『秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE3』 死ぬのは奴らか?

 「.jp」は世界で最も安全な国別ドメインだ。
 と、『秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE3』の中で総統と吉田君は話しているが、ドメインが安全って、何のことか判らない。

 これは、マカフィーが「.jp」を利用しているWebサイト395,000件以上をテストした結果、99.9%のサイトが安全であると評価したことを指している。テストは、リスクの高いWebサイトや悪意あるダウンロード、またはスパムの送信といった観点から行ったそうだ。
 しかし、「99.9%のサイトが安全」と云われても、各サイトの管理者が安全確保に努めていることは伝わってくるものの、「.jp」と安全との結びつきは今ひとつ判らない。

 「.jp」を管理する株式会社日本レジストリサービス(JPRS)によれば、「.jp」の高い評価は次のような取り組みによるものだという。

 1. ドメイン名登録における厳格な管理体制
 2. CERT(Computer Emergency Response Team:コンピュータ緊急対応チーム)との協力体制
 3. 不適切なDNSサーバ設定の定期削除
 4. DNSSEC(DNSのサービスを安全に提供するための拡張機能)の導入

 なるほど、不正なWebサイトや悪意のあるWebサイトが、JPドメインを名乗って活動しないように、さまざまな手立てを講じているわけだ。
 JPRSは、JPドメイン名の信頼性確保に尽力する一方、JPドメイン名のブランド向上を図り、JPドメイン名の使用を呼びかけている

 しかし映画等の広告媒体を通じて、「.jpは安全」と連呼するのは、どういう効果を期待してのことなのだろう?

 Webサイトを閲覧する人々に、「.jpだから安心」と思わせたいのか?
 Webサイトを構築する管理者に、「.jpを取得すれば安心」と思わせたいのか?
 当然のことながら、Webサイトを閲覧する人は、トップレベルドメインも含めて、接続先サイトの安全性を吟味する必要があるだろうし、Webサイトを構築する者は、自サイトの安全性を堅持すべく不断の努力が必要だ。
 いずれにしろ、「.jpだから」と気を許して良いものではないだろう。
 そもそも正当なサイトであっても、悪意のある改竄が施されている例があるのだ。

 もちろん、こんなことはJPRSも百も承知のはずだ。
 それでも敢えてJPドメインの宣伝を行うのだから、誰にとって何がどこまで安心なのか、判りやすい説明が欲しいところである。
 「国産だから安心」というキャッチフレーズは、印象的すぎてかえって危険ではないか。

               

 それはともかく、『秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE3 ~http://鷹の爪.jp は永遠に~』は、おそらく映画史上初めて副題にURLを含んだ映画である。
 前作『秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE II ~私を愛した黒烏龍茶~』で副題の命名権を販売し、サントリーの商品名を取り入れたのも画期的だったが、今回は更に『.jpは永遠に』で済むところを敢えてhttpというプロトコル名まで付けてURLにしてしまったのだから型破りだ。

 その本作が挑むのは米国だ。
 まぁ、バラク・オバマをもじってオババ大統領を登場させたくらいで、米国大使館からクレームが来ることはないだろうが、本作では更に、総統が米国に対して「サブプライム問題を起こしやがってー!」と恨みをぶつけたりする。

 サブプライムローン問題とそれに続く不況によって、多くの人が影響を被った。
 しかし、サブプライムローンに象徴される住宅バブルを加速させた資金源がどこの国かということや、住宅と一緒に買うであろう家電製品やクルマを売って儲けたのは誰かということを考えると、日本も「共犯者」ではなかったか。

 この住宅バブルと、それに付随するクルマバブルとでも云うべき現象について、鈴木修・スズキ会長兼社長は、2009年3月のインタビュー記事で語っている。
---
米国では、住宅ローン制度を見直すことで、それまでローンを組めなかった人も家を購入しやすくなった。そのローンで買った家をさらに担保にすることでクルマも購入できるようになった。これで、これまでクルマを持ってない層にもクルマが買えるようになったんです。
(略)
大きな課題は、この10年間で増えたクルマが次の需要につながらない“一度きりの幻”で終わるかもしれない、ということです。
(略)
仮の話ですが、10年間で増えた部分がすべて「一度きりの幻」で終われば、各社とも「兆」単位のスケールでモノが消えます。2008年前期時点での需要に対応すべく整えてきた世界中の工場、ディーラーの何割かが不要になり、そこで働いてきたヒトの生活基盤が消えます。危機です。
---
 
 鈴木修氏は、不況になったのではなく、これまでの好況が幻だったと捉えている。
 そしてフィクションの世界では、2009年4月9日の『東のエデン』第1話でワシントンD.C.を訪れた大学生・森美 咲が、日本とは別の国に何かを頼んだり文句を云っても始まらないと達観している。

 ところが、『秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE3』の公開はそれからずっと後の2010年1月16日でありながら、いまさら米国に恨みをぶつけている。総統は55歳にもなって、さすがにボケをかましてくれる。
 ここは是非、吉田くんからツッコミを入れてほしかった。


 加えて云うなら、本作では、「.jp」を使用している(スポンサー)企業はしっかりしており、「.com」を使用しているのはkaeruotoko.com(蛙男商会)という自虐ネタを披露している。
 だが鷹の爪団の米国への敵愾心に接すると、「.jp」をアピールし「.com」をおとしめるのも、単なるギャグには見えなくなる。

 たしかに「.com」は、危険なドメイン総合ランキングで第2位なのだが。


秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE3 ~http://鷹の爪.jp は永遠に~』  [は行]
監督・編集・キャラクターデザイン・Flash制作・録音/FROGMAN
出演/FROGMAN 川村ゆきえ もう中学生 板東英二 堂真理子
日本公開/2010年1月16日
ジャンル/[コメディ]

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tag : FROGMAN

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