻き込むキャップの悪いコントラストが、、、本当に腑に落ちませんでした。味方を巻き込んでおいて命に大小はないとか言われても、、…いやいや、と突っ込みたくなってしまいました。
映像的な迫力やヴィランの描写は過去作と比べても出色の出来と思うだけに、今までの経緯によって描かれてきたヒーロー達のアイデンティティみたいなものが本作はどうにもブレを感じてしまい、鑑賞後振り返るとなんだかむずむずした気持ちを抱えてしまったのでした。
Re: 全く救いの無い、絶望の映画ですね。
イカローさん、コメントありがとうございます。
本作は救いのない映画なのでしょうか。
記事本文にも書きましたが、本作は『Avengers: Infinity War Part1』、『同 Part2』と題されていた作品のPart1です。「Part1」という呼び方こそなくなりましたが、あくまで前半に過ぎません。前後編の前編は、絶体絶命のピンチで終わるのがお約束です。
映画『DEATH NOTE デスノート』二部作でも、前編では月が人を殺すばかり、月に罰が下されるのは後編『the Last name』になってからでした。
しかも(こんなことを書くと本編を観ていないイカローさんの楽しみを奪うようで恐縮でずが)、劇中で、時空を操るドクター・ストレンジが未来を見通し、サノスを倒せることを確かめた上で計略を練っているので、後編であっぱれ大逆転を果たし、サノスの野望が潰えることは既に判っています(死んだとみせかけて実は……という展開が続出するでしょう)。
かなり古い考え方の持ち主であるサノスは(少子化が問題視され、中国でさえ一人っ子政策をやめた今のご時世に、人口が多すぎるなどと云っているのです)、おっしゃるとおり大バカ者ですので、後編において完膚なきまでに懲らしめられることでしょう。
理不尽な虐殺や殺戮をする者は必ずや罰せられる。そこにアメリカ人は拍手喝采するでしょう。前編だけでも大ヒットしていますが、もちろんサノスのような行為は許されず、後編で罰を食らうことが判っているからです。
『スター・ウォーズ』には、帝国軍がデス・スターを用いて惑星アルデラーンを破壊するシーンがありましたね。制服のデザインや白人しかいないことでもお判りのとおり、帝国軍はナチス・ドイツのカリカチュアです。好むと好まざるとに関わらず、ナチス・ドイツがホロコーストを引き起こしたのは事実。『スター・ウォーズ』は、多様な人種・民族が力を合わせてファシズムに抵抗する映画ですが、その過程でホロコーストがあったことを指摘するのがおかしいこととは思いません。誤った思想がいかに多くの犠牲を強いるかを描くのは、必要なことでもあると思います。
ともかく今は、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の続編でのヒーローたちの巻き返しが楽しみでなりません。
本作は救いのない映画なのでしょうか。
記事本文にも書きましたが、本作は『Avengers: Infinity War Part1』、『同 Part2』と題されていた作品のPart1です。「Part1」という呼び方こそなくなりましたが、あくまで前半に過ぎません。前後編の前編は、絶体絶命のピンチで終わるのがお約束です。
映画『DEATH NOTE デスノート』二部作でも、前編では月が人を殺すばかり、月に罰が下されるのは後編『the Last name』になってからでした。
しかも(こんなことを書くと本編を観ていないイカローさんの楽しみを奪うようで恐縮でずが)、劇中で、時空を操るドクター・ストレンジが未来を見通し、サノスを倒せることを確かめた上で計略を練っているので、後編であっぱれ大逆転を果たし、サノスの野望が潰えることは既に判っています(死んだとみせかけて実は……という展開が続出するでしょう)。
かなり古い考え方の持ち主であるサノスは(少子化が問題視され、中国でさえ一人っ子政策をやめた今のご時世に、人口が多すぎるなどと云っているのです)、おっしゃるとおり大バカ者ですので、後編において完膚なきまでに懲らしめられることでしょう。
理不尽な虐殺や殺戮をする者は必ずや罰せられる。そこにアメリカ人は拍手喝采するでしょう。前編だけでも大ヒットしていますが、もちろんサノスのような行為は許されず、後編で罰を食らうことが判っているからです。
『スター・ウォーズ』には、帝国軍がデス・スターを用いて惑星アルデラーンを破壊するシーンがありましたね。制服のデザインや白人しかいないことでもお判りのとおり、帝国軍はナチス・ドイツのカリカチュアです。好むと好まざるとに関わらず、ナチス・ドイツがホロコーストを引き起こしたのは事実。『スター・ウォーズ』は、多様な人種・民族が力を合わせてファシズムに抵抗する映画ですが、その過程でホロコーストがあったことを指摘するのがおかしいこととは思いません。誤った思想がいかに多くの犠牲を強いるかを描くのは、必要なことでもあると思います。
ともかく今は、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の続編でのヒーローたちの巻き返しが楽しみでなりません。
Re: No title
アトリさん、コメントありがとうございます。
本作はサノスとの戦闘が中心なので、既知のキャラクターの細かい心情を描いたり、戦闘以外のエピソードを膨らませるのは避けていますね。特に、早い時期にサノスの脅威に接したバナー=ハルクは、戦闘態勢を整えるのに忙殺されていたようです。
ただ、かつてキャップが拒んだのはソコヴィア協定を課されて行動の自由を奪われることでしたから、その懸念がなければ、アベンジャーズの基地に出入りするのはまさにキャップの自由ではないかと思いました。
あと、『ブラックパンサー』はご覧になっていないとのことですが、ワカンダは地球で最強の国であり、民の多くがスーパーヒーロー並みの強さを誇る戦士なので、本作では民を戦争に巻き込んだというより、強力な援軍と連携したということかと思います。
まあ、私はMCUの心理描写にはあまり期待しないことにしています。
だって、ブラック・ウィドウはホークアイと付き合ってたはずじゃないですか。『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』にホークアイが登場しなかったとき、プロデューサーは「ブラック・ウィドウは矢の形のペンダントを大切にしている。ホークアイが登場しなくても、思いは通い合っているのだ」と説明していたかと思います。ところが、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』になると、実はホークアイには妻がいて、あんな大きな子供までいました。ブラック・ウィドウもキャップに声をかけたり、ブルース・バナーに接近したりと、ホークアイなんかどうでも良い様子。
原作は何十年もの歴史がありますから、たしかにブラック・ウィドウとホークアイが付き合った時期もあれば、それぞれ他の相手と付き合った時期もあるのですが、それをほんの数作の映画で見せられては困ってしまいます。
そもそもブルース・バナーには、ベティとの愛を貫いて欲しかった。
トニー・スタークだって、『アイアンマン3』のラストで「アーマーはもう着ない」と云ってすべて処分したのに、私はそこにとても感動したのに、その後も新しいアーマーを作っては着ています。
毎度こんな調子なので、MCUの作品間でキャラクターの設定(とくに心情)が引き継がれることは諦めているのです。
本作はサノスとの戦闘が中心なので、既知のキャラクターの細かい心情を描いたり、戦闘以外のエピソードを膨らませるのは避けていますね。特に、早い時期にサノスの脅威に接したバナー=ハルクは、戦闘態勢を整えるのに忙殺されていたようです。
ただ、かつてキャップが拒んだのはソコヴィア協定を課されて行動の自由を奪われることでしたから、その懸念がなければ、アベンジャーズの基地に出入りするのはまさにキャップの自由ではないかと思いました。
あと、『ブラックパンサー』はご覧になっていないとのことですが、ワカンダは地球で最強の国であり、民の多くがスーパーヒーロー並みの強さを誇る戦士なので、本作では民を戦争に巻き込んだというより、強力な援軍と連携したということかと思います。
まあ、私はMCUの心理描写にはあまり期待しないことにしています。
だって、ブラック・ウィドウはホークアイと付き合ってたはずじゃないですか。『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』にホークアイが登場しなかったとき、プロデューサーは「ブラック・ウィドウは矢の形のペンダントを大切にしている。ホークアイが登場しなくても、思いは通い合っているのだ」と説明していたかと思います。ところが、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』になると、実はホークアイには妻がいて、あんな大きな子供までいました。ブラック・ウィドウもキャップに声をかけたり、ブルース・バナーに接近したりと、ホークアイなんかどうでも良い様子。
原作は何十年もの歴史がありますから、たしかにブラック・ウィドウとホークアイが付き合った時期もあれば、それぞれ他の相手と付き合った時期もあるのですが、それをほんの数作の映画で見せられては困ってしまいます。
そもそもブルース・バナーには、ベティとの愛を貫いて欲しかった。
トニー・スタークだって、『アイアンマン3』のラストで「アーマーはもう着ない」と云ってすべて処分したのに、私はそこにとても感動したのに、その後も新しいアーマーを作っては着ています。
毎度こんな調子なので、MCUの作品間でキャラクターの設定(とくに心情)が引き継がれることは諦めているのです。
⇒trackback
トラックバックの反映にはしばらく時間がかかります。ご容赦ください。『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』('18初鑑賞38・劇場)
☆☆☆☆☆ (10段階評価で 10)
4月27日(金) 109シネマズHAT神戸 シアター9にて 15:35の回を鑑賞。 2D:字幕版。
85『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』ネタバレ無しで
今年一番の注目作?
いや、21世紀最大の注目作!!
ネタバレは勿論、ストーリーも出来る限り触れずにレビューします。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』
~あらすじ~
それぞれ異なるパワーを持つインフィニティ・ストーンが六つそろうと、世界を滅ぼせるほどの力が得られるという。アイアンマン(ロバート・ダウニー・Jr)、キャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)、ス...
アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
6つすべてを手に入れると世界を滅ぼす無限大の力を得るというインフィニティ・ストーン。 その究極の力を秘めた石を狙うスーパーヴィラン(最凶最悪の敵)、サノスを倒すため、最強ヒーローチーム“アベンジャーズ”が集結する。 しかし、ケタ違いの力を持つ敵に歯が立たない! 他のヒーローたちも続々と応援に駆け付けるが…。 スーパーヒーロー・アクション第3弾。
「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」
いや、これ、たぶん、このあと、ああして、こうなって。
映画「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」
GW中に映画「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」を鑑賞しました。
全力で予想!アベンジャーズ 4(仮)の展望
全力で予想!アベンジャーズ 4(仮)の展望
当記事には、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のネタバレが含まれます。ご注意下さい。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(ネタバレ無しレビューはこちら)公開から2週間。
全世界で記録的大ヒットを爆進中な本作ですが、世界中のみなさんと同じで、私自身もあの衝撃のラストに面を食らっていました。
これ程呆然とさせるま...
映画「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2D・日本語字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし
映画 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2D・日本語字幕版)』(公式)を本日、劇場鑑賞。
採点は、★★★★☆(最高5つ星で、4つ)。100点満点なら85点にします。
【私の評価基準:映画用】
★★★★★ 傑作! これを待っていた。Blu-rayで永久保存確定。
★★★★☆ 秀作! 私が太鼓判を押せる作品。
★★...
「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」☆驚愕のラスト
驚きのラスト!!!
あえてその線でCMしていなかったのもあるけれど、今までのヒーローものの常識を覆す斬新な結末にお口あんぐり。
アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
「面白い度☆☆☆☆☆ 好き度☆☆☆」
今度月を投げつけたら怒るぞ。
パキPさんに誘われなかったらスルーしてたマーベル映画。前にも書いたんだけど、マーベルってさ、もう最
らんだむ1/2 ルッソ兄弟 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』
開始から10年を経て、いまだ勢いの全く衰えないマーベル・シネマティック・ユニバー
アベンジャーズ/インフィニティーウォー
アベンジャーズのメンバーが最強の敵サノスと徹底的に戦う。ヒーローが束になってかかっても敵わない。続編がありそうだけど、予測できない。非常に迫力ある映像だけど、混乱している。