『009 RE:CYBORG』 「神々との闘い」との闘い
【ネタバレ注意】
『009 RE:CYBORG』の公式サイトに踊る惹句が胸に突き刺さる。
「終わらせなければ、始まらない。」
そうだろうか。終わらせなければ、始まらないのだろうか。そもそも終わらせることはできるのだろうか。
私たちの胸にはポッカリと穴が開いている。
その穴には幾つもの疑問が浮かんでいる。
神とはなにか?
伝説とは?
歴史とは?
文明とはなんだ?
そして人間とは……?
生命(いのち)とは……?
死とは……?
肉体とは……?
精神(こころ)とは……?
そして――そして神とはなんなんだ!?
石ノ森章太郎氏は、『サイボーグ009 神々との闘い編』の冒頭でこれらの疑問をファンに投げかけながら、その答えを見せることなく逝去した。
そして009ファンは、作者が答えなかったこれらの疑問を数十年にわたり考え続けている。神とは何か、精神(こころ)とは何か。もしも作者が逝去しなければ、どんな答えが示されただろうか?
2009年、押井守監督は『サイボーグ009』の映画化を進めていた。
『サイボーグ009 神々との闘い編』が自分の原点という押井守氏の企画は、4分45秒のプロモーション・ビデオ『009 THE REOPENING』を公開するまではこぎつけた。だが押井氏の構想は、ゼロゼロナンバーサイボーグのほとんどが死んでしまった後の世界というこれまでにない方向に進み、制作委員会には受け入れられなかったようだ(001が犬であるとか、押井氏らしい着想なのかもしれないが)。
そこで『009 THE REOPENING』の脚本を担当した神山健治氏が監督となり、「RE:OPENING(新装開店)」させたのが本作『009 RE:CYBORG』である。
なるほど、『009 RE:CYBORG』には『009 THE REOPENING』と同じようなシーンもあり、元のプロットを引き継いでいることがよく判る。
しかし、『サイボーグ009』に挑むのは困難なことだ。過去の作品は、石ノ森章太郎自身のマンガも含めて、その困難に囚われていた。
それは原作マンガが未完のままだからだ。
『サイボーグ009』は、「神とは何か」を考察する作品だ。いや、考察しようとした作品だ。その考察に取り掛かったところで、原作は中断している。これほど普遍的な命題を投げかけられたら、創作者たるもの避けては通れないだろう。とはいえ、軽々しく結論を出せることでもない。
そのため、『天使編』と『神々との闘い編』が中断してからの『サイボーグ009』は、幻の完結編との葛藤にさいなまれることとなった。
石ノ森章太郎氏の原作マンガが、続編ではなく番外編としてお茶を濁し続けざるを得なかっただけではない。
1979年の高橋良輔監督版テレビシリーズは、神が出現する衝撃的なシチュエーションからはじまりながら、そのスケールの大きさが手に余り、早々に方向転換してしまった。
明比正行監督による1980年の劇場版『サイボーグ009 超銀河伝説』も、スペースオペラ的な展開を経た終盤では宇宙の根源たるボルテックスとの邂逅を描き、生命とは何か、死とは何か、神とは何かに迫ろうとした。だが、人間の生死を超越したボルテックスを説得力をもって描くのは難しく、観客には単に登場人物が死んだり生き返ったりする映画と捉えられてしまった。
2001年の川越淳監督版テレビシリーズは、最後に『~Conclusion God's War~序章~』に突入した。009の完結編に恋焦がれるファンにとって、神々との闘いが序章だけで終わってしまう展開は、最高にして残酷なプレゼントだった。
とにかく、『サイボーグ009』に関わる作り手たちには、「神とは何か」という命題を避けては通れないが、真正面から取り上げるのは難しいという悩みが付いて回ったのだ。
神山健治監督が本作を撮るに当たって考えたのもこの点だ。
---
あそこで完結していないがゆえに、そこから先のエピソードをなかなか作れなかったと思うんです。もう一回リスタートするためには、単純にリブートして(過去を)忘れちゃって作る、という手もあるんですね。でもあれだけの作品なので、僕としても忘れる事はできなかった。そこを抜きにして『009』を描いても、なんとなく据わりが悪いなと。そして、完結してないがゆえに完結させて、それによって『009』をまた作れるんじゃないか。今回『RE:CYBORG』というタイトルに込めたのはそういう思いなんです
---
「終わらせなければ、始まらない。」──『神々との闘い編』の続きを書くか、リメイクを書くかという選択を迫られた神山監督は、「いったん我々が、こういう答えを出してみました、という形で結末の提示をしよう」と決意した。本気で神々との闘いを描くことで、『サイボーグ009』にまつわる葛藤を終わらせようとしたのだ。
かくして『009 RE:CYBORG』は、中断したマンガ『神々との闘い編』のアニメ化かと見まがう作品になった。
発掘調査の過程で奇妙なものに遭遇した考古学者、文献を調べながらの神を巡る談義、何物かに操られて破壊活動をはじめるサイボーグたち、ゼロゼロナンバーサイボーグとギルモア博士との離反、人間の弱さを浮き彫りにする心の旅、姿を見せたかと思いきやすぐに隠れてしまう謎の美少女……。本作は『神々との闘い編』の要素を実にきめ細かく再現している。
さらに『神々との闘い編』で読者のあいだに物議を醸したという009と003のラブシーンまで取り込むのは、石ノ森章太郎氏を支持しなかった009ファンに対して挑発的だ。
また、敵が口にする「人類をやり直す」というセリフは、『天使編』で天使が語ることと同じでもある。
リスペクトされる原作は、『神々との闘い編』ばかりではない。
ゼロゼロナンバーサイボーグたちが個人の思想や生活を優先させてまとまらない様子は『地下帝国ヨミ編』を彷彿とさせるし、サイボーグ兵士を開発する軍産複合体は現代風の「黒い幽霊団(ブラックゴースト)」だ。
そしてもちろんアクションは満載だし、宇宙に放り出された009のもとへ002が駆け付けるところはやっぱり名場面だ。
シリーズの総決算ともいうべき『009 RE:CYBORG』に、ファンは感涙ものだろう。
「終わらせなければ、始まらない。」──本作を世に送り出すのは、原作が未完であることと作者の逝去によるファンの喪失感を終わらせる作業でもある。
もちろん、神山監督らしいモチーフも散りばめられている。
記憶喪失の主人公にテロリストにミサイル攻撃、そして特別な力を持つ者がそれぞれの正義を行おうとするのは、神山監督の『東のエデン』でもお馴染みだ。あれも、日本を破壊して戦後からやり直す企みとの対決を描いていた。
神山監督は「やり直す」ことについて次のように語っている。
---
キャッチコピーはダブルミーニングにもなっています。映画をご覧いただければわかりますが、「混沌とした世界を、一度終わらせなければ始まらない」という神からのメッセージを、人々ひとりひとりがどう乗り越えていくかという、ストーリーに対する意味合いも込められているんです。
---
とはいえ、「神」という題材はアクション映画では扱いにくい。
今や進化心理学が神の正体を明かしつつあるが、進化心理学のアプローチはアクション物たりえない。
そこで本作は、私たちが普段から脳の聞いたと思うものを聞き、脳の見たと思うものを見ている事実に着目する。そして「彼の声」を聞くのはその本人だけ、白い服の少女を見るのも本人だけ、という演出を押し通す。もちろん、009の母親やクラスメートを見るのは009だけだ。
あらゆる事件の背後に神がいるように見せながら、同時に神(を含む世界)が人間の心の産物でしかないことを示唆して、本作は「神々との闘い」を決着させる。
でも、それだけじゃあない。
本作は、石ノ森章太郎氏が好んで取り上げたオーパーツ(場違いな遺物)を登場させる。
あたかも『海底ピラミッド編』のラストカットを思わせる幕引きに、009ファンはニヤリとするに違いない。
『009 RE:CYBORG』 [さ行]
監督・脚本/神山健治 原作/石ノ森章太郎
出演/宮野真守 小野大輔 斎藤千和 大川透 増岡太郎 吉野裕行 杉山紀彰 丹沢晃之 玉川砂記子 勝部演之
日本公開/2012年10月27日
ジャンル/[SF] [アクション]
http://bookmarks.yahoo.co.jp/bookmarklet/showpopup?t='+encodeURIComponent(document.title)+'&u='+encodeURIComponent(location.href)+'&ei=UTF-8','_blank','width=550,height=480,left=100,top=50,scrollbars=1,resizable=1',0);">
『009 RE:CYBORG』の公式サイトに踊る惹句が胸に突き刺さる。
「終わらせなければ、始まらない。」
そうだろうか。終わらせなければ、始まらないのだろうか。そもそも終わらせることはできるのだろうか。
私たちの胸にはポッカリと穴が開いている。
その穴には幾つもの疑問が浮かんでいる。
神とはなにか?
伝説とは?
歴史とは?
文明とはなんだ?
そして人間とは……?
生命(いのち)とは……?
死とは……?
肉体とは……?
精神(こころ)とは……?
そして――そして神とはなんなんだ!?
石ノ森章太郎氏は、『サイボーグ009 神々との闘い編』の冒頭でこれらの疑問をファンに投げかけながら、その答えを見せることなく逝去した。
そして009ファンは、作者が答えなかったこれらの疑問を数十年にわたり考え続けている。神とは何か、精神(こころ)とは何か。もしも作者が逝去しなければ、どんな答えが示されただろうか?
2009年、押井守監督は『サイボーグ009』の映画化を進めていた。
『サイボーグ009 神々との闘い編』が自分の原点という押井守氏の企画は、4分45秒のプロモーション・ビデオ『009 THE REOPENING』を公開するまではこぎつけた。だが押井氏の構想は、ゼロゼロナンバーサイボーグのほとんどが死んでしまった後の世界というこれまでにない方向に進み、制作委員会には受け入れられなかったようだ(001が犬であるとか、押井氏らしい着想なのかもしれないが)。
そこで『009 THE REOPENING』の脚本を担当した神山健治氏が監督となり、「RE:OPENING(新装開店)」させたのが本作『009 RE:CYBORG』である。
なるほど、『009 RE:CYBORG』には『009 THE REOPENING』と同じようなシーンもあり、元のプロットを引き継いでいることがよく判る。
しかし、『サイボーグ009』に挑むのは困難なことだ。過去の作品は、石ノ森章太郎自身のマンガも含めて、その困難に囚われていた。
それは原作マンガが未完のままだからだ。
『サイボーグ009』は、「神とは何か」を考察する作品だ。いや、考察しようとした作品だ。その考察に取り掛かったところで、原作は中断している。これほど普遍的な命題を投げかけられたら、創作者たるもの避けては通れないだろう。とはいえ、軽々しく結論を出せることでもない。
そのため、『天使編』と『神々との闘い編』が中断してからの『サイボーグ009』は、幻の完結編との葛藤にさいなまれることとなった。
石ノ森章太郎氏の原作マンガが、続編ではなく番外編としてお茶を濁し続けざるを得なかっただけではない。
1979年の高橋良輔監督版テレビシリーズは、神が出現する衝撃的なシチュエーションからはじまりながら、そのスケールの大きさが手に余り、早々に方向転換してしまった。
明比正行監督による1980年の劇場版『サイボーグ009 超銀河伝説』も、スペースオペラ的な展開を経た終盤では宇宙の根源たるボルテックスとの邂逅を描き、生命とは何か、死とは何か、神とは何かに迫ろうとした。だが、人間の生死を超越したボルテックスを説得力をもって描くのは難しく、観客には単に登場人物が死んだり生き返ったりする映画と捉えられてしまった。
2001年の川越淳監督版テレビシリーズは、最後に『~Conclusion God's War~序章~』に突入した。009の完結編に恋焦がれるファンにとって、神々との闘いが序章だけで終わってしまう展開は、最高にして残酷なプレゼントだった。
とにかく、『サイボーグ009』に関わる作り手たちには、「神とは何か」という命題を避けては通れないが、真正面から取り上げるのは難しいという悩みが付いて回ったのだ。
神山健治監督が本作を撮るに当たって考えたのもこの点だ。
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あそこで完結していないがゆえに、そこから先のエピソードをなかなか作れなかったと思うんです。もう一回リスタートするためには、単純にリブートして(過去を)忘れちゃって作る、という手もあるんですね。でもあれだけの作品なので、僕としても忘れる事はできなかった。そこを抜きにして『009』を描いても、なんとなく据わりが悪いなと。そして、完結してないがゆえに完結させて、それによって『009』をまた作れるんじゃないか。今回『RE:CYBORG』というタイトルに込めたのはそういう思いなんです
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「終わらせなければ、始まらない。」──『神々との闘い編』の続きを書くか、リメイクを書くかという選択を迫られた神山監督は、「いったん我々が、こういう答えを出してみました、という形で結末の提示をしよう」と決意した。本気で神々との闘いを描くことで、『サイボーグ009』にまつわる葛藤を終わらせようとしたのだ。
かくして『009 RE:CYBORG』は、中断したマンガ『神々との闘い編』のアニメ化かと見まがう作品になった。
発掘調査の過程で奇妙なものに遭遇した考古学者、文献を調べながらの神を巡る談義、何物かに操られて破壊活動をはじめるサイボーグたち、ゼロゼロナンバーサイボーグとギルモア博士との離反、人間の弱さを浮き彫りにする心の旅、姿を見せたかと思いきやすぐに隠れてしまう謎の美少女……。本作は『神々との闘い編』の要素を実にきめ細かく再現している。
さらに『神々との闘い編』で読者のあいだに物議を醸したという009と003のラブシーンまで取り込むのは、石ノ森章太郎氏を支持しなかった009ファンに対して挑発的だ。
また、敵が口にする「人類をやり直す」というセリフは、『天使編』で天使が語ることと同じでもある。
リスペクトされる原作は、『神々との闘い編』ばかりではない。
ゼロゼロナンバーサイボーグたちが個人の思想や生活を優先させてまとまらない様子は『地下帝国ヨミ編』を彷彿とさせるし、サイボーグ兵士を開発する軍産複合体は現代風の「黒い幽霊団(ブラックゴースト)」だ。
そしてもちろんアクションは満載だし、宇宙に放り出された009のもとへ002が駆け付けるところはやっぱり名場面だ。
シリーズの総決算ともいうべき『009 RE:CYBORG』に、ファンは感涙ものだろう。
「終わらせなければ、始まらない。」──本作を世に送り出すのは、原作が未完であることと作者の逝去によるファンの喪失感を終わらせる作業でもある。
もちろん、神山監督らしいモチーフも散りばめられている。
記憶喪失の主人公にテロリストにミサイル攻撃、そして特別な力を持つ者がそれぞれの正義を行おうとするのは、神山監督の『東のエデン』でもお馴染みだ。あれも、日本を破壊して戦後からやり直す企みとの対決を描いていた。
神山監督は「やり直す」ことについて次のように語っている。
---
キャッチコピーはダブルミーニングにもなっています。映画をご覧いただければわかりますが、「混沌とした世界を、一度終わらせなければ始まらない」という神からのメッセージを、人々ひとりひとりがどう乗り越えていくかという、ストーリーに対する意味合いも込められているんです。
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とはいえ、「神」という題材はアクション映画では扱いにくい。
今や進化心理学が神の正体を明かしつつあるが、進化心理学のアプローチはアクション物たりえない。
そこで本作は、私たちが普段から脳の聞いたと思うものを聞き、脳の見たと思うものを見ている事実に着目する。そして「彼の声」を聞くのはその本人だけ、白い服の少女を見るのも本人だけ、という演出を押し通す。もちろん、009の母親やクラスメートを見るのは009だけだ。
あらゆる事件の背後に神がいるように見せながら、同時に神(を含む世界)が人間の心の産物でしかないことを示唆して、本作は「神々との闘い」を決着させる。
でも、それだけじゃあない。
本作は、石ノ森章太郎氏が好んで取り上げたオーパーツ(場違いな遺物)を登場させる。
あたかも『海底ピラミッド編』のラストカットを思わせる幕引きに、009ファンはニヤリとするに違いない。

監督・脚本/神山健治 原作/石ノ森章太郎
出演/宮野真守 小野大輔 斎藤千和 大川透 増岡太郎 吉野裕行 杉山紀彰 丹沢晃之 玉川砂記子 勝部演之
日本公開/2012年10月27日
ジャンル/[SF] [アクション]


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【theme : 009 RE:CYBORG】
【genre : 映画】
⇒comment
こんにちは
>石ノ森章太郎氏が好んで取り上げたオーパーツ(場違いな遺物)
何だったんでしょうか。
結構色々読んでいる(た)つもりなんですが、見当もつきません。
サイボーグ兵士は、「人狼」みたいでしたね。
何だったんでしょうか。
結構色々読んでいる(た)つもりなんですが、見当もつきません。
サイボーグ兵士は、「人狼」みたいでしたね。
Re: こんにちは
バラサ☆バラサさん、こんにちは。
本作は神にアプローチするに当たって、次のような神の3つの面を取り上げていると思います。
(1) 信仰上の超越的存在としての神
(2) 人間の脳が作り出したものとしての神
(3) 古代宇宙飛行士説で知られる先進文明人としての神
原作が描かれた時代、日本ではエーリッヒ・フォン・デニケンの著作もあまり知られてはいませんでしたから、(1)の正体として(3)を持ってくるだけで充分に新鮮だったことでしょう。原作マンガ『神々との闘い編』(その1)では、古代宇宙飛行士説の紹介にまるまる1話を費やしています。
しかし、原作で009たちを付け狙うメン・イン・ブラックが今やコメディ映画のネタと化しているように、現代では(3)は陳腐だと思われかねません。一方、近年の科学の進展は、(2)に説得力を持たせるようになっています。
そこで神山監督は、(1)と(2)に絞って物語を展開することにしたのでしょう。
ただ、(3)にまったく触れないのでは、原作をないがしろにすることになってしまいます。だから、最後の最後に(3)の要素を見せることで、原作に敬意を払ったのではないでしょうか。本作においては、(1)の正体を(3)と解釈しても破綻することのないように作られていますし。
人間は自分たちに解釈のできる範囲で天使の化石に意味付けを行った。しかし実は……という本作の余韻の残し方が、私には心地よく感じられました。
本作は神にアプローチするに当たって、次のような神の3つの面を取り上げていると思います。
(1) 信仰上の超越的存在としての神
(2) 人間の脳が作り出したものとしての神
(3) 古代宇宙飛行士説で知られる先進文明人としての神
原作が描かれた時代、日本ではエーリッヒ・フォン・デニケンの著作もあまり知られてはいませんでしたから、(1)の正体として(3)を持ってくるだけで充分に新鮮だったことでしょう。原作マンガ『神々との闘い編』(その1)では、古代宇宙飛行士説の紹介にまるまる1話を費やしています。
しかし、原作で009たちを付け狙うメン・イン・ブラックが今やコメディ映画のネタと化しているように、現代では(3)は陳腐だと思われかねません。一方、近年の科学の進展は、(2)に説得力を持たせるようになっています。
そこで神山監督は、(1)と(2)に絞って物語を展開することにしたのでしょう。
ただ、(3)にまったく触れないのでは、原作をないがしろにすることになってしまいます。だから、最後の最後に(3)の要素を見せることで、原作に敬意を払ったのではないでしょうか。本作においては、(1)の正体を(3)と解釈しても破綻することのないように作られていますし。
人間は自分たちに解釈のできる範囲で天使の化石に意味付けを行った。しかし実は……という本作の余韻の残し方が、私には心地よく感じられました。
No title
ごめんなさい。
ごめんなさい。
フランソワーズの黒パンは好きです。
ごめんなさい。
フランソワーズの黒パンは好きです。
テスト
初めまして
禁止キーワードって何ですか?
なぜだか投稿ができなくなっているようです。
試しに送信してみます。
(゜^∀^゜)☆
禁止キーワードって何ですか?
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試しに送信してみます。
(゜^∀^゜)☆
はじめまして
非常にわかりやすく、ためになる解説を読ませていただきました。
ひとつ気になってることがあります。
なぜ、ジョーの同級生の女の子の名前が『早坂トモエ』なのか?という点です。
意味などないと言われればそれまでなのですが、今まで見てきた神山監督の性格上、そこに何らかの意味を持たせているんじゃないか?と深読みしたくなってしまうのです。
ひとつ気になってることがあります。
なぜ、ジョーの同級生の女の子の名前が『早坂トモエ』なのか?という点です。
意味などないと言われればそれまでなのですが、今まで見てきた神山監督の性格上、そこに何らかの意味を持たせているんじゃないか?と深読みしたくなってしまうのです。
Re: No title
ふじき78さん、こんにちは。
これまでフランソワーズは強烈な個性に乏しかったので、今回は印象的でいいですね。もともと原作でもフランソワーズからジョーに迫っていますし。
001を抱っこしないのも、サイボーグたちのお母さん役から脱皮する上で必要な処置だったと思います。
これまでフランソワーズは強烈な個性に乏しかったので、今回は印象的でいいですね。もともと原作でもフランソワーズからジョーに迫っていますし。
001を抱っこしないのも、サイボーグたちのお母さん役から脱皮する上で必要な処置だったと思います。
Re: テスト
Aさん、何か投稿に支障がありましたでしょうか。
FC2ブログが不調のときもあると思いますので、うまく投稿できない場合はご面倒をお掛けしますがしばらく時間をおいて試していただければ幸いです。
FC2ブログが不調のときもあると思いますので、うまく投稿できない場合はご面倒をお掛けしますがしばらく時間をおいて試していただければ幸いです。
Re: はじめまして
おにくさん、はじめまして。
009絡みで「おにく」と聞くと、懐かしいパロディマンガ『サイボーグ009(マンマルク)』を思い出します:-)
さて、早坂トモエの名前の由来は何でしょう?
死体兵士ラザロはイエスによって蘇生された男にちなみ、サムエル・クライン社長は預言者サムエルにちなむのでしょうから、「早坂トモエ」にも何らかの由来がありそうですが、聖書に当たればすぐ判るラザロやサムエルと違って、早坂トモエは今のところ見当付きません。
巴(トモエ)は八幡神等の神紋として広く使われている図案ですが、さりとて八幡神(ホムダワケ)と「早坂トモエ」に繋がりがあるかというと……?
こうして考えを巡らすことが、神山監督の罠にはまっているのかもしれません:-)
009絡みで「おにく」と聞くと、懐かしいパロディマンガ『サイボーグ009(マンマルク)』を思い出します:-)
さて、早坂トモエの名前の由来は何でしょう?
死体兵士ラザロはイエスによって蘇生された男にちなみ、サムエル・クライン社長は預言者サムエルにちなむのでしょうから、「早坂トモエ」にも何らかの由来がありそうですが、聖書に当たればすぐ判るラザロやサムエルと違って、早坂トモエは今のところ見当付きません。
巴(トモエ)は八幡神等の神紋として広く使われている図案ですが、さりとて八幡神(ホムダワケ)と「早坂トモエ」に繋がりがあるかというと……?
こうして考えを巡らすことが、神山監督の罠にはまっているのかもしれません:-)
No title
通りすがりの者ですが、早坂トモエの名の由来に関してはこんな説を耳にしましたので紹介します。
彼女の正体はまあ、フランソワーズだった訳ですが彼女はフランス人。フランスといえばパリ。
パリを漢字で書くと巴里・・・・・・という話です
彼女の正体はまあ、フランソワーズだった訳ですが彼女はフランス人。フランスといえばパリ。
パリを漢字で書くと巴里・・・・・・という話です
No title
原作を一個も読んでいないので、勉強になりました。
観てきました。
みなが、水上を歩行していたラストは、どう解釈したらいいのか、
迷います。
教えてください。
迷います。
教えてください。
Re: No title
名無しさん、こんにちは。
なるほど~。「フランソワーズ・アルヌール」をどういじれば「早坂トモエ」になるんだろうと思案していましたが、巴里ですか~。
そうすると早坂は何でしょう。うーん……。
なるほど~。「フランソワーズ・アルヌール」をどういじれば「早坂トモエ」になるんだろうと思案していましたが、巴里ですか~。
そうすると早坂は何でしょう。うーん……。
早坂トモエ
名無しさん。情報ありがとう御座います。
ナドレックさん。返信ありがとう御座います。
トモエの声は確かに003と同じ人を起用しています。
いやぁ、謎はつきないですよね。これはもしや石ノ森作品を再読破の必要があるんじゃないか?とかまでおもっています。
取りあえず009全巻を今順番に読んでいます。
あと、god'swar小説版を本屋に買いにいったら売り切れてました。
才さん。横レスすいません。
あのラストカットは、精神世界のような場所?ではないかと今は勝手に解釈しています。トモエは、人間をやり直そうとする”彼の声”や”天使の少女”に対抗する今の人間の味方的立場(人間は生きたいし、全てが粗悪品ではない)であり、それも人間の脳の中にあるのではないか?と感じました。そう考えるとトモエの声が003だったこともジョーの脳が作ったイメージとして釈然とするかな?と
ナドレックさん。返信ありがとう御座います。
トモエの声は確かに003と同じ人を起用しています。
いやぁ、謎はつきないですよね。これはもしや石ノ森作品を再読破の必要があるんじゃないか?とかまでおもっています。
取りあえず009全巻を今順番に読んでいます。
あと、god'swar小説版を本屋に買いにいったら売り切れてました。
才さん。横レスすいません。
あのラストカットは、精神世界のような場所?ではないかと今は勝手に解釈しています。トモエは、人間をやり直そうとする”彼の声”や”天使の少女”に対抗する今の人間の味方的立場(人間は生きたいし、全てが粗悪品ではない)であり、それも人間の脳の中にあるのではないか?と感じました。そう考えるとトモエの声が003だったこともジョーの脳が作ったイメージとして釈然とするかな?と
Re: No title
魔法中年さん、コメントありがとうございます。
009に興味を持たれましたら、ぜひ原作も読んでみてください。
長年にわたって描き続けられた作品なので、執筆時期によってかなりカラーが異なりますが、そこがまた魅力でもあります。
009に興味を持たれましたら、ぜひ原作も読んでみてください。
長年にわたって描き続けられた作品なので、執筆時期によってかなりカラーが異なりますが、そこがまた魅力でもあります。
No title
全く役に立つかはわかりませんが
宮城県石巻市に早坂山と言う山がありまして、そこに八幡神社があるそうです。また、宮城県は”早坂”姓の非常に多い地域だそうです
>巴(トモエ)は八幡神等の神紋として広く使われている図案ですが、さりとて八幡神(ホムダワケ)と「早坂トモエ」に繋がりがあるかというと……?
宮城県石巻市に早坂山と言う山がありまして、そこに八幡神社があるそうです。また、宮城県は”早坂”姓の非常に多い地域だそうです
>巴(トモエ)は八幡神等の神紋として広く使われている図案ですが、さりとて八幡神(ホムダワケ)と「早坂トモエ」に繋がりがあるかというと……?
Re: 観てきました。
才さん、おにくさん、こんにちは。
返事が遅くなり申し訳ありません。
株式会社スタイル刊の雑誌「アニメスタイル002」に掲載のインタビューにおいて、神山監督は「映画を何度か観て、考えてほしい」と語っています。私たちは映画館に何度も足を運んだり、DVDを購入したりして、作品に対する理解を深める必要があるのでしょう。商売上手ですね:-)
ところで早坂トモエについて確認しておくと、ジョーにトモエのイメージを見せていたのはフランソワーズだそうです。
ジョーが浜辺で気づいたときに「そうか、トモエを見せていたのは君だったのか」とつぶやき、画面は一転してフランソワーズのアップに切り替わります。
神山監督は前述のインタビューにて、「トモエというのは、愛するジョーのそばに、いつもいてあげられないフランソワーズが、自分の代わりに彼の脳にプログラムしたAR(拡張現実)なわけです」と述べています。
神山監督は多くの媒体で積極的に自作を語っているので、インタビュー記事を拾っていくだけで大体のところは判ると思いますが、とりわけアニメスタイル002は読み応えがあります。
早坂トモエのネーミングについては、おにくさんが教えてくださった宮城県との関連がツボにはまりました!本作は宮城県石巻市でワールドプレミアを開催したくらいですから、宮城県は大いに意識しているはずですね。面白い情報ありがとうございます。
ただ、神社・仏閣まっぷを見ても、早坂山の八幡神社とはどれのことか判りませんでした。少なくとも住所の上では宮城県石巻市渡波字早坂山には熊野神社しかないようですが……。
さて、フランソワーズがトモエの造物主であると確認した上で、話題をヴェネツィアでの水上歩行に移しますと、このシークエンスについて神山監督は次のようにおっしゃっています。
http://twitter.com/kixyuubann/status/262811234452246531
http://twitter.com/kixyuubann/status/262901099353235459
アニメスタイル002でも同様に語っています。
「しいて言うなら、フランソワーズが望んだ結果に向かって現実世界で何かが行われている間、他のゼロゼロナンバーサイボーグたちが夢想していたイメージということかな。」
すなわち、造物主たるフランソワーズが二すじの流れ星に祈りを捧げた結果、フランソワーズにとっての理想世界が創造されようとしているのが、終盤のシークエンスなのだと思います。
『魔法少女まどか☆マギカ』のキュゥべえの云い方を借りれば、因果律を組み替えての宇宙の再構築ということでしょうか。
水の上の歩き方を見ても、フランソワーズは水上歩行できることを気取られないように周囲に目を配りながらササッと歩いていたのに対し、グレートはおっかなびっくり、慎重に足を下ろしています。
水上歩行はイエスが行った奇跡の一つとされますが、使途ペトロも水上歩行に挑戦しています。ここではおそらくフランソワーズがイエスに相当し、グレートとピュンマとジェットは使途に当たるのではないでしょうか。
イエスの水上歩行物語は様々に解釈されているようですが、これを「厳しい状況に直面したときに、自己の力以上の力を発揮しようとがむしゃらに頑張ることを意味している」とする意見もあります。
http://www1.ocn.ne.jp/~koinonia/john/06b/onwater.htm
そして神山監督が本作で云いたかったのは、「願えば叶うし、思わないことは起きない」ということだそうです(「アニメスタイル002」P27)。
たしかにフランソワーズは流れ星に祈りを捧げます。
ただそれは、『地下帝国ヨミ編』の少女が願った「世界に戦争がなくなりますように……。世界中の人がなかよく平和にくらせますように」という祈りとは異なるようです。ギルモア博士の最後のセリフによれば、「フランソワーズの望んだ世界」にもたくさんの戦いがあるそうですから。
フランソワーズにとっての理想世界は、必ずしも戦いのない世界ではなく、ゼロゼロナンバーサイボーグたちが一丸となって戦いに赴いていた『誕生編』から『ミュートス・サイボーグ編』にかけての時代なのかもしれません。だから本作は、はじめて全員が一箇所に集結したところで幕を閉じるのでしょう。
石巻で上映された本作は、大津波に呑まれた街が賑わいを取り戻す光景で終わります。
「願えば叶うし、思わないことは起きない」とおっしゃる神山監督の一番のメッセージが、ここにあるような気がします。
追記
こちらの記事では、神山監督はラストシーンを「ジェットの臨死体験」と語っています。再生されたジェットの脳波が出始めたあたりで体験したことであると。
http://tokyo-anime-news.jp/?p=1664
返事が遅くなり申し訳ありません。
株式会社スタイル刊の雑誌「アニメスタイル002」に掲載のインタビューにおいて、神山監督は「映画を何度か観て、考えてほしい」と語っています。私たちは映画館に何度も足を運んだり、DVDを購入したりして、作品に対する理解を深める必要があるのでしょう。商売上手ですね:-)
ところで早坂トモエについて確認しておくと、ジョーにトモエのイメージを見せていたのはフランソワーズだそうです。
ジョーが浜辺で気づいたときに「そうか、トモエを見せていたのは君だったのか」とつぶやき、画面は一転してフランソワーズのアップに切り替わります。
神山監督は前述のインタビューにて、「トモエというのは、愛するジョーのそばに、いつもいてあげられないフランソワーズが、自分の代わりに彼の脳にプログラムしたAR(拡張現実)なわけです」と述べています。
神山監督は多くの媒体で積極的に自作を語っているので、インタビュー記事を拾っていくだけで大体のところは判ると思いますが、とりわけアニメスタイル002は読み応えがあります。
早坂トモエのネーミングについては、おにくさんが教えてくださった宮城県との関連がツボにはまりました!本作は宮城県石巻市でワールドプレミアを開催したくらいですから、宮城県は大いに意識しているはずですね。面白い情報ありがとうございます。
ただ、神社・仏閣まっぷを見ても、早坂山の八幡神社とはどれのことか判りませんでした。少なくとも住所の上では宮城県石巻市渡波字早坂山には熊野神社しかないようですが……。
さて、フランソワーズがトモエの造物主であると確認した上で、話題をヴェネツィアでの水上歩行に移しますと、このシークエンスについて神山監督は次のようにおっしゃっています。
http://twitter.com/kixyuubann/status/262811234452246531
http://twitter.com/kixyuubann/status/262901099353235459
アニメスタイル002でも同様に語っています。
「しいて言うなら、フランソワーズが望んだ結果に向かって現実世界で何かが行われている間、他のゼロゼロナンバーサイボーグたちが夢想していたイメージということかな。」
すなわち、造物主たるフランソワーズが二すじの流れ星に祈りを捧げた結果、フランソワーズにとっての理想世界が創造されようとしているのが、終盤のシークエンスなのだと思います。
『魔法少女まどか☆マギカ』のキュゥべえの云い方を借りれば、因果律を組み替えての宇宙の再構築ということでしょうか。
水の上の歩き方を見ても、フランソワーズは水上歩行できることを気取られないように周囲に目を配りながらササッと歩いていたのに対し、グレートはおっかなびっくり、慎重に足を下ろしています。
水上歩行はイエスが行った奇跡の一つとされますが、使途ペトロも水上歩行に挑戦しています。ここではおそらくフランソワーズがイエスに相当し、グレートとピュンマとジェットは使途に当たるのではないでしょうか。
イエスの水上歩行物語は様々に解釈されているようですが、これを「厳しい状況に直面したときに、自己の力以上の力を発揮しようとがむしゃらに頑張ることを意味している」とする意見もあります。
http://www1.ocn.ne.jp/~koinonia/john/06b/onwater.htm
そして神山監督が本作で云いたかったのは、「願えば叶うし、思わないことは起きない」ということだそうです(「アニメスタイル002」P27)。
たしかにフランソワーズは流れ星に祈りを捧げます。
ただそれは、『地下帝国ヨミ編』の少女が願った「世界に戦争がなくなりますように……。世界中の人がなかよく平和にくらせますように」という祈りとは異なるようです。ギルモア博士の最後のセリフによれば、「フランソワーズの望んだ世界」にもたくさんの戦いがあるそうですから。
フランソワーズにとっての理想世界は、必ずしも戦いのない世界ではなく、ゼロゼロナンバーサイボーグたちが一丸となって戦いに赴いていた『誕生編』から『ミュートス・サイボーグ編』にかけての時代なのかもしれません。だから本作は、はじめて全員が一箇所に集結したところで幕を閉じるのでしょう。
石巻で上映された本作は、大津波に呑まれた街が賑わいを取り戻す光景で終わります。
「願えば叶うし、思わないことは起きない」とおっしゃる神山監督の一番のメッセージが、ここにあるような気がします。
追記
こちらの記事では、神山監督はラストシーンを「ジェットの臨死体験」と語っています。再生されたジェットの脳波が出始めたあたりで体験したことであると。
http://tokyo-anime-news.jp/?p=1664
No title
すいません。
探しに探してようやく早坂山にたどり着いてそこにあった八幡神社(実際は隣の湊牧山と言うところでした)で、やった!ってぬか喜びしていました。
おっしゃる通り、早坂山にあるのは熊野神社でした(涙)
やっぱり今でも、気になっているのは先生のお姉さんとの関連です
探しに探してようやく早坂山にたどり着いてそこにあった八幡神社(実際は隣の湊牧山と言うところでした)で、やった!ってぬか喜びしていました。
おっしゃる通り、早坂山にあるのは熊野神社でした(涙)
やっぱり今でも、気になっているのは先生のお姉さんとの関連です
解説に感動しました
ナドレックさん、はじめまして
すばらしい解説に感動しました。☆5つです(満点)
3Dを見るために、3時間近くかけて出かけました。
「完結編」は、マンガ世界の「終焉」のみならず、
自分の人生の「リスタート」にも懸けて見ました。
それは「執着」のような気もします。
何かに「囚われて」いる自分からの「脱却」のようにも
感じました。
神山監督の「完結編」は、これまでの「009」の
全てを語りつくして、さらにそれを超越して完結させた
素晴らしい作品で、もう、途中から号泣でした。
号泣の場面は、もちろん、「加速装置」の場面と、
003を救う場面、ジェットが飛行する場面、オリジナルの
ラスト(002と009のシーン)です。
あ、005の波動砲も感動でした。
中学生の時にリアルタイムで「天使編」から読み始めた
世代ですが、ようやく「終焉」を迎えました。
さて、50を過ぎて、これから人生を「リスタート」させます。
神山監督、ありがとう。
ナドレックさんのすばらしい記事、ありがとうございました。
すばらしい解説に感動しました。☆5つです(満点)
3Dを見るために、3時間近くかけて出かけました。
「完結編」は、マンガ世界の「終焉」のみならず、
自分の人生の「リスタート」にも懸けて見ました。
それは「執着」のような気もします。
何かに「囚われて」いる自分からの「脱却」のようにも
感じました。
神山監督の「完結編」は、これまでの「009」の
全てを語りつくして、さらにそれを超越して完結させた
素晴らしい作品で、もう、途中から号泣でした。
号泣の場面は、もちろん、「加速装置」の場面と、
003を救う場面、ジェットが飛行する場面、オリジナルの
ラスト(002と009のシーン)です。
あ、005の波動砲も感動でした。
中学生の時にリアルタイムで「天使編」から読み始めた
世代ですが、ようやく「終焉」を迎えました。
さて、50を過ぎて、これから人生を「リスタート」させます。
神山監督、ありがとう。
ナドレックさんのすばらしい記事、ありがとうございました。
Re: No title
おにくさん、こんにちは。
気になりますね、「早坂トモエ」。
いや、あまり気にしていなかったのですが、おにくさんのコメントをいただいてから気になって気になって:-)
「早坂トモエ」のいわれが判ったら、ぜひ教えてください。
> やっぱり今でも、気になっているのは先生のお姉さんとの関連です
石ノ森作品のヒロインはみんな小野寺由恵さんみたいなものですが、本作ではジョーが外見のみならず記憶がリセットされることで人間としても若いままなのに、フランソワーズは普通に人生を過ごしますから、フランソワーズの姉さんぶりが強調されていましたね。
押井守監督が構想した「58歳のフランソワーズ」でも良かったんじゃないかと思ったりもします:-)
気になりますね、「早坂トモエ」。
いや、あまり気にしていなかったのですが、おにくさんのコメントをいただいてから気になって気になって:-)
「早坂トモエ」のいわれが判ったら、ぜひ教えてください。
> やっぱり今でも、気になっているのは先生のお姉さんとの関連です
石ノ森作品のヒロインはみんな小野寺由恵さんみたいなものですが、本作ではジョーが外見のみならず記憶がリセットされることで人間としても若いままなのに、フランソワーズは普通に人生を過ごしますから、フランソワーズの姉さんぶりが強調されていましたね。
押井守監督が構想した「58歳のフランソワーズ」でも良かったんじゃないかと思ったりもします:-)
Re: 解説に感動しました
bestestさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。
私が子供の頃、少ない小遣いでせっせと買い集めたのが『サイボーグ009』です。
買ったそばから級友に貸したので、私のクラスはちょっとした009ブームでした。
クラスでは「アイツのうちには『鉄腕アトム』が全巻揃ってる」とか「『0マン』を持っている」といった情報が飛び交いますが、私は石森章太郎作品の供給源だったのです。
ところが、『サイボーグ009』を喜んで読んでいた級友たちが、しばらくすると文句を云いに来るのです。「終わってない」と。サンデーコミックスの10巻を読んだからです。
私は10巻の『天使編』の最終ページを示しながら、級友たちに云いました。
「『近いうちに、かならず、なんらかの形で、この続編は発表しますので、それまでどうかお待ちください』と書いてあるじゃないか。必ず発表されるんだから、ちょっと待てよ。『近いうち』って書いてあるんだから。」
そうして私は『天使編』の続きが出るのを待ちました。発表されたら、すぐに級友たちに貸してやろうと思いました。
ずっと『天使編』を待っていました……。
2012年は大きな転機の年となりました。
石森章太郎氏のご子息がまがりなりにも『完結編』を出版し、『神々との闘い』に挑んだ映画が公開されました。
それは石森章太郎氏の構想した『神々との闘い』とは違うかもしれませんし、そもそも石森章太郎氏自身30年近い月日のうちに構想を大きく変えたことでしょう。
ただ、「なんらかの形」になったことは、記念すべき出来事だと思います。
私もようやく人生をリスタートできるような気がします。
☆5つ、ありがとうございました。
コメントありがとうございます。
私が子供の頃、少ない小遣いでせっせと買い集めたのが『サイボーグ009』です。
買ったそばから級友に貸したので、私のクラスはちょっとした009ブームでした。
クラスでは「アイツのうちには『鉄腕アトム』が全巻揃ってる」とか「『0マン』を持っている」といった情報が飛び交いますが、私は石森章太郎作品の供給源だったのです。
ところが、『サイボーグ009』を喜んで読んでいた級友たちが、しばらくすると文句を云いに来るのです。「終わってない」と。サンデーコミックスの10巻を読んだからです。
私は10巻の『天使編』の最終ページを示しながら、級友たちに云いました。
「『近いうちに、かならず、なんらかの形で、この続編は発表しますので、それまでどうかお待ちください』と書いてあるじゃないか。必ず発表されるんだから、ちょっと待てよ。『近いうち』って書いてあるんだから。」
そうして私は『天使編』の続きが出るのを待ちました。発表されたら、すぐに級友たちに貸してやろうと思いました。
ずっと『天使編』を待っていました……。
2012年は大きな転機の年となりました。
石森章太郎氏のご子息がまがりなりにも『完結編』を出版し、『神々との闘い』に挑んだ映画が公開されました。
それは石森章太郎氏の構想した『神々との闘い』とは違うかもしれませんし、そもそも石森章太郎氏自身30年近い月日のうちに構想を大きく変えたことでしょう。
ただ、「なんらかの形」になったことは、記念すべき出来事だと思います。
私もようやく人生をリスタートできるような気がします。
☆5つ、ありがとうございました。
009
初めまして。
この前のやりすぎコージー都市伝説SPで紹介されていたのをきっかけに見て参りました。
元々のマンガ版はあまり知らず、映画を見た後小野寺丈さんによるConclusion God's Warを現在読んでいます。
ちょっと難しかったかもしれませんね。神山監督の言う通りもう一回は見てきた方がいいでしょうか。
加速した世界の表現がかっこよかったです。
あとはフランソワーズのエロさが印象に残りました(笑)
この前のやりすぎコージー都市伝説SPで紹介されていたのをきっかけに見て参りました。
元々のマンガ版はあまり知らず、映画を見た後小野寺丈さんによるConclusion God's Warを現在読んでいます。
ちょっと難しかったかもしれませんね。神山監督の言う通りもう一回は見てきた方がいいでしょうか。
加速した世界の表現がかっこよかったです。
あとはフランソワーズのエロさが印象に残りました(笑)
Re: 009
デルピッポさん、こんにちは。
私も小野寺丈氏の Conclusion God's War を読んでいるところです。
この小説は009の完結編を待ち焦がれていた人に向けた作品だと思うので、まず原作マンガから読まれた方がいいような気がします……。
加速した世界はCGだから表現できたそうですね。云われてみればそうですね。
フランソワーズはしばしばイワンの乳母みたいに扱われることがあるので、本作の描き方は新鮮でした:-)
私も小野寺丈氏の Conclusion God's War を読んでいるところです。
この小説は009の完結編を待ち焦がれていた人に向けた作品だと思うので、まず原作マンガから読まれた方がいいような気がします……。
加速した世界はCGだから表現できたそうですね。云われてみればそうですね。
フランソワーズはしばしばイワンの乳母みたいに扱われることがあるので、本作の描き方は新鮮でした:-)
なぜか
昔から石ノ森作品には行かなかったんですよ。
あえて、行かなかったのか、手塚ばっかりでそんな暇がなかったのか。
にわかじゃ、きっちり世界観を把握できませんでした。
雰囲気はとにかく「攻殻機動隊」!
アンニュイな空気を味わった感じです。
絵は手書きではないなあとは思ったのですが、とにかく今回ほどメガネが邪魔に感じたことはなかったです。
あの絵の本質は3Dで見せることなんでしょうが、その見せるアイテムに問題があると思います。
まず環境を整えて、邪魔にならない見せ方を開発してからだろうなあとつくづく感じました。思考の邪魔をする3Dじゃ目がきつくなってきた身としては、まじめにきつかったです。
「攻殻機動隊」は好きなんすよ。
あえて、行かなかったのか、手塚ばっかりでそんな暇がなかったのか。
にわかじゃ、きっちり世界観を把握できませんでした。
雰囲気はとにかく「攻殻機動隊」!
アンニュイな空気を味わった感じです。
絵は手書きではないなあとは思ったのですが、とにかく今回ほどメガネが邪魔に感じたことはなかったです。
あの絵の本質は3Dで見せることなんでしょうが、その見せるアイテムに問題があると思います。
まず環境を整えて、邪魔にならない見せ方を開発してからだろうなあとつくづく感じました。思考の邪魔をする3Dじゃ目がきつくなってきた身としては、まじめにきつかったです。
「攻殻機動隊」は好きなんすよ。
Re: なぜか
sakuraiさん、こんにちは。
そちらの3DはMasterImage 3Dですよね。メガネが軽量で、他の方式に比べると負担が少ないはずですが、まだまだですか。
私が3Dに不満なのは料金です。
客単価を上げるための施策なのは判りますが、もう少しなんとかならんのかと思います。
あ、でも3Dの料金が下がったらますます3Dが普及して、sakuraiさんには辛いことになるのか。
sakuraiさんのお好きな『攻殻機動隊』とは、やはり神山監督の方ですか?
本作をきっかけに攻殻ファンが009にも興味を持ってくれるといいなぁ。
そちらの3DはMasterImage 3Dですよね。メガネが軽量で、他の方式に比べると負担が少ないはずですが、まだまだですか。
私が3Dに不満なのは料金です。
客単価を上げるための施策なのは判りますが、もう少しなんとかならんのかと思います。
あ、でも3Dの料金が下がったらますます3Dが普及して、sakuraiさんには辛いことになるのか。
sakuraiさんのお好きな『攻殻機動隊』とは、やはり神山監督の方ですか?
本作をきっかけに攻殻ファンが009にも興味を持ってくれるといいなぁ。
「早坂トモエ」のいわれ
そういう方がいることは知っていたはずなのに、結びついていませんでした。
他の方の記事で、押井守氏の娘さんのお名前が友絵であることを認識しました。
http://00mylene68.blog122.fc2.com/blog-entry-301.html
なるほど、離婚のために押井氏とは離ればなれになった友絵さんを、神山監督は主人公に寄り添う仮想少女に設定したのか。
というか、神山監督はそれを押井氏に撮らせ(てあげ)たかったということでしょうか。
他の方の記事で、押井守氏の娘さんのお名前が友絵であることを認識しました。
http://00mylene68.blog122.fc2.com/blog-entry-301.html
なるほど、離婚のために押井氏とは離ればなれになった友絵さんを、神山監督は主人公に寄り添う仮想少女に設定したのか。
というか、神山監督はそれを押井氏に撮らせ(てあげ)たかったということでしょうか。
⇒trackback
トラックバックの反映にはしばらく時間がかかります。ご容赦ください。「009 RE:CYBORG」
2013年。超高層ビルを爆破する連続事件が世界中で起こっていた。ギルモア博士は、それぞれの故郷に帰っていたゼロゼロナンバーサイボーグ戦士たちに召集をかける。
009 RE:CYBORG (試写会)
あなたにはどんな声が聞こえますか公式サイト http://009.ph9.jp10月27日公開監督・脚本: 神山健治2013年、世界中の大都市にある超高層ビルが次々と崩壊するという、同時多発
「009 RE:CYBORG」(2012)
メモ。 神、巨大な翼を持つ天使の化石、永遠に三年間の高校生活を繰り返す記憶の無い主人公、長々と独りごちるキャラクターたち、川井憲次の劇伴、スカイウォーカーサウンドの音響
009 RE:CYBORG 監督/神山健治
【声の出演】
宮野 真守(009/島村ジョー)
斎藤 千和(003/フランソワーズ・アルヌール)
小野 大輔(002/ジェット・リンク)
【ストーリー】
2013年、現代。世界中の大都市にある
009 RE:CYBORG
評価:★★【2点】(F)
最新アニメはCGを上手く使い映像だけはグレードアップ。
[映画『009 RE:CYBORG(3D)』を観た]
☆凄いや!
アニメは、もう『ヱヴァ』だけで充分だと思っていたら、『まどか☆マギカ』で驚かされ、『アシュラ』で「これもありだな」と思い、ここにきて、またも凄いのを観せら
009 RE:CYBORG
2012年10月27日(土) 21:05~ TOHOシネマズ川崎5 料金:1500円(レイトショー料金+3D料金メガネ持参) 『009 RE:CYBORG』公式サイト まず、3Dについて。そもそも、3D CGアニメーションで作ら...
『009 RE:CYBORG』を新宿バルト9で観て、そんなにみんな神々との戦いが好きなのかふじき★★
五つ星評価で【★★理屈は分かった。しかしAの理屈を成立させる為にBの理屈が破綻してはいないか】
導入部で終わってしまったマンガ「天使篇」については別にどうとも思っ ...
009 RE:CYBORG
サイボーグ009なのに、ラストまで9人が一堂に勢揃いしないのはどうよ!?
『009/RE:CYBORG』(2012)
最初にサイボーグ戦士たちのキャラクター・デザインを見た時はガッカリしたのだけれども、実際に見てみると一本の映画として楽しめるものになっていて、まずはメデタシメデタシ。
...
009 RE:CYBORG/宮野真守
『サイボーグ009』もう大好きなTVアニメでした。透明の下敷きに島村ジョーのイラストとかいっぱい描いた覚えがあります。初期のモノクロ時代のアニメは「懐かしのテレビアニメ特集 ...
009 RE:CYBORGを見てきました
10月27日公開の009 RE:CYBORGを見てきました。009を見に行ったというよりは、神山作品を見に行ったといったというべきかな。
009は子供のころに見たことがあるけれど、思い出補正をされる...
まとめ【『009 RE:CYBORG』 】
【ネタバレ注意】 『009 RE:CYBORG』の公式サイトに踊る惹句が胸に突き刺さる。 「終わらせなければ、
009 RE:CYBORG・・・・・評価額1500円
神はどこにいる?
世界の平和を護る9人のサイボーグ戦士の活躍を描く、石ノ森章太郎原作のSFコミックの金字塔、「サイボーグ 009」32年ぶりの長編映画化。
その名も「009 RE:CYBORG」は
009 RE:CYBORG
Data 監督 神山健治 原作 石ノ森章太郎 出演 宮野真守
斎藤千和
小野大輔
大川透
玉川砂記子 公開 2012年 10月
009 RE:CYBORG
「009 RE:CYBORG」監督:神山健治声の出演:玉川紗己子、小野大輔、斎藤千和、大川透、丹沢晃之、増岡太郎、吉野裕行、杉山紀彰、宮野真守、他配給:Production I.G、T・ジョイ概要:物語の ...
009 RE:CYBORG
009 RE: CYBORG
観てきました。
押井さんの一の子分(一の弟子か!?)と言ってもよい神山さんが、
サイボーグ009のリメイクって聞いてどこからの企画なんだろう?と
神山さんと
009 RE:CYBORG
009というよりは、「攻殻機動隊」のテイストたっぷり。
009 RE:CYBORG
2012年
日本
103分
SF/アクション
劇場公開(2012/10/27)
監督:神山健治
原作:石ノ森章太郎
脚本:神山健治
声の出演:
宮野真守:サイボーグ009:島村ジョー
小野大輔:サ
009 RE:CYBORG
ちょ、ジェットが別人じゃね?美形化しとる。ま、より人間らしく美形化は全員そうですけど。
でもやっぱり私のお気に入りは009ジョーなのでした。
レンタルする時「大人向け」と書...
009 RE:CYBORG
009 RE:CYBORGを観てきましたよ。 私にも少年期があったわけですが、その頃のヒーローといえば、 仮面ライダーやウルトラマン、そしてマンガアニメの009でしたー。 リバイバルが多
009 RE:CYBORG
2012/10/27公開 日本 103分監督:神山健治声の出演:宮野真守、小野大輔、斎藤千和、大川透、増岡太郎、吉野裕行、杉山紀彰、丹沢晃之、玉川砂記子、勝部演之
終わらせなければ、始まら
12-377「009 RE:CYBORG」(日本)
彼の声とは何だ?
2013年の現代。ロンドン、モスクワ、ベルリン、ニューヨークはじめ、大都市の超高層ビルが次々と爆破テロで崩壊する。
かつて世界の危機を何度も救ってきた
『009 RE:CYBORG 3D』を観てきた!?
『009 RE:CYBORG 』を3Dで観てきた!? 3Dを鑑賞のときは、小さ目のメガネでいくんだけど、今日は外出先から直行だったのでいつもの大橋巨泉バリのメガネでした(>_
映画『009 re:cyborg』感想
もともとサイボーグ009は結構好きだったもので、映画では見れなかったけどレンタルビデオで見ることに決めた僕。
価値観や科学の発達で世界が混迷する中、『彼らが持つ新しい正義』を009たちが模索していくというストーリーなんだろうけど・・・。
(場合によっては、企画中の『銀魂×るろうに剣心小説』のモチーフにする予定だった。)
よくわからない・・・。
まあ、石ノ森先生が晩年にプロット...
【映画】009 RE:CYBORG…の記事を内容も無いのに仕上げた!
本日は雨もう11月なのに最近暑いです
最近、年のせいなのか、パソコンを見つめての作業が増えたせいなのかは定かではありませんが、視力が低下気味。先日の健康診断では、左右とも0.3づつ。左右合わせた視力をどうやって計算するのかは知りませんが、足し算なら次の自動...