ゴー、『G.I.ジョー』!

 80年代半ば、相次ぐ日米合作アニメの製作が話題になった。ハズブロ社の玩具展開用アニメの『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』と『地上最強のエキスパートチーム G.I.ジョー』である。
 もっとも、日米合作といっても企画やストーリー作りは米国側だから、東映動画(現・東映アニメーション)の立場は下請けという方が正確かもしれない。

 ところで映画『ノウイング』を観ると、子供のテレビ視聴は1日1時間に厳しく制限され、しかも子供が楽しみにしているのはディスカバー・チャンネルの野生動物を描いたドキュメンタリーだ。
 こんな知的な育て方を見せられると、アニメやゲームに興じる日本の子供はバカみたいだが、トランスフォーマーやG.I.ジョーは、米国の子供もアニメを見るしオモチャで遊ぶことを思い出させてくれる(もっとも『ノウイング』に登場する子供たちは、動物を愛する特別な子という設定だが)。


 『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』は、米国では1984年から、日本では1985年7月から放映され、以降20年以上にわたって続く人気シリーズとなる。
 対する『地上最強のエキスパートチーム G.I.ジョー』は、米国でこそ2度のテレビシリーズと劇場版まで作られたものの、日本では1986年7月24日~1987年3月27日にエピソードの一部が放映されたにとどまる。

 この差は一体何か?
 大きかったのは、『G.I.ジョー』が意外に大人向けだったことだろう。
 子供やギャグメイカー、マスコットキャラクターは登場せず、敵味方ともに選び抜かれたエキスパートたちが激戦を繰り広げる。あたかも、クライブ・カッスラーの傑作冒険小説『QD弾頭を回収せよ』のラスト100ページを繰り返し読むような、息もつかせぬ展開が続く。
 そのくせ、トランスフォーマーのような派手なスーパーメカは出てこない。しかもトランスフォーマーはある意味で全員がマスコットキャラクターのようなものだ。

 米国では1945年公開の『G・I・ジョウ』に始まりアクションフィギュアとしてのG.I.ジョーが根付いているが、アニメで初めてG.I.ジョーに接した日本の青少年にはあまり面白くなかったのかも知れない。
 途中からコブラコマンダーが公家ことばで喋ったり、コミカルな要素を入れるようにしたが、元のストーリーがハードなアクションなのだから、日本で吹き替え時にコミカルにしようにも限界があった(妙な味が出て、これはこれで面白かったが)。


 こうして日本では忘れられたに等しい『G.I.ジョー』だが、実写映画版『トランスフォーマー』に続いてこちらも実写映画になって帰ってきた。

 しかもこれ全編がアクションに次ぐアクション。
 『X-メン』で「恵まれし子らの学園」の授業風景があったり、『トランスフォーマー』でサムの学園生活を描いたような、緩急をつけたストーリーではない。
 冒頭からラストまで戦闘しっぱなし、戦闘でないときは戦闘訓練、愛を語るのも走りながら。

 さすがだ、それでこそ『G.I.ジョー』だ。
 本作にクライマックスに向けての盛り上がりはない。なぜなら最初からクライマックスだからだ!


 役者も良い。ジョナサン・プライス演じる大統領は思いの外はまっている。

 ただ一つ、コブラコマンダーの「コォーブラァ~!!」という雄叫びを聞けないのが残念でおじゃる


G.I.ジョー スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]G.I.ジョー』  [さ行]
監督/スティーヴン・ソマーズ
出演/チャニング・テイタム レイチェル・ニコルズ マーロン・ウェイアンズ シエナ・ミラー イ・ビョンホン デニス・クエイド ジョナサン・プライス
日本公開/2009年8月7日
ジャンル/[SF] [アクション]
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【theme : アクション映画
【genre : 映画

tag : スティーヴン・ソマーズ イ・ビョンホン ジョセフ・ゴードン=レヴィット

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