『十三人の刺客』は世界を目指す!

 ドドーン!と迫るぶっとい毛筆のタイトル。黒澤映画もかくやと思わせる迫力に、三池崇史監督の覚悟と意気込みのほどが知れよう。
 これぞ、快哉を叫びたくなるほどの堂々たる娯楽作である。

 やはり、時代劇は剣戟があってこそ面白い。
 それも一人や二人ではない。数百人のサムライたちが、切った張ったの大立回りだ。
 久方ぶりに、痛快時代劇を堪能させてもらった。

 『十三人の刺客』は、しょっぱなから見応えがある。
 ロウソクの灯りを模した夜のシーン。炎が揺らめく中での密談ほど、背筋がぞくぞくするものはない。
 馬を駆るシーンはとうぜん土砂降りで、ヒヅメが激しく泥を蹴散らす。
 やっぱり三池監督という人は、迫力ある画の作り方に長けている。

 そしてまた脚本も上手い。
 たとえば、伊勢谷友介さん演じる山の民の木賀小弥太を観客に紹介するところ。
 山道を歩く中、小弥太が突然立ち止まり、ウサギを捕らえる。
 大事な戦いに急ぐサムライたちと、ウサギ狩りに気を取られる山の民との違いを描きつつ、小弥太がウサギの足音も聞き分ける耳と、百発百中の石つぶての腕を持つことを印象付ける。
 このシーンがあるからこそ、小弥太が凄腕の刺客の一員となることに不自然さがない。

 若手男優たちが披露するセミヌードを含めて、サービス精神も旺盛だ。


 ところで、こんにち世界で知られる日本発のブランドといえば何か?
 答えはユニクロである。
 ユニクロは世界中での広告展開で知名度を上げ、世界三大広告祭で賞を取りまくっている

 そのユニクロでクリエイティブ・マネジメントディレクターを務める勝部健太郎氏は、こんなことを語っている。
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外国人から見たら、日本そのものがグローバルコンテンツなんです。世界からすれば、日本のカルチャーや風景は非常に関心が高い。
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 これは、マンガ好きも納得する言葉だろう。
 米国を代表するコミック・アーティストのフランク・ミラーは、『子連れ狼』の大ファンなのだ。


 そして日本映画が世界にウケるには、やはり日本ならではの題材が良い。
 まったくの私見ながら、それはサムライ、ニンジャ、ヤクザだと思う。
 他国でもよく知られており、日本が発信地だと判るのはその三つだろう。

 だから世界を相手にする北野武監督が、ヤクザ映画を好んで撮るのは、まことに理にかなっている。
 しかしニンジャは、残念ながら『G.I.ジョー』をはじめ他国の映画にお株を奪われつつある。

 だからこそ、アレハンドロ・ホドロフスキーも注目する三池崇史監督が、『戦場のメリークリスマス』のジェレミー・トーマスのプロデュースで放つ『十三人の刺客』は、世界を席巻するサムライ映画として期待が高まる。

 今に伝わる明石藩主の冷酷な行いを題材に、大胆なサムライ・アクションを展開した本作は、リアリズムと娯楽性を両立させて、世界中の観客を満足させることだろう。


十三人の刺客<Blu-ray>豪華版(特典DVD付2枚組)十三人の刺客』  [さ行]
監督/三池崇史  脚本/天願大介  原作(オリジナル脚本)/池宮彰一郎
エグゼクティブプロデューサー/ジェレミー・トーマス
出演/役所広司 山田孝之 伊勢谷友介 沢村一樹 古田新太 高岡蒼甫 六角精児 波岡一喜 石垣佑磨 近藤公園 窪田正孝 伊原剛志 松方弘樹 吹石一恵 谷村美月 斎藤工 内野聖陽 光石研 平幹二朗 松本幸四郎 稲垣吾郎 市村正親
日本公開/2010年9月25日
ジャンル/[時代劇] [アクション] [サスペンス]
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【genre : 映画

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