『歩いても 歩いても』秘話
![歩いても 歩いても [Blu-ray]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/71w5nAS8BWL._SL160_.jpg)
マスメディアでも取り上げてるが、私が印象深かったことをメモ。
これは、映画館大賞の上位に選ばれた作品をアンコール上映する企画の一端で、『歩いても 歩いても』上映前に行われた。
記憶を頼りに書いているため、不正確なところがあれば、ご容赦願いたい。
---
-この作品を持って世界の映画祭に行かれて、いかがでした?
「国によって笑うところは違ってて、日本人ならここで絶対笑わないというところで観客が笑ったりするのですが、この作品はどの国でも日本人と同じところで笑っていました。」
-本作の見どころは?
「見どころってよく訊かれるんですが、困るんですよね。
これ、ないんですよ、見どころとかメッセージとか。そこが気に入ってるんですけど。」

-今回、大きなスクリーンで観て欲しいという映画館大賞の4位に選ばれたわけですが、映画館へは行かれますか?
「行きますよ。映画は映画館で観るものだと思っています。
プロダクションが始まっちゃうとなかなか観られないのですが。1番観たのは学生時代ですね。」
-去年の映画では?
「『ダークナイト』をスタッフで観に行きました。盛り上がりました。『ハプニング』もスタッフで観に行きました。盛り上がりませんでした。」
-盛り上がる映画ではないですね(笑)

-(樹木希林さんの話から)演技指導はどうされたのですか?
「樹木希林さんに演技指導ですか?(笑)
してません、樹木希林さんには。
息子が帰ってきて『こんにちは』というと、『ただいまだろ』っていうのは、実際に僕が母から云われたことで実体験なんですけど、そこまでは台本に書いてあるんですが、そのあとスリッパを持って腰をかがめて歩いていくのは樹木希林さんがつけた演技で、それを観て『あぁ、"お母さん"だ』と思いました。
樹木希林さんも阿部寛さんも、たいへん緻密に演技を組み立てる人で、リハーサルで演技を作っていくのですが、それをYOUさんが壊すという。それがまた緊張感が出ていい味なんです。役者さんのアンサンブルを観て欲しいですね。」

-この作品には食事のシーンがたくさんあって、観ている人はお腹すいちゃうかも知れませんが、トウモロコシの天ぷらは監督が考えたんですか?
「そうです。母が作ってくれたものなんです。トウモロコシは弾けてしまうので、母は天ぷらを揚げるとよく踊ってました。アチッ、アチッ…て。」
-映画に出てくる食事は全部監督が考えたのですか?
「全部です。
トウモロコシの天ぷらは、色とか揚がり方が僕の記憶にあるようにならなくて、撮影前に何度もテストしたんです。温度を変えたり、大きさを変えたり。
油を200度にしたら、トウモロコシが爆発しました(笑)」
---
是枝監督が高田馬場周辺の映画館の思い出を語ったとき、客席に向かって「パール座で観たことがありますか?」と問いかけた。
高田馬場周辺ならきっと早稲田松竹やACTミニシアターの話題になるだろうと考えていたので、高田馬場パール座は意外だった。意外すぎて、手を挙げそびれた。
パール座で鑑賞した観客はいない、ということでトークは進んでしまったが、すみません、観た者もいたことを告白しておきます。
・次回作『空気人形』に触れたトークは、リンク先にてご覧ください。
・トーク内容をWebに公表することで関係者の方に不都合がございましたら、ご連絡ください。
![歩いても 歩いても [Blu-ray]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/71w5nAS8BWL._SL160_.jpg)
監督・原作・脚本・編集/是枝裕和
出演/阿部寛 夏川結衣 YOU 樹木希林 原田芳雄
日本公開/2008年6月28日
ジャンル/[ドラマ]
