『過速スキャンダル』に今すぐ急げ!

 【ネタバレ注意】

 Yahoo!映画において『過速スキャンダル』にみんなが投じた点の集計結果は4.75点(2010年2月21日現在)。
 『ゴッドファーザー』(4.74点)や『ローマの休日』(4.71点)を凌ぐ高得点である!
 にもかかわらず、都内の上映館は新宿、品川、六本木の3館のみ。渋谷や銀座はない。
 しかも公開1週間にして上映時間は午前や昼の1~2回のみ。

 イヤハヤこれはどういうことだ!?
 私の頭を、『ある日どこかで』のことがかすめた。
 『ある日どこかで』は素晴らしい映画であるにもかかわらず、日本公開時は2週間で打ち切られてしまった。
 幸い私は、東銀座にあった松竹セントラルで観ることができたが、この名画がほとんど知られずに消えていくのかと思うと、悔しくてたまらなかった(同じ思いの人が多かったようで、いまだに語り継がれているのは幸いである)。

 それにしても『過速スキャンダル』がどんな作品なのか、上映しているうちに自分の目で確かめねばと、私は取り急ぎ映画館へ向かった。


 結論から云えば、『過速スキャンダル』はとてもバランスのとれた映画である。

 『ゴッドファーザー』や『ローマの休日』を凌ぐかどうかは各人の好みであるから置いておくが、『過速スキャンダル』にはベタな笑いと泣かせる場面と、少々の緊迫感が良いあんばいで盛り込まれ、とても楽しめる作品である。

 主人公のDJとその娘と孫が、それぞれ音楽とかかわる描き方もそつがなく、数々の劇中歌が効果を上げている。
 主人公が、彼女のためにレストランで歌い出しちゃうところなど、本来『少年メリケンサック』のようにギャグにしかならないはずだが、本作では「歌うのは2枚目のCDで失敗して以来です」なんてエクスキューズを挿入することで、自然な流れで描いている。
 しかも、それだけ歌を重視していながら、歌手デビューのかかった公開生番組での決勝戦をクライマックスにせず、あっさり肩透かしを食わせるとは、監督・脚本のカン・ヒョンチョルには油断ならない。

 それに、スキャンダルを恐れてあたふたする主人公、というシチュエーションはもちろん面白いが、芸能人である主人公のいまの仕事をラジオのDJにしたのも憎い。
 名作『糸ノコとジグザグ』や『3年B組金八先生』を持ち出すまでもなく、ラジオというのは受け手のハートを直撃する飛び道具である。
 『パイレーツ・ロック』だって海賊ラジオだから面白いのであって、テレビじゃ様にならない。

 他にも、食事を通して3人の関係や心情の変化を描いたり、複数のスキャンダルを効果的に交差させたりと、カン・ヒョンチョル監督はオーソドックスだが巧みな演出を見せてくれる。


 損をしているのは邦題か。
 題名の『過速スキャンダル』とは何のことかと思ったら、英語タイトルは"OVERSPEED SCANDAL"。
 こちらのブログで、オーバースピードとは韓国では結婚前の妊娠(できちゃった婚)に使われている言葉であることを教えていただいた。
 邦題はこれを無理に訳した結果だが、本作でスキャンダル云々は実のところさして重要ではない。

 観客の胸に残るのは、ラストシーンからエンドクレジットになだれ込む爽快さだ。


過速スキャンダル プレミアム・エディション [DVD]過速スキャンダル』  [か行]
監督・脚本/カン・ヒョンチョル
出演/チャ・テヒョン パク・ボヨン ワン・ソクヒョン ファン・ウスレ
日本公開/2010年2月13日
ジャンル/[コメディ] [ロマンス]
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【theme : 韓国映画
【genre : 映画

tag : カン・ヒョンチョル チャ・テヒョン パク・ボヨン ワン・ソクヒョン ファン・ウスレ

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