『GANTZ』 このスーツを見よ!
映画の楽しみの一つは、エンドクレジットだろう。そこには、他では得られない情報や種明かしがある。
エンドクレジットを見れば、公式サイトをはじめとした宣伝では紹介していないけれど実は有名俳優が出演していたりすることが判るし、映画の中の風景を撮影した場所も説明される。
だいたい私が鑑賞前に映画について知っているのはタイトルと監督名くらいなので、誰が何をやっているかはエンドクレジットではじめて知ることが多い。
なのに、その重要なエンドクレジットはどんどん流れていってしまうから、映画の中でも一番しっかり観ないといけないところだ。
映画『GANTZ』でも、エンドクレジットを観ていたら驚きの名前があった。
特殊衣装 竹田団吾
考えてみれば当然だ。
主人公が着用するガンツスーツは、おいそれと作れるものではない。竹田団吾氏の参画があってのものだろう。
『GANTZ』において、竹田団吾氏はガンツスーツのデザイン及び制作を担当している。
もちろん、ガンツスーツのデザインの基は原作マンガに描かれているが、絵に描いてカッコいい衣装と、実際に人が着こなせてカッコいい衣装とは違う。
ここが案外難しいところで、絵ではカッコいい装飾が、実際の衣装にしてみるとゴテゴテした余計な飾りになってしまったりする。はたまた、絵に描き込まれていた皺やひだや光沢や陰がなくなると、のっぺりとしたつまらない衣装でしかなかったりする。
特にSFやファンタジーの衣装は風変わりなものが多く、デザイナーの画力のおかげでカッコ良く見えているだけのこともあるのだ。
制作上の問題もある。デザインが現実離れしていれば、着衣としてしっくりくるものを作るのは困難だ。何しろ、これまで作られたことのない衣装なのだから、まともに服に見えないかもしれない。
そんな衣装にまつわる多くの課題を、見事にクリアするのが竹田団吾氏だ。
まず、そのデザインがカッコいい。
その上、カッコ良さばかりではなく、着衣としても自然に見えるデザインだ。
さらに、それを現実の衣装として仕立て上げる技術も確かである。
そこには、役者として衣装をまとって演技していた経験が生きているのかもしれない。
竹田団吾氏が所属する劇団☆新感線の芝居を長年観続けて、衣装の変遷を目の当たりにしてきた今、ガンツスーツは一つの到達点に感じる。
『GANTZ』の登場人物たちは、ガンツスーツを着てアクションするわけだから、とうぜん動きやすくなければならない。体に密着しているので、余計なものは排除しなければならない。とはいえ、SFらしいギミックの魅力も欲しい。もちろん、ヒーローのコスチュームなのだから、なんてったってカッコ良くなければならない。
これらの課題をデザイナーとしても制作者としてもクリアしてくれるのが、竹田団吾氏だ。
このガンツスーツ、公式サイトによれば、試作から5パターンを経て完成したという。
カッコいいだけではない。そこには、主人公たちの行為が正義なのか悪なのか判らない、ダークな雰囲気も醸し出す。
そして、質感たっぷりの武器や不気味なガンツ等、見事な出来の小道具大道具と相まって、竹田団吾氏によるガンツスーツが映画を盛り上げている。
ひとつ我がままを云わせてもらえば、役者としての竹田団吾氏をまた見たい。
もう一度舞台を踏んでもらえないものだろうか。
『GANTZ』 [か行]
『GANTZ : PERFECT ANSWER』
監督/佐藤信介 アクション監督/下村勇二
出演/二宮和也 松山ケンイチ 吉高由里子 本郷奏多 夏菜 田口トモロヲ 山田孝之 伊藤歩 綾野剛
日本公開/1作目:2011年1月29日 2作目:2011年4月23日
ジャンル/[SF] [アクション] [サスペンス]
エンドクレジットを見れば、公式サイトをはじめとした宣伝では紹介していないけれど実は有名俳優が出演していたりすることが判るし、映画の中の風景を撮影した場所も説明される。
だいたい私が鑑賞前に映画について知っているのはタイトルと監督名くらいなので、誰が何をやっているかはエンドクレジットではじめて知ることが多い。
なのに、その重要なエンドクレジットはどんどん流れていってしまうから、映画の中でも一番しっかり観ないといけないところだ。
映画『GANTZ』でも、エンドクレジットを観ていたら驚きの名前があった。
特殊衣装 竹田団吾
考えてみれば当然だ。
主人公が着用するガンツスーツは、おいそれと作れるものではない。竹田団吾氏の参画があってのものだろう。
『GANTZ』において、竹田団吾氏はガンツスーツのデザイン及び制作を担当している。
もちろん、ガンツスーツのデザインの基は原作マンガに描かれているが、絵に描いてカッコいい衣装と、実際に人が着こなせてカッコいい衣装とは違う。
ここが案外難しいところで、絵ではカッコいい装飾が、実際の衣装にしてみるとゴテゴテした余計な飾りになってしまったりする。はたまた、絵に描き込まれていた皺やひだや光沢や陰がなくなると、のっぺりとしたつまらない衣装でしかなかったりする。
特にSFやファンタジーの衣装は風変わりなものが多く、デザイナーの画力のおかげでカッコ良く見えているだけのこともあるのだ。
制作上の問題もある。デザインが現実離れしていれば、着衣としてしっくりくるものを作るのは困難だ。何しろ、これまで作られたことのない衣装なのだから、まともに服に見えないかもしれない。
そんな衣装にまつわる多くの課題を、見事にクリアするのが竹田団吾氏だ。
まず、そのデザインがカッコいい。
その上、カッコ良さばかりではなく、着衣としても自然に見えるデザインだ。
さらに、それを現実の衣装として仕立て上げる技術も確かである。
そこには、役者として衣装をまとって演技していた経験が生きているのかもしれない。
竹田団吾氏が所属する劇団☆新感線の芝居を長年観続けて、衣装の変遷を目の当たりにしてきた今、ガンツスーツは一つの到達点に感じる。
『GANTZ』の登場人物たちは、ガンツスーツを着てアクションするわけだから、とうぜん動きやすくなければならない。体に密着しているので、余計なものは排除しなければならない。とはいえ、SFらしいギミックの魅力も欲しい。もちろん、ヒーローのコスチュームなのだから、なんてったってカッコ良くなければならない。
これらの課題をデザイナーとしても制作者としてもクリアしてくれるのが、竹田団吾氏だ。
このガンツスーツ、公式サイトによれば、試作から5パターンを経て完成したという。
カッコいいだけではない。そこには、主人公たちの行為が正義なのか悪なのか判らない、ダークな雰囲気も醸し出す。
そして、質感たっぷりの武器や不気味なガンツ等、見事な出来の小道具大道具と相まって、竹田団吾氏によるガンツスーツが映画を盛り上げている。
ひとつ我がままを云わせてもらえば、役者としての竹田団吾氏をまた見たい。
もう一度舞台を踏んでもらえないものだろうか。
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『GANTZ : PERFECT ANSWER』
監督/佐藤信介 アクション監督/下村勇二
出演/二宮和也 松山ケンイチ 吉高由里子 本郷奏多 夏菜 田口トモロヲ 山田孝之 伊藤歩 綾野剛
日本公開/1作目:2011年1月29日 2作目:2011年4月23日
ジャンル/[SF] [アクション] [サスペンス]

【theme : 特撮・SF・ファンタジー映画】
【genre : 映画】