『灼熱の魂』 3つの特長と3つの弱点
どう考えてもおかしいと思った。
この傑作がアカデミー賞外国語映画賞のカナダ代表に選出され、ノミネート作品5本のうちに選ばれながら、肝心の受賞を逃すなんておかしい。
そこで第83回アカデミー賞の結果を調べてみたら、この年の受賞作は『未来を生きる君たちへ』だった。
なんてこった!
『未来を生きる君たちへ』が受賞することに異存はない。あれも素晴らしい作品だ。
でも『灼熱の魂』が受賞しないなんてことがあっていいのだろうか。
そんな思いに囚われてしまうほど、『灼熱の魂』は傑作だ。どこからどう見ても傑作だ。
これは驚くべきことで、どんなに素晴らしい映画でも見方によっては少しくらいキズがあるものなのに、『灼熱の魂』にはそれがない。
ほとんど完全無欠の傑作である。
だが、アカデミー賞を争った『未来を生きる君たちへ』と比べると、いささか弱点らしきものが見えてこないでもない。とりわけ、本作のテーマは『未来を生きる君たちへ』に通じるものだから、なおのこと同じテーマへのアプローチの共通点と相違点を考えれば、本作の特徴が判りやすい。
本作の、しいていえば弱点といえなくもないのは、判りやすいことである。
本作のテーマに関して、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は公式サイトで次のように述べている。
---
我々はどうすれば終わりのない暴力を生み出す、怒りの連鎖を断ち切ることができるのか。どうやったら互いに反目しあう人々、同じ土地の住人、親族たちの間に平和をもたらすことができるのだろうか。
---
これは『未来を生きる君たちへ』が追求していたものと同じであり、『息もできない』や『ヘヴンズ ストーリー』等、多くの映画が取り上げてきたことだ。悲しいことに、これは人類にとっていつでもどこでも普遍的なテーマだ。冷戦という「ある種の重し」がなくなった現代では、ますますクローズアップされていよう。
本作を観た人なら、誰もがこのテーマの重みを感じるはずだ。本作では、理解不能の映像を見せられて頭を抱えるようなことはない。
『灼熱の魂』の原作は、レバノンから亡命して現在カナダのケベック州に住むワジディ・ムアワッドの戯曲『INCENDIES(火災)』である。1997~2009年に発表された『約束の血』四部作の第二部『INCENDIES(火災)』は、日本でも2009年に『焼け焦げるたましい』の題で上演されたというから、本作の邦題もこの日本上演時の題名にならったものだろう。
本作がテーマをストレートに突きつけてくるのは、元々が戯曲だからかもしれない。
演劇の場合、舞台で役者が芝居をしているのに、その目の前で観客に爆睡されるのは辛いから、観客を置いてきぼりにするようなことはあまりしない。ときには難解な芝居もあるし、私も役者の目と鼻の先で豪快に寝たことがあるけれど、映画よりは芝居の方が観客に歩み寄っている気がする。
とはいえ、作品が判りやすいのは結構なことでも、人によってはその歩み寄りを不要と思うかもしれないし、ストレートなために物足りなく感じるかもしれない。
これが第一の弱点だ。
第二の、おそらく戯曲ゆえの弱点は、面白すぎることである。
これほど重いテーマをシリアスに描いているのに、まったく退屈させることがない。退屈させないどころか、一種のミステリー仕立ての本作は最後まで観客をとりこにして離さない。
それは巧みなストーリーテリングによるものだが、『未来を生きる君たちへ』がリアルな日常を積み重ねるのに比べると、この物語は人工的すぎると感じる人がいるかもしれない。
しかしながら、そのストーリーの妙も観客の興味を持続させる演劇らしい工夫といえよう。
本作の公式サイトでは、この悲惨な物語を「ギリシャ悲劇にも比肩しうる」と表現しているが、これはソポクレスによるギリシャ悲劇の代表作を念頭に置いてのことだ。ミステリーとして味わいたい人もいるだろうから具体的な作品名を挙げるのは控えておくが、本作の源流は24世紀以上にもわたり世界中の人々に衝撃を与えてきた悲劇なのだ。
そこに現代の悲劇である中東の戦乱を重ね合わせた本作は、悲劇の中の悲劇である。
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督によれば、本作は1970年代半ばにレバノンを壊滅させた内戦から部分的に想を得ているという。それはまだ8歳だったワジディ・ムアワッドがレバノンを去ることになった戦乱だ。
戦禍、復讐、拷問――『灼熱の魂』が描く終わりのない暴力と怒りの連鎖、そして運命の皮肉がもたらす衝撃に観客は席も立てないだろう。
もう一つ弱点らしきものとして、本作の登場人物が特別な運命を背負っているように見えてしまうことが挙げられる。
『未来を生きる君たちへ』が学校でのいじめや街中での暴力などの観客にとって身近な世界での出来事を描くのに対し、本作の双子が親の因縁を解き明かしていく物語は、観客が身近に見聞きすることではない。ギリシャ神話に材を取ったギリシャ悲劇ならではの、特別な双子の物語に思えてしまう。
それをどう捉えるかは観た人それぞれだが、普遍的な物語と云いにくいのは確かである。
まして本作は「どうすれば怒りの連鎖を断ち切ることができるのか」との問いに作品なりの解答を出している。それは悲劇を悲劇として終わらせてしまうことへの強烈なアンチテーゼでもある。
多くの作品がハッキリした解を示さない中、私は本作が出した答えに感銘を受けたが、これとて特別な人たちの特別な結論と受け取られてしまうかもしれない。
以上、あえて『灼熱の魂』の弱点らしきものを並べてみたが、もちろんこれらは『灼熱の魂』の特長でもある。
さらに本作には戯曲が原作とは思えないほどの空間的な広がりがあり、中東の乾いた大地を捉えた映像は、まぎれもなく映画らしさに溢れている。
これらの特長は、観る者に強烈な印象を残すだろう。
やはり、完全無欠の傑作である。
『灼熱の魂』 [さ行]
監督・脚本/ドゥニ・ヴィルヌーヴ 原作戯曲/ワジディ・ムアワッド
出演/ルブナ・アザバル メリッサ・デゾルモー=プーラン マキシム・ゴーデット レミー・ジラール
日本公開/2010年12月17日
ジャンル/[ドラマ] [ミステリー] [戦争]
http://bookmarks.yahoo.co.jp/bookmarklet/showpopup?t='+encodeURIComponent(document.title)+'&u='+encodeURIComponent(location.href)+'&ei=UTF-8','_blank','width=550,height=480,left=100,top=50,scrollbars=1,resizable=1',0);">
この傑作がアカデミー賞外国語映画賞のカナダ代表に選出され、ノミネート作品5本のうちに選ばれながら、肝心の受賞を逃すなんておかしい。
そこで第83回アカデミー賞の結果を調べてみたら、この年の受賞作は『未来を生きる君たちへ』だった。
なんてこった!
『未来を生きる君たちへ』が受賞することに異存はない。あれも素晴らしい作品だ。
でも『灼熱の魂』が受賞しないなんてことがあっていいのだろうか。
そんな思いに囚われてしまうほど、『灼熱の魂』は傑作だ。どこからどう見ても傑作だ。
これは驚くべきことで、どんなに素晴らしい映画でも見方によっては少しくらいキズがあるものなのに、『灼熱の魂』にはそれがない。
ほとんど完全無欠の傑作である。
だが、アカデミー賞を争った『未来を生きる君たちへ』と比べると、いささか弱点らしきものが見えてこないでもない。とりわけ、本作のテーマは『未来を生きる君たちへ』に通じるものだから、なおのこと同じテーマへのアプローチの共通点と相違点を考えれば、本作の特徴が判りやすい。
本作の、しいていえば弱点といえなくもないのは、判りやすいことである。
本作のテーマに関して、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は公式サイトで次のように述べている。
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我々はどうすれば終わりのない暴力を生み出す、怒りの連鎖を断ち切ることができるのか。どうやったら互いに反目しあう人々、同じ土地の住人、親族たちの間に平和をもたらすことができるのだろうか。
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これは『未来を生きる君たちへ』が追求していたものと同じであり、『息もできない』や『ヘヴンズ ストーリー』等、多くの映画が取り上げてきたことだ。悲しいことに、これは人類にとっていつでもどこでも普遍的なテーマだ。冷戦という「ある種の重し」がなくなった現代では、ますますクローズアップされていよう。
本作を観た人なら、誰もがこのテーマの重みを感じるはずだ。本作では、理解不能の映像を見せられて頭を抱えるようなことはない。
『灼熱の魂』の原作は、レバノンから亡命して現在カナダのケベック州に住むワジディ・ムアワッドの戯曲『INCENDIES(火災)』である。1997~2009年に発表された『約束の血』四部作の第二部『INCENDIES(火災)』は、日本でも2009年に『焼け焦げるたましい』の題で上演されたというから、本作の邦題もこの日本上演時の題名にならったものだろう。
本作がテーマをストレートに突きつけてくるのは、元々が戯曲だからかもしれない。
演劇の場合、舞台で役者が芝居をしているのに、その目の前で観客に爆睡されるのは辛いから、観客を置いてきぼりにするようなことはあまりしない。ときには難解な芝居もあるし、私も役者の目と鼻の先で豪快に寝たことがあるけれど、映画よりは芝居の方が観客に歩み寄っている気がする。
とはいえ、作品が判りやすいのは結構なことでも、人によってはその歩み寄りを不要と思うかもしれないし、ストレートなために物足りなく感じるかもしれない。
これが第一の弱点だ。
第二の、おそらく戯曲ゆえの弱点は、面白すぎることである。
これほど重いテーマをシリアスに描いているのに、まったく退屈させることがない。退屈させないどころか、一種のミステリー仕立ての本作は最後まで観客をとりこにして離さない。
それは巧みなストーリーテリングによるものだが、『未来を生きる君たちへ』がリアルな日常を積み重ねるのに比べると、この物語は人工的すぎると感じる人がいるかもしれない。
しかしながら、そのストーリーの妙も観客の興味を持続させる演劇らしい工夫といえよう。
本作の公式サイトでは、この悲惨な物語を「ギリシャ悲劇にも比肩しうる」と表現しているが、これはソポクレスによるギリシャ悲劇の代表作を念頭に置いてのことだ。ミステリーとして味わいたい人もいるだろうから具体的な作品名を挙げるのは控えておくが、本作の源流は24世紀以上にもわたり世界中の人々に衝撃を与えてきた悲劇なのだ。
そこに現代の悲劇である中東の戦乱を重ね合わせた本作は、悲劇の中の悲劇である。
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督によれば、本作は1970年代半ばにレバノンを壊滅させた内戦から部分的に想を得ているという。それはまだ8歳だったワジディ・ムアワッドがレバノンを去ることになった戦乱だ。
戦禍、復讐、拷問――『灼熱の魂』が描く終わりのない暴力と怒りの連鎖、そして運命の皮肉がもたらす衝撃に観客は席も立てないだろう。
もう一つ弱点らしきものとして、本作の登場人物が特別な運命を背負っているように見えてしまうことが挙げられる。
『未来を生きる君たちへ』が学校でのいじめや街中での暴力などの観客にとって身近な世界での出来事を描くのに対し、本作の双子が親の因縁を解き明かしていく物語は、観客が身近に見聞きすることではない。ギリシャ神話に材を取ったギリシャ悲劇ならではの、特別な双子の物語に思えてしまう。
それをどう捉えるかは観た人それぞれだが、普遍的な物語と云いにくいのは確かである。
まして本作は「どうすれば怒りの連鎖を断ち切ることができるのか」との問いに作品なりの解答を出している。それは悲劇を悲劇として終わらせてしまうことへの強烈なアンチテーゼでもある。
多くの作品がハッキリした解を示さない中、私は本作が出した答えに感銘を受けたが、これとて特別な人たちの特別な結論と受け取られてしまうかもしれない。
以上、あえて『灼熱の魂』の弱点らしきものを並べてみたが、もちろんこれらは『灼熱の魂』の特長でもある。
さらに本作には戯曲が原作とは思えないほどの空間的な広がりがあり、中東の乾いた大地を捉えた映像は、まぎれもなく映画らしさに溢れている。
これらの特長は、観る者に強烈な印象を残すだろう。
やはり、完全無欠の傑作である。
![灼熱の魂 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51PAdTKyrRL._SL160_.jpg)
監督・脚本/ドゥニ・ヴィルヌーヴ 原作戯曲/ワジディ・ムアワッド
出演/ルブナ・アザバル メリッサ・デゾルモー=プーラン マキシム・ゴーデット レミー・ジラール
日本公開/2010年12月17日
ジャンル/[ドラマ] [ミステリー] [戦争]


tag : ドゥニ・ヴィルヌーヴワジディ・ムアワッドルブナ・アザバルメリッサ・デゾルモー=プーランマキシム・ゴーデットレミー・ジラール
⇒comment
完全無欠。
・・・だったなあと思います。 最後の最後まで辛口でね。
伏線の張り方もちゃんとしてましたし、最後で全てのパズルが出来上がったようで、観ていてなるほどと思う作品でした。
伏線の張り方もちゃんとしてましたし、最後で全てのパズルが出来上がったようで、観ていてなるほどと思う作品でした。
Re: 完全無欠。
rose_chocolatさん、こんにちは。
本当にパズルのピースがはまっていくのを見るようでしたね。
観終わった後に胸に残るものの重さは、他の映画ではなかなか味わうことのないものでした。
本当にパズルのピースがはまっていくのを見るようでしたね。
観終わった後に胸に残るものの重さは、他の映画ではなかなか味わうことのないものでした。
判らないこと
お早うございます。
本作は、ナドレックさんが「ほとんど完全無欠の傑作」とまでおっしゃるので、期待を込めて映画館に出向きました。
確かに、2時間を超える大作を最後まで飽きさせることなく、むしろ観客の興味をぐいぐい惹きつける圧倒的な力を持っている作品だと思いました。
ただ、甚だ浅学なクマネズミにとり、ナドレックさんがおっしゃるように「判りやすい」作品とは、とても思えませんでした。
何か解明すべき謎があるとか、何らかの事件の真相を追求する必要があるといったわけでもないのに、どうしてあの双子の姉弟は、おぞましい事実にわざわざ直面させられなくてはならないのでしょうか?
あるいは、本作は、母親ナワルの生の軌跡を描くことがメインなのだから、双子の姉弟とかニハドのことは二の次(ナドレックさんは、「観客の興味を持続させる演劇らしい工夫」ともおっしゃいますが)、ということなのかもしれません。でも、それにしては暴かれた事実の陰惨なことは度を越しているのではと思いました。
それに、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は、「我々はどうすれば終わりのない暴力を生み出す、怒りの連鎖を断ち切ることができるのか」と言っているとのことですが、事実の重みに耐えきれずに倒れてしまったナワルが手紙で何を言おうとも、とても解決策にはならないのでは、とも思えてきます。
また、ニハドはキリスト教勢力に所属していると思われるにもかかわらず、イスラム教勢力のもとで成長し、彼に関する情報はイスラム教武装勢力のリーダーからもたらされるという事情もよく分からない事柄です。
本作は、ナドレックさんが「ほとんど完全無欠の傑作」とまでおっしゃるので、期待を込めて映画館に出向きました。
確かに、2時間を超える大作を最後まで飽きさせることなく、むしろ観客の興味をぐいぐい惹きつける圧倒的な力を持っている作品だと思いました。
ただ、甚だ浅学なクマネズミにとり、ナドレックさんがおっしゃるように「判りやすい」作品とは、とても思えませんでした。
何か解明すべき謎があるとか、何らかの事件の真相を追求する必要があるといったわけでもないのに、どうしてあの双子の姉弟は、おぞましい事実にわざわざ直面させられなくてはならないのでしょうか?
あるいは、本作は、母親ナワルの生の軌跡を描くことがメインなのだから、双子の姉弟とかニハドのことは二の次(ナドレックさんは、「観客の興味を持続させる演劇らしい工夫」ともおっしゃいますが)、ということなのかもしれません。でも、それにしては暴かれた事実の陰惨なことは度を越しているのではと思いました。
それに、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は、「我々はどうすれば終わりのない暴力を生み出す、怒りの連鎖を断ち切ることができるのか」と言っているとのことですが、事実の重みに耐えきれずに倒れてしまったナワルが手紙で何を言おうとも、とても解決策にはならないのでは、とも思えてきます。
また、ニハドはキリスト教勢力に所属していると思われるにもかかわらず、イスラム教勢力のもとで成長し、彼に関する情報はイスラム教武装勢力のリーダーからもたらされるという事情もよく分からない事柄です。
Re: 判らないこと
【ネタバレ注意】
クマネズミさん、こんにちは。
映画に判らないことがあると、それをあれこれ考えるのがまた楽しいですね!
クマネズミさんがご指摘の点は、本作の重要なところだと思います。
なぜ、双子はおぞましい事実に直面させられなくてはならないのか?
――双子のことを考えれば事実を知らせる必要はありませんね。ナワルもそう思ったから、双子の出生の事情は告げていなかったのでしょう。
でも彼女はニハドも愛していた。必ず迎えに行くというニハドとの約束を守らねばならなかった。自分に死期が迫っている以上、ニハドには家族がいること、母はニハドを愛していることを伝える役を託せるのは双子しかいない――そう考えたのではないでしょうか。
双子にとってはおぞましい事実を知ることになるでしょう。しかし、自分の手で育てられなかったばかりにおぞましい人生を送ってきたニハドに対して、母は気づかっていたことを知らせる方が大事であると思ったのはないでしょうか。
墓に名前を刻むなと遺言したのも、偶然ニハドが墓を目にして、母が自分を捨てたまま先立ったと思わないようにとの配慮でしょう。
この映画は、双子が真相を追求するドラマとしてよりも、ナワルとニハドの親子愛を中心に観る方が判りやすいように思います。
また、双子同士や双子と母とが仲良しで幸せいっぱいに暮らしていたならともかく、(おそらく秘められた過去の悲惨さが影を落として)ギクシャクした関係だった家族にとって、戦乱と殺し合いの中で育ったニハドの存在は、彼らの来し方を顧みさせ、結束させたのではないでしょうか。
冒頭、遺言を巡って口論していた双子は、終盤ではおぞましい事実を受け止めるために支えあっていたように見えます。
公式サイトの「監督からのメッセージ」には、アラブのことわざが紹介されています。
"私対弟、私と弟対我々のいとこ。私と弟と我々のいとこ対その他の人々"
http://shakunetsu-movie.com/pc/message/
第三者が登場することで、反目していた者たちはときに結束することができます。第三者を無限に設定することで、いつしか私たちの反目はすべてなくなるのかもしれません。
>ナワルが手紙で何を言おうとも、とても解決策にはならないのでは
本作のラストシーンを見ると、ナワルの手紙は充分に重く、何かを解決したように思いますがいかがでしょう。
>彼に関する情報はイスラム教武装勢力のリーダーからもたらされるという事情もよく分からない事柄です。
ここらへんは判りにくいですね。
ただ、彼は有名なスナイパーであり、また敵に捕まって洗脳されたそうですから、立場が180度変わったり、その事情が敵勢力に察知されているのも、ある程度はアリなのかなと思います。
以上、私の勝手な解釈を綴らせていただきました。
クマネズミさん、こんにちは。
映画に判らないことがあると、それをあれこれ考えるのがまた楽しいですね!
クマネズミさんがご指摘の点は、本作の重要なところだと思います。
なぜ、双子はおぞましい事実に直面させられなくてはならないのか?
――双子のことを考えれば事実を知らせる必要はありませんね。ナワルもそう思ったから、双子の出生の事情は告げていなかったのでしょう。
でも彼女はニハドも愛していた。必ず迎えに行くというニハドとの約束を守らねばならなかった。自分に死期が迫っている以上、ニハドには家族がいること、母はニハドを愛していることを伝える役を託せるのは双子しかいない――そう考えたのではないでしょうか。
双子にとってはおぞましい事実を知ることになるでしょう。しかし、自分の手で育てられなかったばかりにおぞましい人生を送ってきたニハドに対して、母は気づかっていたことを知らせる方が大事であると思ったのはないでしょうか。
墓に名前を刻むなと遺言したのも、偶然ニハドが墓を目にして、母が自分を捨てたまま先立ったと思わないようにとの配慮でしょう。
この映画は、双子が真相を追求するドラマとしてよりも、ナワルとニハドの親子愛を中心に観る方が判りやすいように思います。
また、双子同士や双子と母とが仲良しで幸せいっぱいに暮らしていたならともかく、(おそらく秘められた過去の悲惨さが影を落として)ギクシャクした関係だった家族にとって、戦乱と殺し合いの中で育ったニハドの存在は、彼らの来し方を顧みさせ、結束させたのではないでしょうか。
冒頭、遺言を巡って口論していた双子は、終盤ではおぞましい事実を受け止めるために支えあっていたように見えます。
公式サイトの「監督からのメッセージ」には、アラブのことわざが紹介されています。
"私対弟、私と弟対我々のいとこ。私と弟と我々のいとこ対その他の人々"
http://shakunetsu-movie.com/pc/message/
第三者が登場することで、反目していた者たちはときに結束することができます。第三者を無限に設定することで、いつしか私たちの反目はすべてなくなるのかもしれません。
>ナワルが手紙で何を言おうとも、とても解決策にはならないのでは
本作のラストシーンを見ると、ナワルの手紙は充分に重く、何かを解決したように思いますがいかがでしょう。
>彼に関する情報はイスラム教武装勢力のリーダーからもたらされるという事情もよく分からない事柄です。
ここらへんは判りにくいですね。
ただ、彼は有名なスナイパーであり、また敵に捕まって洗脳されたそうですから、立場が180度変わったり、その事情が敵勢力に察知されているのも、ある程度はアリなのかなと思います。
以上、私の勝手な解釈を綴らせていただきました。
判らないことが解りました
ナドレックさんこんにちは。
いつもながらの切れ味鋭いレビュー堪能いたしました。
小生、残念ながら『未来を生きる君たちへ』見のがしていたので、必ず比較したいとの思いを強く持ちました。
また、クマネズミさんとのやりとりは更に興味深く、楽しませていただきました。作品には、確かにやや説明が足りないと感じる部分もあるのですが、おっしゃるとおり、想像力で補うことも楽しみのひとつとすれば、納得できるかなと思っているところです。
これからも愛読させていただきます。
いつもながらの切れ味鋭いレビュー堪能いたしました。
小生、残念ながら『未来を生きる君たちへ』見のがしていたので、必ず比較したいとの思いを強く持ちました。
また、クマネズミさんとのやりとりは更に興味深く、楽しませていただきました。作品には、確かにやや説明が足りないと感じる部分もあるのですが、おっしゃるとおり、想像力で補うことも楽しみのひとつとすれば、納得できるかなと思っているところです。
これからも愛読させていただきます。
Re: 判らないことが解りました
たんたんたぬきさん、こんにちは。
『未来を生きる君たちへ』も一見の価値アリです(なにしろ本作を押しのけてアカデミー賞を受賞したのですから)。
本作は劇中の時間が何度も行き来するせいもあり、また出番の少ない登場人物から重要な情報がもたらされることもあり、少々判りにくいようにも感じますが、そこに観客が積極的に鑑賞に臨む余地があるように思います。
あまりにも重過ぎて、何度も観たい作品ではありませんが:-)
『未来を生きる君たちへ』も一見の価値アリです(なにしろ本作を押しのけてアカデミー賞を受賞したのですから)。
本作は劇中の時間が何度も行き来するせいもあり、また出番の少ない登場人物から重要な情報がもたらされることもあり、少々判りにくいようにも感じますが、そこに観客が積極的に鑑賞に臨む余地があるように思います。
あまりにも重過ぎて、何度も観たい作品ではありませんが:-)
面白すぎました
私が引っかかったのは、そこですわ。
面白すぎて、劇的すぎた。
偶然ほど恐ろしいものはない。運命のいたずらの怖さ、その妙を感じれるのが映画なんでしょうが、そこまでの過酷な人生は出来すぎ、面白すぎのように感じたのでした。
そこまで劇的にしなくても、実際にあった内戦の悲劇を事実に則してみたかったのかもです。
いや、実際にあるかもしれないですが。。。
と、もう一つ引っかかったのは、母としての生き方でした。
息子の母への態度から、30年近くどのようにこの双子に接してきたのか、想像できませんでした。半ば廃人のようだったら、仕事なんか出来なかっただろうし、きっと二人が彼女の心の支えになったはずであろうに、それが感じられなかった。
でも、それは物語に対する得心の行かないところですので、映画としてみれば、圧倒的な力で押しまくられました。だからこそ、物語に納得がいきたかったです。結構なジレンマ。
面白すぎて、劇的すぎた。
偶然ほど恐ろしいものはない。運命のいたずらの怖さ、その妙を感じれるのが映画なんでしょうが、そこまでの過酷な人生は出来すぎ、面白すぎのように感じたのでした。
そこまで劇的にしなくても、実際にあった内戦の悲劇を事実に則してみたかったのかもです。
いや、実際にあるかもしれないですが。。。
と、もう一つ引っかかったのは、母としての生き方でした。
息子の母への態度から、30年近くどのようにこの双子に接してきたのか、想像できませんでした。半ば廃人のようだったら、仕事なんか出来なかっただろうし、きっと二人が彼女の心の支えになったはずであろうに、それが感じられなかった。
でも、それは物語に対する得心の行かないところですので、映画としてみれば、圧倒的な力で押しまくられました。だからこそ、物語に納得がいきたかったです。結構なジレンマ。
Re: 面白すぎました
sakuraiさん、こんにちは。
たしかに、晩年のナワルがどのように生きたのかは、ちょっと想像しづらいですね。もちろん映画で語ってくれる必要はありませんが、想像しにくい人物像なのは観客にとってチト辛いかも。
とはいえ、それほど波乱の人生を歩んだ女性の物語だからこそ、やっぱり面白いんですよね。
映画って難しいなぁ。
たしかに、晩年のナワルがどのように生きたのかは、ちょっと想像しづらいですね。もちろん映画で語ってくれる必要はありませんが、想像しにくい人物像なのは観客にとってチト辛いかも。
とはいえ、それほど波乱の人生を歩んだ女性の物語だからこそ、やっぱり面白いんですよね。
映画って難しいなぁ。
No title
この映画の何が恐ろしいって、こんな凄い映画なのにもかかわらず、私の中では消費されて、徐々に脱け出してしまっている事です。映画が心の中にずっと残っているって好みもあるから難しいなあ(もうちょっと幸せな映画が好き)。
「1+1=1X1」・・・掛けるは掛け合わす
日本だけならこの公式も成り立ちます。
「1+1=1X1」・・・掛けるは掛け合わす
日本だけならこの公式も成り立ちます。
Re: No title
ふじき78さん、こんにちは。返事が遅くなってすみません。
本作はいつも反芻する映画ではないですね。辛すぎるから。
ところで公式の意味が判らないのですが……?
本作はいつも反芻する映画ではないですね。辛すぎるから。
ところで公式の意味が判らないのですが……?
おぞましい事実に直面する意味
【ネタバレ注意】
なかなか、奥が深い映画ですね。
私も最初は、双子が出生の秘密を知るのが果たして良かったのか?という疑問を感じましたが、いずれにせよ、双子が障害を持たずに生まれたのは大きな幸運です。出生の秘密を知るのは当事者だけなので、後は口をつぐみ、今後のことを考えればいい。実は、ナワルは子供たちが真実を知る代わりに、家族として共に生きるという選択肢を与えたのではないかと、解釈しました。ナワルは兄と双子に宛てた手紙に、「共にあることは素敵なこと」と書いています(父に宛てた手紙には書いておらず、沈黙を示唆している)。双子は兄がどこの誰かは知っていますが、兄は双子がどこの誰かは知らず、選択肢は実質、双子が握っています。移民が親戚のいないカナダで生きていくのは大変なことです。家族が一人でも多いことは、心強いはず。出生の秘密はショックですが、彼らが家族として生きることは、我々が想像する以上にメリットのある選択肢と思われます。もちろん、選択するのは双子ですが、愛と憎の間で激しく揺さぶれたナワルの、最後の力を振りしぼった愛憎のマネジメントに、彼女の強靭さを感じ舌を巻きました。
なかなか、奥が深い映画ですね。
私も最初は、双子が出生の秘密を知るのが果たして良かったのか?という疑問を感じましたが、いずれにせよ、双子が障害を持たずに生まれたのは大きな幸運です。出生の秘密を知るのは当事者だけなので、後は口をつぐみ、今後のことを考えればいい。実は、ナワルは子供たちが真実を知る代わりに、家族として共に生きるという選択肢を与えたのではないかと、解釈しました。ナワルは兄と双子に宛てた手紙に、「共にあることは素敵なこと」と書いています(父に宛てた手紙には書いておらず、沈黙を示唆している)。双子は兄がどこの誰かは知っていますが、兄は双子がどこの誰かは知らず、選択肢は実質、双子が握っています。移民が親戚のいないカナダで生きていくのは大変なことです。家族が一人でも多いことは、心強いはず。出生の秘密はショックですが、彼らが家族として生きることは、我々が想像する以上にメリットのある選択肢と思われます。もちろん、選択するのは双子ですが、愛と憎の間で激しく揺さぶれたナワルの、最後の力を振りしぼった愛憎のマネジメントに、彼女の強靭さを感じ舌を巻きました。
Re: おぞましい事実に直面する意味
通りすがりさん、コメントありがとうございます。
たしかに、ナワルは子供たちに選択肢を与えたのですね。子供たちに違う生き方があることを示し、それを選ぶ自由を与えた。
考えてみれば親が――大人が――子供にできることは、そこに尽きるのかもしれません。
この映画の素晴らしさを改めて実感します。
たしかに、ナワルは子供たちに選択肢を与えたのですね。子供たちに違う生き方があることを示し、それを選ぶ自由を与えた。
考えてみれば親が――大人が――子供にできることは、そこに尽きるのかもしれません。
この映画の素晴らしさを改めて実感します。
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トラックバックの反映にはしばらく時間がかかります。ご容赦ください。灼熱の魂/Incendies
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2011年12月23日 『灼熱の魂』 TOHOシネマズ日比谷シャンテ
『灼熱の魂』を鑑賞してきた。
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【ストーリー】
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『灼熱の魂』・・・ ※ネタバレ有
2010年:カナダ+フランス合作映画、デニ・ヴィルヌーヴ監督&脚本、ルブナ・アザバル、メリッサ・デゾルモー=プーラン、マキシム・ゴーデット、レミー・ジラール、アブデル・ガフール・エラージズ出演。
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督『灼熱の魂』
注・内容、結末に触れています。レバノン出身の劇作家ワジディ・ムアワッドの原作をドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が映画化した『灼熱の魂』。出演はルブナ・アザバル、レミー・ジラール。物語・自らのルーツを語る事はお
「灼熱の魂」
予告編を見るたびに泣けていたけど…本編を観て、それほどでもなかった…。
灼熱の魂/ルブナ・アザバル
中東からカナダへと移り住んだある女性の人生を現代と過去を交錯させながら描いていくヒューマン・ドラマだそうですが、予告編の印象だと亡くなった母の遺言で初めて父と兄の存在 ...
灼熱の魂
2012年1月15日(日) 18:30~ TOHOシネマズシャンテ1 料金:0円(シネマイレージカード ポイント使用) パンフレット:未確認 『灼熱の魂』公式サイト 感動の映画かと思っていたが、衝撃の映画だった。 フランス語を操るアラブ系の双子の姉弟(カナダは恐らくケ?...
灼熱の魂・・・・・評価額1650円
家族の歴史に隠された、血塗られた闇。
「灼熱の魂」という邦題は観て納得。
原題の「Incendies」は仏語で“火事”の意味だが、これは正に燃え上がる炎の様な熱い魂を持った、力のある映画だ。
中東出身の...
灼熱の魂
灼熱の魂
★★★★☆(★4つ)
母の遺言から始まった、父と兄を探す旅。
国境を越えて、時を越えて、
母の過去のなかへ―。
宗教上の理由から、愛する人を殺され、子どもは孤児院へ。
政治犯としてとらえられた監獄で、性的暴行の末生んだ双子とカナダへ移...
『灼熱の魂』 (2010) / カナダ・フランス
原題: INCENDIES
監督: デニ・ヴィルヌーヴ
出演: ルブナ・アザバル 、メリッサ・デゾルモー=プーラン 、マキシム・ゴーデット 、レミー・ジラール 、アブデル・ガフール・エラージズ
鑑賞劇場: TOHOシネマズシャンテ
公式サイトはこちら。
昨年暮れ公...
灼熱の魂
Data原題INCENDIES原作ワジ・ムアワッド監督ドゥニ・ヴィルヌーヴ出演ルブナ・アザバル
メリッサ・デゾルモー=プーラン
マキシム・ゴーデット公開2011年 12月
『灼熱の魂』
予告を観て「観たい!」と思っていたものの すっかり出遅れ、気が付いたら最終週。 これは、もう無理かと、諦めていたら また
■映画『灼熱の魂』
主人公の女性・ナワルのあまりに壮絶な人生に、思わず「こんなのんきな人生を送っていてごめんなさい」とあやまりたくなってしまうような衝撃作『灼熱の魂』。
戦争やテロが、いかに過酷な運命を作り出すか、この作品が私に教えてくれました。
平和な世界でのんきに...
「灼熱の魂」
内戦の絶えない中東からカナダに逃れてきた母親が急死。遺書に導かれるまま彼女の過去を調べるうち、母親の凄まじい遍歴と自分たちの出生の秘密を知ってしまう姉弟の物語。
母親が混乱の生地、中東で経験する話は身も凍るようなものなんだけど、現実にありそうなところ...
灼熱の魂
『灼熱の魂』を日比谷のTOHOシネマズシャンテで見ました。
(1)随分と地味な映画ながら良い作品だと耳にしたものですから見に行ってきました。
確かに衝撃的な良作に違いありませんが、それにしても大層重厚な作品(注1)で、それも2時間11分もの長尺ですから、見る方...
灼熱の魂 評価★★★65点
レバノン出身の劇作家ワジディ・ムアワッドの戯曲「戦火」を、「渦」のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が映画化。民族や宗派間の抗争、社会と人間の不寛容がもたらす血塗られた歴史を背景に、その理不尽な暴力の渦中にのみ込まれていったヒロインの魂の旅を描く。出演は「パラダ...
映画『灼熱の魂』を観て~2011年で最も印象的だった作品
11-88.灼熱の魂■原題:Incendies■製作年・国:2010年、カナダ・フランス■上映時間:131分■字幕:松浦美奈■料金:1,800円■鑑賞日:12月19日、TOHOシネマズシャンテ
□監督・脚本:ドニ・ヴィルヌーヴ□原作:ワジディ・ムアワッド□撮影監督:アン?...
「灼熱の魂」
母親の遺言で、息子と娘が聞いたことのない兄を探しに中東に行くわけだが、捜索していくにつれわかってくる過去の経緯の入り方がかなりイレギュラーで、誰も見たはずのない場面が作者の恣意で画になったりする。
探偵役になってもおかしくない姉弟が捜索につれて事実を「...
灼熱の魂
★ネタバレ注意★
フランス・カナダ合作の、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品。
カナダ在住のレバノン出身の劇作家ワジ・ムアワッドの同名戯曲が原作である由。2010年度のアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされました。(この年の受賞は『未来を生きる君たちへ...
灼熱の魂
■ TOHOシネマズ シャンテにて鑑賞灼熱の魂/INCENDIES
2010年/カナダ、フランス/131分
監督: ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演: ルブナ・アザバル/メリッサ・デゾルモー=プーラン/マキシム・ゴーデット...
灼熱の魂 ◆ Incendies
超重量級のドラマです。これからご覧になる方は心してスクリーンに向かってください。本国カナダでのアカデミー賞に当たるジニー賞で8部門を受賞し、米国アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされたという作品。それは、現代平和日本に暮らす私達には想像さえし得ない?...
灼熱の魂
現代のギリシア悲劇。。。だが悲劇のままではならない世界。
灼熱の魂(2010)★★INCENDIES
お母さん、あなたが生き続けた理由を教えてください。
好き度:+5点=65点
アカデミー賞ノミネートに地元カナダ・アカデミー賞8部門独占したという本作。また世界30ヶ国以上の映画祭で絶賛されたということで、気になり早速鑑賞して来ました。
しかしこんな...
灼熱の魂
DVDにて観賞
映画評論家おすぎが絶賛していた映画。
解説
『渦』のドゥニ・ヴィルヌーヴが監督と脚本を務め、レバノン出身
の劇作家ワジ・ムアワッドの原作を映画化した珠玉の人間ドラマ。
中東からカナダに移り住んだある女性の壮絶な人生を、過去と現代
?...
『灼熱の魂』『幸せパズル』をギンレイホールで観て、へへっへそりゃああの韓国映画みたいでげすなあふじき★★★★,★★(ネタバレあり)
『灼熱の魂』(ネタバレ)
五つ星評価で【★★★★すげえなあ。でも、ショック展開をすればいい映画かと言う疑問も沸く】
条件は違うんだけど『オールド・ボーイ』みたいだ。
...
灼熱の魂
亡くなった父親と実在しない兄に宛てた2通の遺言状を双子姉弟に託して他界した母親。二人は真実を確かめるために、母親がカナダに亡命する前の故郷である中東の地を訪ねるのだが…。
この母親の過去を追体験して行き、母親の心に徐々に触れていく…そして最後に思いもよ...
灼熱の魂
INCENDIES
2010年
カナダ/フランス
131分
ドラマ/ミステリー
PG12
劇場公開(2011/12/17)
監督:
ドゥニ・ヴィルヌーヴ
『プリズナーズ』
脚本:
ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演:
ルブナ・アザバル:ナワル・マルワン
メリッサ・デゾルモー=プーラン:ジャンヌ...