『ハングオーバー!』 消された記憶の謎を追え!

 酔っぱらいが探偵役を務めるミステリーとしては、西澤保彦著『麦酒の家の冒険』等があるが、『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』は、二日酔いに苦しむ男たちが酩酊中に起こった謎を追求する物語である。

 かくいう私も、酔って記憶がなくなることは多い。
 同様の経験を持つ人は少なくないだろう。
 だからこそ、酔ったために記憶がないという設定は、バカバカしくも納得しやすい。

 主人公たちはトラブルの渦中にいるらしく、自分たちが被害者であるとともに実行犯であるらしいのだが、何があったのかまったく思い出せない。
 被害者だったらただ謎を解決すればいいし、実行犯なら謎を暴くべきではない。ところが、その両方を兼ねているらしいから始末に終えない。
 本作の秀逸な点だ。

 記憶喪失の主人公といえば、ロバート・ラドラムの小説『暗殺者』が有名だ。その映画化作品である『ボーン・アイデンティティー』でも、主人公の記憶がないという点だけは同じだった。
 しかし『ハングオーバー!』が先行作品と違うのは、友人同士で飲み明かし、全員記憶がブッ飛んでいることだ。
 4人がかりだから、起こしたトラブルも大きい。
 そして事件を解決する過程も、大騒ぎだ。


 日本公開に際して『消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』なんて副題が付けられたように、本作はコメディである。
 しかも下ネタ満載のお下劣ムービーで、『オースティン・パワーズ』シリーズに負けず劣らぬバカさ加減である。
 笑いは物語の進行とともに尻上がりに大きくなり、エンドクレジットまで爆笑し続けること請け合いだ。

 だが、同時に本作は、なかなかどうして気が利いたミステリーである。
 もちろん、解き明かす謎は、しょせん酔っ払いが何をしたかということなので、悪の組織にも国際的な諜報戦にも無縁だが、わずかな手がかりを追う彼らの活躍は、記憶が飛ぶほど酔っていたにしては上出来だ。


 ヒロインを、『オースティン・パワーズ:デラックス』と同じくヘザー・グレアムが務めているのも、お馬鹿ムービーファンには嬉しい限りだ。


ハングオーバー! [Blu-ray]ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』  [は行]
監督・制作/トッド・フィリップス  脚本/ジョン・ルーカス、スコット・ムーア
出演/ブラッドリー・クーパー エド・ヘルムズ ザック・ガリフィアナキス ヘザー・グレアム ジャスティン・バーサ ジェフリー・タンバー
日本公開/2010年7月3日
ジャンル/[コメディ] [ミステリー]
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【theme : コメディー映画
【genre : 映画

tag : トッド・フィリップス ブラッドリー・クーパー エド・ヘルムズ ザック・ガリフィアナキス ヘザー・グレアム

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