『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』 アニメと違う「差分」の正体

THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦 ディレクターズカット特別版 [Blu-ray] 【ネタバレ注意】

 「演出家としてはB級です」押井守監督はみずからこう述べている。「演出という部分で僕よりはるかにうまい監督なんかいっぱいいるんです。僕の演出はどちらかと言ったらゴツゴツしてるし、なめらかじゃない。手つきが硬いというかさ、だから演出家としてはたいしたことないんだよ。役者の扱いもそんなにうまいわけじゃないし。」

 同時に、監督としては特A級を自認している。
 「企画を成立させたりとか、映画を映画として成立させるということに関してはたぶん五指に入ると言ってもいい、と思ってるよ。本当は正直に言えば一番うまいと思ってるんだけどさ。」
 本人がこう云うのだから、押井監督の作品に対して演出がどうの、役者の扱いがどうのと書いても仕方がない。「B級演出家」という本人の言を超える指摘は難しい。
 だから、押井監督作品は、本人が特A級と云う「企画を成立させたり、映画を映画として成立させるということ」を楽しむのが最上だろう。この点については、一番上手いというのだから。

 押井守監督のメインテーマは、映画を撮り続けることだという。
 映画史に名高い監督ジャン=リュック・ゴダールは、百何十本も映画を作っていながら、ちゃんと製作費を回収できたのは処女作の『勝手にしやがれ』だけと云われる。にもかかわらず、ゴダールは今に至るも映画を撮り続けていられる。なぜか?
 これを監督業のメインテーマに据えた押井監督は、一本の傑作、一本のヒット作をつくるよりも、連綿と映画を撮り続けられる状況づくりを重視する。

 一本の傑作、一本のヒット作も重視しないわけではないだろうが、そこを追求するとジョージ・ルーカスや庵野秀明氏のように自分が納得のいく映画を自分の金で作り、確実にヒットさせて注ぎ込んだ金を回収しなければならなくなる。
 押井監督のスタンスは違う。
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僕は自分の金では絶対映画を撮らない。他人様の金で映画を作って、自分のスタッフにも基本的にやりたい放題やらせる。それでもなお「自分の映画」にするにはどうするのか、ということしか考えてない。自分自身が自分のリスクでなにかしでかそうとは全然思ってないです。
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 世の中はジョージ・ルーカスや庵野秀明氏のような創業社長ばかりではない。世の多くの雇われ社長やサラリーマン諸氏は、押井監督のスタンスの方が共感し易いだろう。

 二度のオリジナルビデオアニメと三度の劇場版とテレビシリーズ、マンガ、小説、ゲームと息の長い人気を誇る『機動警察パトレイバー』の実写化となれば、新たな伝説を生むに相応しい企画だ。しかも一人の監督がアニメと実写の両方からアプローチするなんて、世界にもちょっと例がない。押井守監督の、映画を撮り続けるというメインテーマに、本作は確実に貢献するだろう。


THE NEXT GENERATION パトレイバー/第1章 [Blu-ray]■わざと映画をダメにした押井守

 では監督として特A級を自認する押井監督が、全7章の短編シリーズ『THE NEXT GENERATION パトレイバー』と長編映画『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』で成立させようとしたものは何だろうか。

 押井監督によれば、最初のオリジナルビデオアニメ『機動警察パトレイバー』のテーマは、ロボット物の「足かせ」だったという。「バッテリーの時間しか動かない、自走できないから現場までトレーラーで運ぶしかない。動けば必ずなにか壊す、自分も壊れる、メンテナンスも大変。ほとんど動かすためだけに存在してるような部隊。」これをテーマにしたのが最初の第一話であったという。
 その後のビデオやテレビは「警察官の日常を描く」ことがテーマだった。

 これらのテーマは『THE NEXT GENERATION パトレイバー』にそっくりそのまま受け継がれている。
 98式イングラムを立たせて礼砲を撃たせるだけのことに特車二課が大騒ぎするエピソード2「98式再起動せよ」は、オリジナルビデオアニメの第一話「第2小隊出動せよ!」のテーマに通じよう。
 待機するだけの毎日を描いたエピソード1「三代目出動せよ!」やアーケードゲームに興じるエピソード3「鉄拳アキラ」等は、「警察官の日常」を描いたものだ。
 すなわち、『THE NEXT GENERATION パトレイバー』はアニメシリーズでやったテーマの繰り返しなのだ。

 これが「実写化」という触れ込みの『THE NEXT GENERATION パトレイバー』の興味深いところだ。
 タイトルに「THE NEXT GENERATION」とあるように、警視庁警備部特科車両二課のメンバーは代替わりしており、アニメシリーズで活躍した「栄光の初代」、その後の(劇場版第二作で壊滅した)「無個性の二代目」を経た「無能の三代目」という設定になっている。時系列的にはアニメシリーズの後の時代であり、劇場版第二作『機動警察パトレイバー 2 the Movie』(1993年)の後日談が絡んだりする。
 これだけ見れば、実写化プロジェクトは「アニメシリーズの続きを実写で描いたもの」である。

 ところが、無能の三代目と呼ばれる面々は、初代隊長・後藤の後輩の後藤田隊長や、初代の操縦担当・泉 野明(いずみ のあ)に代わる操縦担当・泉野 明(いずみの あきら)、初代の指揮担当・篠原 遊馬(しのはら あすま)に代わる指揮担当・塩原 佑馬(しおばら ゆうま)等々、初代のメンバーとほぼ1対1で対応する。その上テーマはアニメシリーズの繰り返しときたもんだ。
 まるでアニメシリーズを実写でリメイクしているようにも見える。

THE NEXT GENERATION パトレイバー オリジナル・サウンドトラック 後藤隊長や野明をストレートに実写で描けば、配役がアニメのイメージと違うとか、役者が似てるとか似てないとか髪型が違うだの何だのという声が湧いてくるだろう。三代目という設定は、このようなノイズの発生を抑え、心置きなく実写化するための方便として巧い手だと思う。
 『THE NEXT GENERATION パトレイバー 第1章』の公開に際して、押井監督は次のように語っている。
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アニメの世界の泉野明は、たくさんのアニメーターが絵を描き、冨永みーなという声優が命を吹き込んだキャラクターだから、いざ実写といっても誰かが取って代われるものじゃない。もうね、最初はキャストに対して違和感があってもいいんですよ。肝心なのは1年という時間を、一緒に過ごせる相手かどうか。見終わる頃には『この子も成長したな。やっぱり明を演じられるのは、真野恵里菜だけだった』と絶対に思ってもらえるはず。そこがシリーズの醍醐味だし、いいキャスティングができたと自負している
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 このように、かつての『機動警察パトレイバー』と同じで済むところはとことん同じにしつつ、まったく同じものの繰り返しにもしないのは、描きたいことを絞り込むために違いない。
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なぜ今かって疑問に答えるとしたら、自分がどうこうじゃなくて、やっぱり周りの環境が大きく変わったんだと思う。言ってみれば、一回自分が終わらせたものでもあるから、昔のままを実写化してくれと言われても、それはできない。でも時代や環境に即したアレンジであれば、そこに自分が(総監督を)やる必然も見えてくる。そうでなければ、違う監督がやるべき話だから
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 第1章の公開時に「時代や環境に即したアレンジ」と述べていた押井監督は、『首都決戦』の際には「差分」という表現で説明している。
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(『首都決戦』は)『パト2』の続編であって、リメイクでもリニューアルでもないんです。『パト2』で起きたクーデターの16年後の世界。その16年の間に何が変わったのか、どう変わったのか、何が変わっていないのか。16年経っても変えてはいけないものが果たしてあるのか。いわば"差分"です。

最初から言っていますが、今回はその差分そのものを描くことがテーマ。ストーリーも変える必要がないんですよ。だからほとんど変わっていない。それに付き合っている人間たちが変わったんだという部分を中心に描いています。クーデターを起こすプロセスとか、展開のダイナミズムのようなものはやっていません。『パト2』ではそれを丹念に描いた。だから方向性は全く逆なんです。

それはやはり16年経ってテーマが変わったから。同じようなシチュエーションで、アニメでやったことを映画で作り直したものでしかないわけ。(『首都決戦』が)アニメだったとしても同じことをやったと思う。

繰り返すけど、何が変わっていないのか、何が変わったのか。変わっていいものと変わっていけないものは何なのか。それが全て。骨はそういうことです。後はみんな、映画としての"お肉"ですね。アクションだったり、キャラクターだったり。
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機動警察パトレイバー 劇場版 [Blu-ray] 『機動警察パトレイバー 2 the Movie』からストーリーも変えていないという『首都決戦』だが、劇場版第一作『機動警察パトレイバー THE MOVIE』の要素もしっかり混ぜてある。
 劇場版第一作では、クライマックスで野明が自分のレイバーを捨て石にする、その犠牲の大きさでカタルシスを生んだ。そして『首都決戦』でも同じコンセプトのアクションを用意する。

 しかも、劇場版第一作と同じように、わざわざ映画をダメにする要素を付け加えた。
 映画をダメにするもの――押井監督によれば、それは「感動のおまけ」である。感動的な場面を加えることで、映画の哲学は失われる。が、観客は喜んで、商業映画として成功する。
 劇場版第一作のラスト、「やったやった」と抱き合って遊馬が野明を抱いてクルクル回る場面こそ「感動のおまけ」であるという。押井監督は、まるで宮さん(宮崎駿)の映画みたいだなと思って、コンテを切りながら自分で恥ずかしかったそうだ。
 こんなことをしたら映画がダメになると思っていながら、押井監督は『首都決戦』にも同様の場面を付け加えた。この映画を商業的に成功させ、今後も撮り続けていく固い意志がなさせたのだろう。


■大いなる遺産の正体

 『機動警察パトレイバー 2 the Movie』の事件がベイブリッジ爆破ではじまったように、『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』はレインボーブリッジ爆破で開幕する。以降、押井監督が云うようにほぼ同じストーリーが繰り返され、特車二課第二小隊はテロリストの一派と対決する。
 特車二課第二小隊を率いる後藤田隊長が頼みの綱としているのは、初代隊長が残した大いなる遺産だ。その実態はようとして知れないが、その遺産があればこそ特車二課は存続している。一方のテロリストは劇場版第二作の主犯・柘植行人(つげ ゆきひと)の薫陶を受け、戦前の「正義=モラル」を再興しようとする者たちだ。
 はたして、押井監督があえて監督を引き受けてまで描こうとした環境の変化とは、1993年の劇場版第二作から22年(劇中の時間では16年)のあいだに生じた「差分」とは何なのか。

 押井監督は、時代性を取り入れることを考えたと述べている。
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今回はより一層テロの要素が前面に出ています。一番のポイントは"見えない"ということなんです。その象徴が見えない戦闘ヘリということ。テロの実態が見えない、もっと言えば動機すら分からない。つまり、"敵が見えない"んです。
(略)
日本でもしテロがあり得るとすれば、政治的な要求などではなくて、一人が勝手に戦争を始めることだと思うんですよ。すでに、現実に戦争をやっているヤツが出ている。通りがかりの人を刺しちゃったりね。それは言ってみれば彼らにとっての戦争なんだよ。戦争なんだから、動機なんて必要ない。
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 本作の社会的、政治的、軍事的な面については多くの人が分析するだろうから、それらの論考を楽しく拝読したいと思う。
 私は別のことを妄想している。

 そもそも『首都決戦』の元となった『機動警察パトレイバー 2 the Movie』のテーマは何だったのだろうか。『首都決戦』のテーマが差分を描くことだとすれば、劇場版第二作がテーマとしたものにその後起きたことがポイントのはずだ。
 OVAやテレビでは「足かせ」や「日常」をテーマとし、劇場版第一作では「レイバーは凶器になる」ことを取り上げた押井監督が劇場版第二作のテーマに据えたもの、それは「隊長」である。
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機動警察パトレイバー2 the Movie [Blu-ray]隊長を「パト2」のテーマにしたんだよ。その方が僕にとっては面白いと思えたんです。なぜかと言ったら隊長というのは監督と同じだから。隊長と隊員の関係を監督とスタッフと置き換えてもいいんだよ。どうやってこいつらに言うことを聞かせて自分のテーマを実現し得るか、自己実現しようかという、そういう立場という点では隊長と監督は同じなんです。
(略)
そういう「中間管理職の自己実現」というテーマを描いた映画だから、この映画は社会人が見た方が絶対面白いと思ってたんだけど、結局そのとおりになったんです。社会人のほうが反応した。
(略)
「パト2」というのはそういう意味で言えば「隊長論」の映画だよね。中間管理職論と呼んでもいいし、もっとズバリ監督論でもいい。
---

 特車二課第二小隊の後藤隊長は、他人に命令も強制もしない。しかし、口では「命令も強制も俺は嫌いだから」と云いながら他人に選択肢を与えず、やらざるを得ないように追い込んでいる。自分のやりたいことをやらせるために、あらゆる手立てを講じる男だ。
 押井監督によれば、後藤のモデルはスタジオジブリのプロデューサー鈴木敏夫氏であるという。
 天才アニメーターの宮崎駿氏に『魔女の宅急便』、天才演出家の高畑勲氏に『ホーホケキョ となりの山田くん』と、両者のそれまでのフィルモグラフィーからは予想もつかない作品をつくらせて、近年も嫌がる宮崎駿氏に『風立ちぬ』をつくらせ、そんなつもりがなかった高畑勲氏に『かぐや姫の物語』の監督をさせた男。

 押井監督は鈴木敏夫氏についてこう語る。
---
「使えない人間は使える人間の言うことを聞くのが当たり前だ」と思ってるだけだから。昔からそうだよ。

「何もテーマを持ってない若いヤツをいいように使うのは当然の権利だ。だってテーマがないんだから」って、そういうオヤジなの。団塊というのは基本的にそういう発想をするんですよ。「自分はテーマを持っている。やるべきことも見えてる。やるべきこともなければテーマすら持ってない若いヤツらを自分がいいように使うのは当たり前だ」って。
(略)
中間管理職は本当のバカじゃ困るけど、バカのふりをしてればいいんだよ。バカのふりをして、うまいこと若い部下をだまして、追い込んで、利用するんです。

どうせ彼らには会社への忠誠心もないんだから、うまく彼らにとっても利益になるように思わせて、誘導しないと。そうしないと部下だって動かない。さっきも話したけど、テーマのない人間を使うにはテーマを与えればいいんです。僕の映画で言えば、「機動警察パトレイバー」はそういう話だもん。
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 『機動警察パトレイバー 2 the Movie』が発表された1993年といえば、1991年に高畑勲監督の『おもひでぽろぽろ』が配給収入18.7億円の大ヒットを飛ばし、1992年には宮崎駿監督の『紅の豚』が配給収入28億円(興行収入47.6億円)の大々ヒットを達成、『魔女の宅急便』が築いたアニメ映画の興行成績日本記録を早くも更新した頃だ。もちろんすべて鈴木敏夫プロデュース。鈴木プロデューサーの『もののけ姫』(1997年)が日本映画の興行記録を塗り替える前夜のことである。当時の宮崎駿ブランド、ジブリブランドの躍進は目をみはるものだった。
 そのやり方、その業績。なるほど映画の主人公に相応しい人物だろう。

 あれから22年。
 鈴木敏夫氏とその環境はどう変わったか。

THE NEXT GENERATION パトレイバー オリジナル・サウンドトラック2 2012年のインタビューで、押井監督は述べている。
 「鈴木敏夫は最近一所懸命に鬱病の本を読んでるよ。」

 スタジオジブリは2001年の『千と千尋の神隠し』で日本映画史上最高記録となる304億円もの興行収入を上げ、アカデミー賞やベルリン国際映画祭の金熊賞等々、世界の賞を総なめにした。
 これほどの成功を収めたのは、宮崎駿という天才の力もさることながら、鈴木敏夫プロデューサーの尽力によるところも大きい。
 「問題なのは」押井監督は云う。「それが敏ちゃん(鈴木敏夫)の力だったのか、宮さんの力だったのか、本人たちにもわからなくなったんだよ。」
---
問題なのはそれが敏ちゃん(鈴木敏夫)の力だったのか、宮さんの力だったのか、本人たちにもわからなくなったんだよ。おたがいに自分の力だと思ってる。宮さんは敏ちゃんなんかいなくたって俺の映画は当たるんだと思ってるよ。「宣伝なんかするな。必要ない」ってはっきり言い切ったんだから。
(略)
でも「じゃあそのブランドを作ったのは誰よ?」っていう話ですよ。だけど敏ちゃんはそのブランド力を作ったことで、逆に自分の存在意義(=宣伝の必要性)を失って、やさぐれてる。

僕に言わせれば、黒澤も宮さんも敏ちゃんもあんまり楽しそうじゃない。友達はいないし、孤独だし。楽しくないという時点で僕に言わせると勝利条件を満たしてないよね。人生が全然ハッピーになってない。宮さんは電車なんか乗ってたら大騒ぎになっちゃうから、もう電車にも乗れない。浮気もできない。
(略)
敏ちゃんはもうやることがなくなっちゃった。自分が踊らせないといけない王様がいなくなっちゃった。どれもダメなんですよ。
---

 宮崎氏や鈴木氏が楽しくなくたって、スタジオジブリの破竹の勢いが続いていれば周りはハッピーだったかもしれない。
 だが、押井監督はインタビューに応えてこう語る。
---
そういえば、若いプロデューサーたちや制作たちで鬱病っぽくなってる人が増えているんだよね。(略)出社拒否になっちゃって、会社に出てこないで家でDVD見てるんだって。揃いも揃ってみんな30過ぎてから。ローンで家を買って子供が産まれた途端に。
(略)
たぶん、これから30年間ローンを返さないとって考えたときにやっと気付くんだよ、自分のスタジオはこれから30年存続するんだろうかって。

例えばジブリ。どう考えても宮さん(宮崎駿)があと30年生きるわけがないけど、宮さんが死んだ時点でジブリはおしまいだってことは誰でもわかってる。存続するにしても版権管理会社だよ。じゃあ今あそこで働いてる連中はどうなるのか。
(略)
ジブリのアニメーターには5年10年やってても人間を描いたことないアニメーターもいるんだよ。そうじゃなければ、あれだけクオリティの高い作品なんてできない。キャラクターを描かせてもらえる人間なんて一握りで、それ以外の人たちは延々と動画だったりするんです。

他のスタジオだったらアニメーターは忙しいんだよ。2年に1本なんて悠長なことを言ってられないから、バンバン描かせる。そういう人はそこそこ描けるから、どこへ行っても食えるんです。ジブリは、うまい人はめちゃくちゃうまいけど、下積みの連中はなかなか上に上がれない。
(略)
宮さんが死んだら全員放り出されるって、あるときハタと気がつくわけ。それでもアニメーターは、ある意味手に職があるからまだましで、プロデューサーとか制作の連中は「30年のローンで家買っちゃった。子供産まれちゃった。大学出るまであと20年以上かかるんだ」ってさ。
(略)
愕然とする方がまともかもしれない。「自分たちの未来はどうなるんだろう?」ってさ。とはいえ、そうなる前にどうするかをなんで考えなかったのアンタ、って思うんだけどね。
(略)
飛び出したヤツも何人かはいる。今残ってる連中はジブリという組織、会社員一般で言えば会社の名前に守られてるだけ。外に出てやっていく自信はないんじゃないかな。

僕から見たジブリは、「宮さんの映画を作る」ということに特化したちょっといびつなスタジオだから、みんな守備範囲が狭いわけ。外に出されたらあっと言う間に萎えちゃう。温室なんです。雑草みたいなヤツはほとんどいない。宮さんひとりが獰猛な百獣の王で、その獰猛な百獣の王を飼うために人工的に作ったサバンナなんだよ。
---

THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦 オリジナル・サウンドトラック そしてインタビューは「鈴木敏夫は最近一所懸命に鬱病の本を読んでるよ。」という話に至る。
 私はスタジオジブリの関係者ではないから、実のところがどうかは知らない。
 少なくとも2012年当時の押井監督はスタジオジブリをこう見ていたし、2012年のイベントで当の鈴木敏夫氏から「『パトレイバー』実写で映画化するの?」と水を向けられたことで本プロジェクトの存在が発覚する。
 これは偶然だろうか。

 ここまでくれば、「大いなる遺産」と「無能の三代目」の正体を妄想せずにはいられない。
 初代が残した「大いなる遺産」で食いつないでいるものの、手駒は無能な三代目ばかり――。
 この「大いなる遺産」とは、ジブリというブランドだろう。三代目とは宮崎駿引退後のスタジオジブリとしか思えない。イングラムを操縦したり整備する技能なんて他の部署ではまったく役に立たないから、5年10年やってても人間を描いたことのないアニメーターみたいなものだ。
 『首都決戦』の大いなる遺産に実態がなかったように、宮崎駿氏が引退したらジブリブランドに実態はない。それでも鈴木隊長は次世代、次々世代の連中を率いて戦わねばならない。

 これこそ『首都決戦』が直面した「差分」だ。「栄光の初代」(宮崎駿)が引退した後、隊長(プロデューサー)はどう戦うのか、三代目(残った社員)はどうすべきなのか。鈴木敏夫氏をモデルに隊長論を考察した劇場版第二作から22年を経て、隊長は危機的状況に陥っている。
 『首都決戦』の敵であるテロリストたちがやけに影が薄いのもとうぜんだろう。初代テロリスト柘植行人の思想を担いだだけの彼らもまた、無能の二代目三代目なのだ。

 これは単にスタジオジブリやアニメ業界だけの問題ではない。
 創業者世代が退いて変調を来したといわれるソニーのように、多くの企業・団体が直面している。熱気溢れる「栄光の初代」が去った後、残った次世代、次々世代の者たちは、会社の名前に守られる「無能の三代目」に陥っているのではないだろうか。

 本作の特車二課の面々は、大いなる遺産が頼りにならないと認識してから、自分たちの意志と才覚で戦いはじめる。
 本作は「無能の三代目」に甘んじている者たちに喝を入れ、エールを送る物語なのだ。

 もっとも、現実の進行は映画を凌駕している。
 2012年9月に鈴木敏夫氏が実写化を暴露した後、2013年3月の東京国際アニメフェアにおいて実写化プロジェクトの存在が公にされた。そして2013年9月25日に『THE NEXT GENERATION パトレイバー』の製作発表が行われ、主要キャストや実物大イングラムがお披露目されたのだが、この直前の9月1日に宮崎駿監督が引退を表明、「宮崎駿引退後のスタジオジブリ」が早くも現実のものになった。
 それでもスタジオジブリは2014年7月19日に創業メンバーの宮崎駿、高畑勲両氏がかかわらない初の長編映画『思い出のマーニー』を発表し、興行収入35.3億円と健闘するが、翌8月に鈴木プロデューサーが「ジブリの制作部門の休止」を発表、『借りぐらしのアリエッティ』『思い出のマーニー』の監督を務め宮崎駿、高畑勲両氏抜きで映画を作れた唯一の人物・米林宏昌氏も退職した。
 2015年5月1日公開の『首都決戦』のエールが届く前に、スタジオジブリはかつての押井監督の言葉どおりに「存続するにしても版権管理会社」になっていった。

 とはいえ、それは必ずしも残念なことではない。
 本作は、組織の存続や活動の継続に意義を求めようとしていない。
 『機動警察パトレイバー』の影響を受けて作られた『踊る大捜査線』は、組織の存続を前提に置いたために行き詰ってしまったが(「『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』 もう続けられない理由」参照)、本作は同じことを繰り返さない。

 『首都決戦』でもっとも活躍し、圧倒的な存在感を示す人物は、ステルス戦闘ヘリ"グレイゴースト"のパイロット灰原零だ。テロリストの一員でありながら、過去の思想や伝統に囚われず自分の腕で勝負する灰原だけが、苦境にあってもしぶとく生き残れる。
 本作で一番カッコよく描かれているのが森カンナ演じる灰原零であることは、誰もが感じるところだろう。
 組織から飛び出すことをためらわない彼女こそ、既存の組織を震撼させる破壊的イノベーターではあるまいか。初代の遺産なんてなくたって、いや遺産なんかないからこそ思い切り活躍できるのだ。

 彼女の正体は定かではないが、誰でもないということは誰でもあり得るということだ。
 本作のエールは万人に向けられている。


追記
 2015年10月10日、『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦 ディレクターズカット』が公開された。映画内で映し出されたタイトルは『GRAY GHOST THE NEXT GENERATION PATLAVOR』。
 押井監督が作ったのはこちらで、5月1日公開版は配給する側、お金出す側がハサミを入れたものだそうだ。押井監督版が公開されたのは何よりだ。
 5月1日公開版に比べて27分も増えただけあって(正確には5月1日版が27分も切られていたというべきか)、描写が丁寧で、おちゃらけもちゃんとあって断然いい。ストーリーは変わらないが、充実感が違う。ストーリーの進行には寄与しない場面があることで、緩急のコントラストが鮮明になった。5月1日公開版は「緩」が無く、重苦しい「急」ばかりだったが、「緩」があればこそ心躍る。
 銃の撃ち合いばかりではなく、やっぱり熱海の宴会もなくては。


THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦 ディレクターズカット特別版 [Blu-ray]THE NEXT GENERATION パトレイバー』  [さ行]
総監督/押井守  原作/ヘッドギア
出演/筧利夫 真野恵里菜 福士誠治 太田莉菜 田尻茂一 堀本能礼 しおつかこうへい 藤木義勝 千葉繁
日本公開/第1章:2014年4月5日~第7章:2015年1月10日
ジャンル/[SF] [アクション] [ロボット]

THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』  [さ行]
監督・脚本/押井守  原作/ヘッドギア
出演/筧利夫 真野恵里菜 福士誠治 太田莉菜 田尻茂一 堀本能礼 しおつかこうへい 藤木義勝 千葉繁 森カンナ 吉田鋼太郎 高島礼子 榊原良子
日本公開/2015年5月1日  ディレクターズカット公開/2015年10月10日
ジャンル/[SF] [アクション] [ロボット]
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⇒comment

No title

ナドレックさん、相変わらず何て面白い事を書くの。
特車二課がジブリだとするなら、映画の最後で、まだまだ敵が来るならどんどん来いと言ってるように見えたので、それはいざと言う時にはお役に立ちます。能力は低いけど24時間二交代制で延々と働きます。だから、これからは下請けスタジオとして使ってください、という裏アピールですかね。

Re: No title

ふじき78さん、こんにちは。
それも一つの方向性ですね。

社会のあちこちでレイバーの導入・普及が進み、レイバー犯罪への対処が急務だった初代の頃は、はみ出し者に見えるメンバーもそれなりに将来性を買われて配属されたのでしょうし、整備班の人間だって「これからはレイバーの整備ができなきゃ一人前じゃない」「レイバー整備の技術を身に付ければ食いっぱぐれない」くらいの気持ちがあったでしょう。
一方、レイバーが姿を消し、世の中から忘れられようとしている現代において、レイバー運用の技能を継承するだけのために存続を許された「盲腸みたいな」組織に安住している三代目は、押井監督の感覚からすればそこにいるだけで無能を証明しているようなものかもしれません。

そんな彼らのこれからのあり方として、組織の価値を高めるのか、組織を飛び出して個人として別天地を目指すのか。
本作は結構深い問題を突き付けている気がします。

こんにちは

コメントありがとうございました

せめてレンタル、セル両方共に
ディレクターズカット版で出して、公開版とディレクターズカット、
みるのを選べる形にしたらよかったのに、と販売方法が非常に残念です
「組織」と言うものを改めて考えさせられる本作でしたが
短縮版だけで「はい、これで終わりです」といわれたら、今までのドラマ版も含めてなんと勿体無いことか。
もう2作くらい作れないのかな~と私なんかは単純に考えてしまいますが。

Re: こんにちは

makiさん、こんにちは。
押井監督が作ったのはディレクターズカット版のほうなのだから、こちらを多くの人が見られるようにして欲しいですね。
まぁ押井監督は、自分の作ったものには一コマといえども手を入れさせない宮崎駿監督とは違うから、また「好きなだけ編集してもいいよ。なんだったら音響もやり直せば? 費用は全部そっち持ちなら何をやってもいいけど、監督のオリジナル版も必ず出せ」なんて云ったんじゃないでしょうか(^^; 監督のオリジナル版が日の目を見さえすれば、ファンはこちらを支持するはずだという自信があったでしょうし。
(米国のプロデューサーと『アヴァロン』配給で揉めたときに、押井監督はこう云い放ったそうです。)

押井監督としては、例によっておかっぱの女性が活躍する映画を撮れたからニンマリしているかもしれません:-)

Re: こんにちは

やっぱり、押井監督は「じゃあ、好きにすれば」「自分が作ったものがちゃんと世の中に出さえすればいいよ、あとはお客さんが決めるから」なんて云ってる;-)
http://gigazine.net/news/20151002-tng-patlabor-mamoru-oshii-interview/
Secret

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THE NEXT GENERATIONパトレイバー 首都決戦

これにて終結なんて嘘だよね! 信じないよ!!  

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THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦

20世紀末、人間型ロボット“レイバー”の普及に伴う犯罪に備え、警視庁は警察用レイバーを擁する特車二課パトレイバー中隊を設立する。 …そして現在、レイバー衰退と共に特車二課は警察のお荷物集団となっていた。 そんな時、自衛隊から戦闘ヘリが強奪され、レインボーブリッジが真っ二つにされてしまう。 隊長・後藤田をはじめとする警視庁・特車二課のメンバーは、首都1,000万人がテロリストの人質にされている...

『THE NEXT GENERATION パトレイバー/首都決戦』(2015)

第七章まで作られた実写版『パトレイバー』、これがリメイクならば比較的素直に受け入れたでしょうけれど、続きということに引っ掛かりを覚えました。実写とアニメの両方に跨って出てくるキャラもいるでしょうから、それをどうするのかという問題。そのくせリメイクではないのに、アニメ版と似たような名前、似たようなポジション、或は真逆な性格付けを施された人物が右往左往すること云々。アニメ版の主人公の名前が「泉 ...

THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦/筧利夫

全7章からなる劇場上映もされたドラマ版の真の完結編とも言える「THE NEXT GENERATION パトレイバー」の長編劇場版です。ドラマ版ではなんだかんだ理由をつけてたいして動かさなかった98 ...

『パトレイバー THE NEXT GENERATION 首都決戦』を新宿ピカデリー5で観て、不満はあるけどこれならOKふじき★★★★(薄くネタバレあり)

五つ星評価で【★★★★破綻してる部分はあるけど面白い事は認める】   前回のエピソード12はやはり予告編でしかないからいらなかった。 あれを見てないと今回のが見れないとい ...

「THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦」

2015年・日本/東北新社=松竹 配給:松竹 監督押井 守原作:ヘッドギア脚本:押井 守音楽:川井憲次VFXスーパーバイザー:石井教雄製作総指揮:植村 徹共同製作:迫本淳一 人気アニメ「機動警察パトレ

起き上がれ起き上がれ起き上がれイングラム 押井守 『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』

宮崎駿や富野由悠季と並んで日本アニメ界のカリスマとして知られる押井守氏。その押井

■THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦

第377回「これぞ押井流全開といったところでしょうか?」 さて、長い期間に渡って全7章(12エピソード)によって語られてきた「THE NEXT GENERATION パトレイバー」。その詳しい世界観や簡単な説明などは、以前に書いた第1章のブログをご覧いただくとして。今日は...

「THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦」テロリストの攻防の果てにみた首都圏を防衛する難しさと脆さを示した作品

「THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦」は機動警察パトレイバーの実写版でパトレイバー部隊が廃止される直前まで追い込まれた中で起きたステルスヘリの強奪事件にパトレイバー部 ...

THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦

【概略】 完全新作で実写化したシリーズの最終章となる長編劇場版。旧型の人型作業機械・レイバーを擁する警視庁特車2課パトレイバー中隊と、最新鋭の自衛隊戦闘ヘリを強奪したテロリスト集団の戦いを描く。 SFアクション 本作がようやく本編ってことでドラマを見てきた甲斐はあったのかなあ?ディレクターズカット版があるそうです、レンタルは短縮版っぽいですねえ。 最新鋭の戦闘ヘリを自衛...

THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦

2015年 日本 92分 SF/アクション/ロボット 劇場公開(2015/05/01) 監督: 押井守 『斬〜KILL〜』 原作: ヘッドギア 脚本: 押井守 出演: 筧利夫:後藤田継次 真野恵里菜:泉野明 福士誠治:塩原佑馬 太田莉菜:カーシャ(エカタリーナ・クラチェヴナ...

映画:「THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦」♪。

平成27年11月25日(水)。 映画:「THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦」。 監督・脚本: 押井守 原作: ヘッドギア 音楽: 川井憲次 キャスト: 後藤田継次:筧利夫・泉野明:真野恵里菜・塩原佑馬:福士誠治 カーシャ:太田莉菜・大田原勇:堀本能…

THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦(2015)

人気アニメ「機動警察パトレイバー」を実写化した「THE NEXT GENERATION パトレイバー」の長編劇場版。個人的に、実写版があるとは知らなかったので、かなりびっくりぽん、だったのでした。2014年からスタートした、『THE NEXT GENERATION パトレイバー』シリーズの最終章となる劇場版長編、だったとは!序盤の淡々とクライマックスのアクションが、いかにも押井守節いきなり足...
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