『宇宙戦艦ヤマト2199 第四章 銀河辺境の攻防』の二つの特徴

 【ネタバレ注意】

 夢のようだ。
 以前の記事で書いたようにデスラーが大好きな私としては、白色彗星帝国に居候するデスラーが不憫でならなかった。
 時代劇には、しばしばヤクザ一家で用心棒をしている浪人者が登場する。一家の親分から「先生」なんて呼ばれて、一応の敬意は払われるものの、半ば厄介者の捨て駒だ。映画『座頭市物語』に見られるように、この手の「先生」は、主人公と心を通わせつつもろくな最後を迎えない。
 ガミラス帝国の総統デスラーともあろう者が、『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』においてヤクザの用心棒のごとく白色彗星帝国ガトランティスに食わせてもらっているのが、デスラー好きの私には悔しかった。

 その長年の不満を、いきなり吹き飛ばしてくれたのが『宇宙戦艦ヤマト2199 第四章 銀河辺境の攻防』だ。
 第11話「いつか見た世界」は、予想だにしなかったガトランティスとガミラスとの艦隊戦で幕を開ける。名将ドメル率いる小マゼラン方面軍が、ガトランティスの艦船を次々に沈めているのだ。

 これもまたヤマトの世界を熟考した結果であろう。
 第1話「イスカンダルの使者」の記事に書いたことだが、本作は第1テレビシリーズだけをベースにしているわけではない。第1テレビシリーズには登場しない土方や山南が第1話から活躍することで判るように、ヤマトシリーズ全体を考慮しての人物の再配置が行われている。これは単なるファンサービスではなく、ヤマトの作品世界を見渡して全体としての整合を図る作業である。
 そしてそれは登場人物の配置にとどまらず、国家等にも及んでいたのだ。

 ガミラスは大マゼラン銀河から天の川銀河に及ぶ大帝国だ。
 これほどの版図を有するのだから、同じような恒星間国家であるガトランティスやボラー連邦と接触していてもおかしくない。というよりも、一作ごとに新たな恒星間国家が出てくる旧シリーズのやり方は、出渕総監督の「いくらなんでも今見たらそれはないだろう」と云う部分だろう。
 それらをきちんと考えることで、ガミラス帝国の全盛期にガトランティスは何をしていたかを示したのが本作だ。

 登場するのは他の国家でも良かったはずだが、ボラー連邦が天の川銀河を版図とし、暗黒星団帝国が二重銀河を拠点とすること等を考えれば、大マゼラン銀河から発したガミラス帝国が接触する相手としては、宇宙を放浪する白色彗星帝国が一番しっくり来るだろう。ガミラス帝国崩壊後にデスラーと因縁が生じる間柄でもあるのだから。

 氷川竜介氏はパンフレットのイントロダクションにおいて、ガトランティス艦隊や(元は『宇宙戦艦ヤマトIII』の)次元潜航艇とフラーケンの登場を指して次のように述べている。
---
スタッフが目指そうとしている高みがいよいよ明確となった。それは旧作シリーズ全体を壮大な「ヤマトサーガ」としてとらえ直した上で、もう一度イスカンダルへの「旅」をするならば、どんな光景が再発見できるのかという壮大な挑戦なのだ。
---
 まったく同感である。

 特に私が嬉しかったのは、ガミラス艦隊がガトランティス艦隊をけちょんけちょんに蹴散らしてくれたことだ。そうなのだ、ドメル健在のガミラス帝国最盛期であれば、ガミラス軍はガトランティスごときに引けをとるものではないのだ。
 勢いに乗って、ドメル艦隊をもってバルゼー艦隊を叩き潰して欲しいところだが、それでは悪ノリが過ぎよう。
 ともあれ、長年の悔しさはここで一気に解消した。


 さて、『宇宙戦艦ヤマト2199 第四章 銀河辺境の攻防』は、前章と同じようにバラエティに飛んだ4話から構成される。
 もちろん目玉は、「宇宙の狼」ことドメルの登場だが、他にも二つの特徴がある。

 一つが、松本零士氏へのリスペクトだ。
 旧シリーズを尊重する『宇宙戦艦ヤマト2199』からは、これまでも松本零士氏へのリスペクトが感じられたが、第四章ではさらにその感を強くした。
 第12話に登場するドメルの妻エリーサを見て、メーテルかと思った観客は多かろう。彼女が「トリさん」ならぬロクロック鳥を肩に留まらせた絵は、実に愉快だ。

 また第14話「魔女はささやく」でヤマトを窮地に陥れるセレステラとミレーネル。
 宣伝情報相ミーゼラ・セレステラは広いオデコが特徴的で、パンフレットの解説によれば惑星ジレル出身の彼女は<ジレルの魔女>と呼ばれるという。なるほど、彼女はジレルだからオデコが広いのだ。
 第10話「大宇宙の墓場」で、松本零士氏がイラストを手掛ける<太陽の女王号>シリーズからサブタイトルを拝借したように、セレステラとミレーネルはやはり松本零士氏がイラストを手掛けたC・L・ムーア作品へのオマージュになっている。
 松本零士氏が描いた美女との類似を勘案すれば、セレステラ宣伝情報相が『処女戦士ジレル』、ミレーネル・リンケが『大宇宙の魔女』に相当しよう(「大宇宙の魔女」という表現は、松本零士氏も自作に流用している)。

 松本零士氏は『銀河鉄道999』等のマンガ家として、また『宇宙戦艦ヤマト』の監督として知られているが、往年のSFファンにはイラストレーターとしての印象も強い。
 第10話のようなサブタイトルの拝借にとどまらず、第14話「魔女はささやく」では、人間の判断力を奪って意のままにする敵との戦いを描き、内容的にもC・L・ムーア作品を髣髴とさせる。
 第14話は、旧作で未使用に終わった女性兵士イローゼの破壊工作ネタの発展形であるだけでなく、第1テレビシリーズと、そのころ書店に並んでいたSF小説やそのイラストに魅了された者にとって、懐かしい世界である。

 そして、それらを結びつけるのが松本零士氏だ。
 第四章を見れば、『宇宙戦艦ヤマト2199』の作り手が、松本零士氏を単にヤマトシリーズのクリエイターとしてではなく、流麗なイラストやマンガで多くの青少年をSFの世界に引きずり込んだ立役者としてリスペクトしているのが感じられよう。


 二つ目の特徴は、何が正しいのかという問いかけだ。
 第1テレビシリーズの古代進は独断専行の気味があり、旧第6話「氷原に眠る宇宙駆逐艦ゆきかぜ!」で帰艦命令を無視したり、旧第17話「突撃!!バラノドン特攻隊」では沖田艦長が倒れる中、勝手な判断で反撃したりと、規律を外れた行動が見られた。
 だが、本作の古代進は冷静な人物として描かれているし、そもそも軍人が上官の命令に反して良いはずがない。
 では、命令に従い、ルールを守りさえすれば良いのか。と問うことが、第四章のテーマになっている。

 本作の作り手はこの問題を慎重に扱っている。
 まず、第11話「いつか見た世界」で、地球とガミラスとの開戦の秘密に迫る。ここにおいて、先に攻撃を仕掛けたのが地球側であること、先制攻撃を拒否した沖田十三は役職を解任されていたことが明かされる。
 続く第12話「その果てにあるもの」では、会議の席で島と争い、罰として艦内清掃を命じられた古代に、沖田艦長が先制攻撃を拒否した心中を吐露する。「もしそれが命令であったとしても、間違っていると思ったら立ち止まり、自分を貫く勇気も必要だ。」
 その上で、第13話「異次元の狼」の古代は独断で出撃し、ヤマトを窮地から救い出す。

 これはたいへん sensitive な問題であり、だからこそ、ここに切り込んだ作り手の本気度がうかがわれる。
 アニメが「テレビまんが」と呼ばれた時代の熱血主人公なら、型破りな行動も許されたろう。その結果が吉と出るご都合主義も許されたかもしれない。
 だが、軍人が上官の命令に反して行動するなんて、「軍紀の乱れ」以外の何ものでもない。リアルなドラマにはそぐわない。

 それが判らない作り手ではないから、旧作の独断専行のエピソードを避けて通っても良かったはずだ。旧第17話「突撃!!バラノドン特攻隊」における古代の独断を再現しなくても、面白い話は作れよう。
 けれども作り手たちは逃げなかった。それどころか3話分を費やした。それは本作が戦争を題材としており、主人公が軍人であることに正面から取り組んでいるからだ。

 多大な犠牲を出したナチス・ドイツのホロコーストは、少数の人間が暴虐を振るったものではなく、官民の多くの人々が仕事を全うした結果である。では、命令に従い、職務を果たした結果のホロコーストは、正しい行為と云えるだろうか。
 山本五十六長官は、日米開戦に反対であるにもかかわらず、真珠湾攻撃を遂行した。米国にダメージを与えた上で早期講和を図る考えだったといわれるが、たとえ思惑どおりの戦果を上げたとしても、開戦しといて講和を結ぶなんてことが本当にできたのか、作家の半藤一利氏は疑問を呈している。
 『戦場のメリークリスマス』では、他の兵士と同じように職務を遂行したために、処刑される日本兵が描かれる。そこでは、一人の人間として何が正しいかをとことん考えなかったことが罪なのだ。
 先ごろ公開された『レ・ミゼラブル』をはじめ、同様のテーマを取り上げた映画は多い。

 本作の主人公たちは、強大な武器を手にしており、その一撃で多くの犠牲者を出すことができる。
 だからこそ、云われるがままに武器を振るったり、復讐心という感情の赴くままに行動してはならない。
 本作が軍人を主人公とするからこそ、作り手はこの問題に触れないわけにはいかなかったのだろう。


 そして作り手たちは被害者の物語にも逃げなかった。
 被害者の立場から「○○された」「○○させられた」と訴えるのは居心地がいい。だから争いごと――特に戦争では、各国とも我こそ被害者であると相手を批難する。
 だが、争いごとに一方的な被害者と一方的な加害者がいるものだろうか。

 命令に従ったがためにガミラスと戦争になり、それがために人類が滅亡の淵に瀕するという設定は、旧作にはない新たな問題提起として、『宇宙戦艦ヤマト2199』をより一層奥深いものにしている。


 また、異国・異民族との対立を強調するアメリカ映画が目につく昨今、本作が「理解」と「信頼」を前面に出したことは重要だ。
 敵捕虜との交流を描いた旧第13話「急げヤマト!!地球は病んでいる!!」に相当する第11話、古代と島の確執と和解を描いた旧第14話「銀河の試練!!西暦2200年の発進!!」に相当する第12話は、いずれもアクションを抑えた会話劇だが、本作の肝になる回であろう。

 ましてや、前述したように旧ヤマトシリーズ全体を勘案しての再配置が行われているとすると、地球人やガミラス人の来歴についても深い配慮が期待される。
 『宇宙戦艦ヤマト 完結編』のディンギル人が1万年前に地球から移住した地球人類であることや、ガミラス人が天の川銀河に栄えたガルマン民族の一支族であることからも判るように、ヤマトシリーズの世界観には、はるかな過去に行われた恒星間・銀河間の移住によって現在の星間国家が成立したという考えがある。

 第四章では、ガミラス人と地球人に生物としての違いはないことが示された。
 「我々はどこから来てどこへ行くのか。」
 本作は、ゴーギャンの言葉を模したセリフをガミラス人に語らせている。
 これからガミラス人について、地球人について、どのような由来が明らかにされるのか期待は高まる。

 それは、7万年前のたった1万人から世界に広まった私たち人類が、今さら異国とか異民族などと呼び合ってしまう現状を考えさせることだろう。


宇宙戦艦ヤマト2199 4 [Blu-ray]宇宙戦艦ヤマト2199 第四章 銀河辺境の攻防』  [あ行][テレビ]
第11話『いつか見た世界』 脚本/出渕裕 絵コンテ/滝川和男 演出/江上潔
第12話『その果てにあるもの』 脚本/出渕裕 絵コンテ/片山一良 演出/うえだしげる
第13話『異次元の狼』 脚本/森田繁 絵コンテ/樋口真嗣、出渕裕、片山一良 演出/南康弘
第14話『魔女はささやく』 脚本/村井さだゆき 絵コンテ/出渕裕 演出/別所誠人

総監督・シリーズ構成/出渕裕  原作/西崎義展
チーフディレクター/榎本明広  キャラクターデザイン/結城信輝
音楽/宮川彬良、宮川泰
出演/菅生隆之 小野大輔 鈴村健一 桑島法子 大塚芳忠 山寺宏一 麦人 千葉繁 田中理恵 久川綾 赤羽根健治
日本公開/2013年1月12日
ジャンル/[SF] [アドベンチャー] [戦争]
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【genre : アニメ・コミック

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⇒comment

No title

ラジオ体操みたいな反省スタンプシートに笑う。もしかしたらみんな暇なのか?

Re: No title

ふじき78さん、こんにちは。
シートに各部門の責任者が捺印していることからすると、200年後の未来でも日本はハンコ文化なんですね。
電子印鑑は普及しないということでしょうか:-)

アニメーション

そうだと思います。戦術やオペレーションレベルで仕事を全うしたしただけでは不十分ななのであって、まず高次の上流の戦略と構想が下流を、つまり内容を決めることになるわけですからね。

だったら、レミゼでも警部(警視だったかな)のような下流ではなく、法の行使という体系を決めた上流が問題視されるべきではないのかな、と思います。でもそれじゃヒューマンドラマにならないし。。

ゴーギャンの名作まで引用しているように、私たち日本人の才能とはドグマにも宗教にもとらわれず横槍を入れられる、そんな横断的な姿勢でもってなんでもかんでも引っ張ってはくっつける(構築できる)そのいい加減さ(柔軟性)ということかもしれませんね。まあ、だから論理がどこかにぶっとぶのでしょうが。。。

「宇宙人ポール」でのポールがグランドデザインも進化論も含めて地球人を皮肉った言動を思い出しますし、戊辰戦争(中公新書)すらも急に思い出しました。「2012」もついでに思い出しました。ということで、アニメーションは人間が演技する人間の映画の制約を超えて作る側の教養と思いをより強くこめていけるのかもしれませんね。そういうKawaiiなら歓迎ですが。

取り留めありませんのでこの辺にて。

ささやかな疑問

いくら何でも、DNAがまったく同一というのは無茶な気がします。これは、DNAを基盤とするシステムが同一という事でしょうか。ただ、そうすると、冒頭に出て来た、有毒な“敵性植物”が何だったのか、気になる所です。おそらくは、生物として最も異なる部分が、そこになると思うので…。ラストに至るまでに、ちゃんとした説明を望みたいです。

PS.

私も、松本氏といえば、「シャンブロウ」を思いだします。松本氏は、魔女のモチーフが、本当に好きなようですね。正直言って、松本氏の他の作品については、あまり好きではないのですが、これらの挿絵については、高評価してます。

Re: アニメーション

魚虎555さん、こんにちは。
「戦術の失敗は戦闘で補うことはできず、戦略の失敗は戦術で補うことはできない」とも云いますからね。

私が宇宙一好きな小説は『レンズマンシリーズ』ですが、この中に銀河パトロール隊とボスコニア帝国の決戦の描写があります。戦力は五分と五分。ところが、ボスコニアは敗北してしまいます。
勝敗を分けたのは、上流の戦略や構想がしっかりしていて、それが下流に浸透し支持されているかどうかです。
ボスコニアは上から命令するだけでした。部下は、自分が操作する兵器の特徴もよく知らないままに戦場に駆り出されてました。
対する銀河パトロール隊は、命令の背景まで理解・納得させ、部下がみずからの意思で任務を遂行できるようにしていました。
これが現場での瞬時の判断に差を生み、ボスコニアは強大な戦力を持ちながら敗北するのです。

別の記事でも書きましたが、実写映画と違って、アニメーションの場合はたまたま写るものとか偶然フレームに入り込むものなんてあり得ません。画面に映っているすべては、人間が意図して描いたものです。草木一本、花びら一枚まで、意図があって映し出しています。
それだけに、作る側の考えが強く込められるのでしょう。

Re: ささやかな疑問

ICAさん、こんにちは。
DNAが同一というのはどういう意味なんでしょうね。相応に検討して、ここまではセリフにしても大丈夫と判断されたのだと思いますが、もう少し具体的に喋って欲しいところです。
ガミラスにより地球が汚染されていることと、ガミラス人と地球人が生物としては違わないことは、旧作の矛盾した設定ですが、これを両立させることに挑んだスタッフは凄いと思います。必ずや膝を打つような説明を施してくれるものと期待しています。
ガミラス人と地球人は同席できるのに、イスカンダル人と地球人が同席可能なことを示す描写のないこととか、いろいろ気になりますね。

セレステラの乗艦の名前はシャングリ・ラーですが、これもチベットの理想郷よりも、シャンブロウとの語感の類似が気になります。

デスラー

初めまして。
デスラーの扱いに関しては同感です。ヤマト2では(少なくともズォーダー大帝とは)同盟国の総統扱いでしたが、さらばヤマトでは完全に部下扱いでひどいものでしたね。

ガミラスとガトランティスの戦いはワクワクしました。ガトランティスには大帝以外には大した人物はいないので、ガミラスが勝って当然ですが(゚∀゚)

それにしても、デスラーはあの若さでどうやって大帝国の独裁者になれたのか謎が深まります。北朝鮮みたいに世襲制でもなさそうですし。
今後が楽しみです。

Re: デスラー

toroさん、初めまして。コメントありがとうございます。

>ガトランティスには大帝以外には大した人物はいない

確かに:-)
ガトランティス対ガミラスに特化したスピンオフを見たいと思いましたが、ガトランティス側のドラマが膨らまないかも!?

本作のデスラーは魅力的ですね。どこまでも尊大な絶対者でいて欲しいです。
パンフレットの記述によるとデスラーは叔父の地位を継いだようですが、内戦状態を統一してしまうなど、本人の手腕が優れているからこその現在の地位なのでしょう。しかしそこには、まだ観客には明かされていないものがあるはずで、とても楽しみですね。

(`・ω・´)

初めまして。

大変興味深く拝読させていただきました^^

第4章はガミラス側の人物設定や関係図が本当に深く掘り下げられておりましたね。
単なる「敵」ではなく「戦う相手」として描かれていることにとても好感が持てます。

お蔭でガミラス側にも感情移入してしまい
シュルツが娘のビデオレターを見るシーンやグリーゼで散っていくシーンで涙が止まりませんでしたよ。
4章では息子の墓の前でのドメルと奥さんの短い会話を見ただけで
これから先にあるドメルの壮絶な死を想像してしまい感極まってしまいました。

ガミラス側はこれから先、色々ありそうですね。
どうやらガミラス星は滅亡にひんしているわけではないので
本土決戦になった時にあの都市国家でどう戦うのか全く想像ができません。

もしかしたら本土決戦と同時に秘密警察やゼーリックの反乱で革命が起こるのかもしれませんね。

Re: (`・ω・´)

もとひろさん、初めまして。コメントありがとうございます。
本作ではガミラス側もしっかり描写されており、ついついガミラスに感情移入してしまいますね!
劇中のセリフにもあるように真実は一つではないので、このように多面的な描き方はとても重要だと思います。
何はともあれ、シュルツの娘には幸せになって欲しい:-)

旧作では地球人に滅亡させられたガミラスが、本作ではいかなる運命をたどるのか、期待が高まります。

遷都のゆくえ

本編DVD、ようやく最後まで鑑賞しました。う~ん、まさかタラン(兄)に哲学的命題を語らせるとは…。やられたな~、と感服しました。最高にイイ名シーンですね。

そこで、ピンと来たのが、"遷都"の件。"大統合"とも言っていたし、"ひとつになる"発言からすると、どうやらデスラーは、"イスカンダル進駐"を企んでいるのでは? そして、イスカンダルを併合し、かつての「オーストリア・ハンガリー二重帝国」のような新体制を作ろうとしているのでは?

タラン(兄)のセリフの後で、宇宙艦がまるでイスカンダル星へ向かって進んでいるかのように見える場面が、それを暗示しているように思えました。イスカンダルの実像は、未だ隠されていて謎ですが、旧作と同様とは限らないですね。そしてデスラーを若くしたのは、ひょっとして無理やりスターシャに言い寄らせる展開に持っていく可能性も…

そうなると、イスカンダルとの、旧来の友好関係を壊したくない"良識派"のディッツ提督が、ヤマトと共闘して、イスカンダルを助けるという展開になるかも知れないです。

それにしても、艦隊総司令のご令嬢で紅い髪のお姐さんというと、何げに「イデオン」のハルル・アジバを想起してしまうのですが…。何となく雰囲気も似ているかも?


Re: 遷都のゆくえ

ICAさん、こんにちは。
ハルル・アジバ、懐かしい! 森雪で名を馳せた麻上洋子さんが、それまでのイメージを打ち破る激しい気性の女性を演じて印象的でしたね。

遷都、大統合の行方はどうなるのでしょう。
私は、元来イスカンダルの方がガミラスよりも上位の存在ではないか、なんてことを考えてます。
どうなるか判りませんけど。
テレビ放映も近いですし、ますますもってヤマト2199が楽しみですね。

No title

はじめまして。

ヤマトや映画のレビューを大変興味深く拝見させて頂いております。
第5章のPVと冒頭9分が公開されましたが、これを見る限りガミラスはこれから
ゼーリックとギムレーが結託してクーデターを起こしガトランティスの大軍団が
侵攻を開始し・・・という具合にとんでもない内憂外患に見舞われるのでは、
と思います。そうでもなければとてもじゃないがヤマトがイスカンダルに到達する
など不可能でしょう。たぶん帝都決戦も大規模艦隊戦の形で行われるように思います。


>私は、元来イスカンダルの方がガミラスよりも上位の存在ではないか、なんてことを考えてます。

横レスになりますが、2章で守護天使のイスカンダルを武人のガミラスが仰ぎ見て崇める
ような壁画が出てきますが、ガミラスはイスカンダルから技術供与を受けることで
発展してきた歴史を持っているのではないか、と想像しています。イスカンダルは
ガミラスよりもずっと進んだ科学技術を持っているが故に隣国でありながら併合を
免れているのではないか、そしてイスカンダルを併合しそのテクノロジーを手に入れる
事がデスラーの秘めたる悲願なのではないか、と思うのですがどうでしょうか?

Re: No title

T.Nさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
あの壁画は意味深ですね!
あれはデスラーが描かせたのでしょうか。
こういう細部の作り込みが想像力を刺激するので、本作を観るのがますます楽しいですね。

細かい話ですが…

遂に、第5章の冒頭部分が公開に! で、ふと気が付くと、撃たれた総督が流した血の色は紫色。そう言えば、前章で撃たれた親衛隊員が流した血も赤くは見えなかった。最初は光線の加減かとも思ったけれど、この映像を見ると、そうではないらしい。『ラーゼフォン』で青い血のムーリアンを描いた出渕総監督の事なので、何かのこだわりがあるのかも…。細かい話ですが、気になってます。

はじめまして&お礼

こんにちは。基本WOWOW映画視聴のヤマト現役世代です。
劇場版BDを購入することはあっても滅多にTVシリーズを購入することはない私でしたが、ナドレックさんのブログを読んで買ってみようと決意し購入に至りました。

家は100インチ+9.1chサラウンド(ヤマトは2chなので疑似です)で観ておりますが、美麗宇宙空間の大画面にヤマトが浮かんでいるだけで、忘れかけていたワクワク感(そう、映画予告を観て高揚している気分のような)が止まりません。
購入して良かったと思ったシーンはいくつもありますが、第3話の浮遊大陸の戦闘シーンを推しますね。
広くて美麗な浮遊大陸の映像の中でショックカノンと通常弾の音の競演は胸躍りました。
ストーリーもナドレックさんの解説通り、現代?の科学設定に沿って、深く難しくなく変更されており、スタッフの優秀さが伝わってきます。

私の妻はヤマトに拘りがあり、ヤマトは「さらば」で終わりであり、後作品はつまらないという人なので、2199もキャラデザインの変更だけであまり認めようとしません。(笑)
デスラー・加藤・山本が好きだったらしく、特に山本が死んでいる設定は許せないようです。
キャラにはまったら、そこから抜け出せないようですね。ただ、山本妹は好きなようです。
そこに少々の違和感を感じますが、人の好みなので理由付は必要ないでしょう。
私はどの映画、どのアニメにもキャラに深く思い入れしませんので、キャラデザ変更関係なく2199を非常に楽しく観ています。
いえ、寧ろこのキャラデザ変更は好意的に受け取っています。
今ではデスラーは2199の方がカッコいいとまで思っているのですが・・・。

後、音楽ですね。やはりヤマトは音楽なんだと思います。
故・宮川氏は良い息子さんを育てたのですね。ファンが欲しがるものをよくわかっています。ここも2199の奇跡的な運なのでしょう。

最後ですが、ナドレックさんの文章に感心し、楽しんで拝読させて頂いています。
ほかの映画感想も読んでも、異なる意見の映画があっても納得してしまう力がありますね。
第5章の感想も楽しみにしています。
とにかく、ここのブログを読まなければ購入はありませんでした。
ありがとうございました。

Re: 細かい話ですが…

ICAさん、こんにちは。
『ラーゼフォン』は見ていないのですが、たしかにガミラス人の血は紫色のようですね。
顔色が青いくらいだから、地球人よりヘム鉄が少なくて、血もあまり赤くないかとは思いましたが、紫とは……。血液中の酸素の運搬を、ヘモグロビンに代わってヘムエリスリンが担っているとか?それじゃあ釣り餌のホシムシですね。
佐渡先生のおっしゃる「ガミラス人のDNA配列は地球人と同じ」とは、どういう意味なんでしょう。

血が青い生物も地球上には普通にいます。エビ、カニ、イカ、タコ等です。ムーリアンとはイカやタコの仲間なのでは……(^^;

Re: はじめまして&お礼

はーしゅさん、はじめまして。
当ブログをお読みいただき、ありがとうございます。
100インチ+9.1chサラウンドなら大迫力を楽しめますね。
おっしゃるとおり、浮遊大陸の戦闘は名シーンだと思います。とりわけ「通常弾」の発想には(それを音で表現するセンスには)敬服しました。

宮川彬良氏は、高校生の頃に彗星帝国のテーマをパイプオルガンで演奏してますから、ヤマトとは30年以上の付き合いですね。だからこそ、ここまでファンの心情を汲み取ることができるのでしょう。

奥様はデスラー・加藤・山本が好きとのこと、渋いですね! 加藤・山本はともかく、なぜデスラー……。

>ただ、山本妹は好きなようです。

もしや萩尾望都ファンなのでは:-)
火星生まれで白い髪・赤い目の持ち主といえば、『スター・レッド』ですからね。

今後もマイペースでブログを更新していきますので、よろしくお願いいたします。

No title

ナドレックさん、こんにちは。

凄いですね。
妻は萩尾望都をよく読んでいたのですよ。
ポーの一族や11人いるの方が好きなようですが。
なるほど、山本妹は萩尾望都のオマージュということなのかもしれませんね。
どこかに書いてあるのでしょうか。

Re: No title

はーしゅさん、こんにちは。
本作は多くの作品へのオマージュやもじりに溢れているので、白い髪・赤い目の火星人はその発露の一つかと思います。
なにゆえ『スター・レッド』かと云えば、『百億の昼と千億の夜』のマンガ化でSFファンを驚かせた萩尾望都氏がその次に手掛けた長編SFであり、氏のSFをSFファンも歓迎している証左として初めて星雲賞を贈った記念すべき作品だから、なんて考えているのですが、いかがでしょう。
なにしろ星雲賞を三回も受賞したマンガ家は今のところ萩尾望都氏だけですから、SFへオマージュを捧げる際のマンガ代表として相応しいでしょう。

数々のオマージュについて、作り手が元ネタを披露することはないでしょうから(第8話のサブタイトル「星に願いを」は『ピノキオ』の主題歌から持ってきました、なんてわざわざ公式に云うことじゃありませんから)、気づいた受け手はおのおのニヤリとしているんだろうな、と思います。

No title

> 時代劇には、しばしばヤクザ一家で用心棒をしている浪人者が登場する
彗星帝国のデスラーの立場を言うなら「客将」では。曹操旗下の関羽みたいな。
「陣借り」っていうと指揮系統に入らないイメージ?

Re: No title

名無しの日本人さん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
客将と呼ぶと、少しイメージが良くなりますね。陣借りよりは客将の方が近いように思います。
それでも、賓客としてもてなされるのでない限り、総統閣下には似つかわしくないと思いますが……。
Secret

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