『カールじいさんの空飛ぶ家』 終わりから始まる物語

 末期ガンに侵された10歳の少女のために、ピクサーが『カールじいさんの空飛ぶ家』を特別に上映した、という記事を読んでから、本作の日本公開を待ち焦がれていた。

 本作の宣伝では、宮崎駿監督の次の言葉が紹介されている。

  実はボクは、「追憶のシーン」だけで満足してしまいました。

 まさしく、最初の10分間だけで、映画代2,000円の価値があった。


 ピクサーが初めて人間を主人公にした『カールじいさんの空飛ぶ家』は、一般的なアニメーション映画の客層とは対極にある老人の物語だ。
 カールじいさんはすっかり年老いて、亡き妻を偲ぶだけの淋しい生活を送っている。
 夫婦で冒険に出ることも叶わず、大事に手入れする愛車もない。

 最初の10分で映画1本分の満足を味わえたので、さぁこれからどんな物語が紡ぎ出されるのか楽しみだった。


 その旅は意外にリアルだ。

 目指すのは、パラダイスの滝。
 幻想的な風景だが、公式サイトによれば、そのモデルはベネズエラのギアナ高地にあるエンジェルの滝(スペイン語読みでアンヘル滝)だそうだ。
 落差979メートルという世界最大の滝である。

 そして犬好きには、愛嬌たっぷりのダグの言動がたまらない。
 特にエリザベスカラーを付けられたときのションボリした様子には、さもありなんと思うはずだ。


 それにしても、作品にタイトルをつけるのはつくづく難しい。

 『カールじいさんの空飛ぶ家』という邦題は素晴らしい。
 「空飛ぶ家」なんて聞いただけでワクワクする。
 『ハウルの動く城』のような不思議なものなのか、はたまた『天空の城ラピュタ』のように冒険が詰まったものなのか、期待を抱かせるに充分だ。
 それにひきかえ、原題の『Up』は具体性がなくて面白くない…。

 そう考えていたのだが、本作を観終わって、原題こそ相応しいと実感した。

 カールじいさんは、家で空を飛ぶのではなく、家から空へ飛ぶのである。


カールじいさんの空飛ぶ家/ブルーレイ(本編DVD付) [Blu-ray]カールじいさんの空飛ぶ家』  [か行]
監督・原案・脚本/ピート・ドクター  共同監督・原案・脚本/ボブ・ピーターソン
原案/トーマス・マッカーシー  製作総指揮/アンドリュー・スタントン
出演/ジョーダン・ナガイ ボブ・ピーターソン クリストファー・プラマー
日本語吹替版の出演/飯塚昭三
日本公開/2009年12月5日
ジャンル/[アドベンチャー] [ファミリー] [コメディ] [犬]
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【theme : アニメ
【genre : 映画

tag : ピート・ドクター ボブ・ピーターソン アンドリュー・スタントン クリストファー・プラマー 飯塚昭三

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